第51回“キレイのプロ”Beauty Marketing 対談 ~トップ販売員に学ぶ!「売る人」より「愛される人」!?~

こんにちは。ideal きよさわです。

前回の「キレイのプロ」では、「”すごい接客”を紐解いてみよう!?」というテーマで、SC協会(ショッピングセンター協会)主催の接客ロールプレイング全国大会入賞者の事例から、お客様の心を掴む顧客体験価値(CX)のヒントをMichieさんと分析しました。

前回の対談記事はコチラ!
   ↓
*第50回 :”すごい接客”を紐解いてみよう!?

前回の対談を通して、あらためて感じたことは、お客様がショッピングの中で求めていることは「必然的な満足」だけでなく「偶発的な満足」であるということです。そして、お客様にとっての「偶発的な満足」を引き出すためには、顧客体験価値の5つの要素の中でで「思考価値」「行動価値」が大きく影響していることを再確認できました。

ファッションメディア「WWDJAPAN」では、定期的に販売員特集が組まれていますが、今回の特集は「今支持される販売員の条件とは?」という興味深いタイトルだったので、特集を読んでみると…
お客様がお店に足を運ぶ理由が、「モノを買う」ことで「偶発的な満足」を得ることから、さらに「このスタッフに会いたい」「このスタッフから買いたい」という、スタッフから得られる「体験」へとシフトしていることがひしひしと伝わりました。

そこで今回の「キレイのプロ」では、「トップ販売員に学ぶ!『売れる人』より『愛される人』!?」というテーマで、同誌に掲載されていたトップ販売員の方々のインタビュー内容を紐解きながら、これからの時代に求められる「お客様との関係構築」や「自分らしい接客・発信」のヒントを探っていきます。

コラボ対談者(登場人物)

ideal 清澤美子(きよさわ)。
“愛されブランドづくり”のための商品企画、その商品の体験価値を高めるための販売スタッフ育成のサポートに携わっています。モットーは、「喜ばれることに喜びを…そしてその先へ」をモットーにしています。ホームページはこちら。Instagramはこちら。

大学卒業後、化粧品会社に入社。ヘルス&ビューティー、ファッションの企画業務に30年携わる。特にファッションではオリジナルブランドの立ち上げ、イベントの企画運営、スタッフ教育など、幅広い仕事に従事。モットーは、“商品企画も販売も、お客様視点”。お客様心理をつかむことが愛されブランドへの近道と思っています。

idealのサポーターであるMichieさんとの対談内容

「トップ販売員に学ぶ!『売れる人』より『愛される人』!?」について、idealのサポーターであるMichieさんと対談形式でまとめました。

前回の振り返り:「行動価値」がもたらす新しい自分

こんにちは。ideal清澤です。前回の「キレイのプロ」では、「すごい接客を紐解いてみよう!」というテーマで、今年1月に実施されたSC協会主催の接客ロールプレイング全国大会で大賞&優秀賞を受賞されたお二人の接客を、Michieさんと顧客体験価値(CX)の視点で分析してみました。Michieさん、ありがとうございました。

はい、ありがとうございました。あらためてトップの販売員さんの接客は、特に自分が思ってもいないことを引き出してくれることが、すごい体験価値になっているなと感動しました。

ありがとうございます。そうですよね。自分が思ってもいない、いわゆる潜在ニーズに気づかせてくれるってすごい技であり、すごい力ですよね。

すごいですよね、本当に。潜在ニーズに気づくことで、非常に満足度が高くなると思います。そして「また行きたい」と思う確率が上がります。

ありがとうございます。今回、顧客体験価値の視点で、お二人の接客の流れをあらためて分析してみると、“どのような流れでお客様と関係構築しているのか”とか、また“どのような言葉でお客様の潜在ニーズを引き出しているのか”あるいは、”興味を持たせていくのか”がすごくわかりましたよね。

そうそう、よくわかりました。

私は、何よりもお客様に提案する商品に対して、“納得させる力”がすごいなと思いました。実は、この分析をしたことによって、9月以降の研修では、より顧客体験価値について熱く語っている自分がいます(笑)。Michieさんはお二人の素晴らしい接客を分析したことで、その後ご自身が接客を受ける中で、何か気づいたことなどありましたか?

そうですね。私が「商品を買いたいなっ」と思う時に、1つのポイントとなっているのが「行動価値」であると気づきました。自分の生活やライフスタイルがすごく良くなるっていることがイメージできると、その商品に対して「これ欲しいな」という気持ちが非常に強くなるのかなって思いました。ただ買いたいものを買うんじゃなくて、それを使った時のライフスタイルの変化をイメージできることが、とても大切だなって思います。

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ありがとうございます。そういうことって、あらためて分析してみないと気づけないですよね。実は私も前回の分析を通して、この顧客体験価値の5つの要素の中で、Michieさんと同じように「行動価値」と「思考価値」が私にとって「すごく刺さるなぁ」と思いました。人間ってついつい「いつも通り」だったり、「定番」になっちゃいますよね。なので、商品や自分に対して新しい何かを発見できた時に、ワクワクするんだなぁと理解が深まりました。

なかなか自分の行動パターンって、変えられないですよね。

はい。まさに先日購入した秋物コスメがいい事例かも。出張中にちょっとだけ時間があったので、お気に入りのデパコスでお買い物をしたんです。つい1週間前にも秋物のメイク品を買ったばかりだったので、1点だけ追加購入しようと立ち寄ったんですが…。そうしたらBCさんに「こんなふうに使うと先日のアイテムの使い方の幅が広がるんですよ」や「これをちょっと足すだけで〇〇なイメージにもなるんですよ」と紹介されたことで、「確かに」ってすごく感動してしまって…買うつもりがなかった商品まで買っちゃいました(笑)そして、先ほどお話しした自己分析通りだったので、笑っちゃいました(笑)

うん、私も同じです。

ね、2人とも全く同じですね(笑)。そうそうMichieさん。実は、9月にSC協会の支部大会がスタートしたこともあり、前回の対談記事を読んでくださった方がすごく多かったんです。

すごく嬉しいですよね。

ねー。11月までは、まだまだ支部大会が継続するので、今回も皆さんのお役に立てるテーマで対談したいと思います。よろしくお願いいたします。

WWD特集に学ぶ!「売れる人」より「愛される人」

MichieさんはWWDジャパンさんが定期的に販売員特集を組んでいるのをご存知ですか?

そうなんですね!知らなかった!

時代の流れやお客様の購買行動のトレンドが掴めるように、定点的に特集しているそうです。しかもこの特集を組むのに、WWDジャパンさんは、毎回、様々なリサーチ手法でインタビューをする販売員さんをリストアップするそうですが、そのリサーチ手法も時代に合わせて変わっているそうですよ。

へ〜!定点観測ならではの面白さですね!!

ね〜!8月末は「今支持される販売員の条件とは」というテーマで、WWDジャパンさんが選ぶ選りすぐりの販売員さんのインタビュー記事や視点が掲載されていたので、この記事をベースにMichieさんと対談をしていきたいと思います。テーマは「トップ販売員に学ぶ!『売れる人』より『愛される人』!?」です。Michieさん、よろしくお願いします。

よろしくお願いします。

魅力的なSNS発信!Whim Gazette 佐藤さん&ADAM ET ROPÉ 河端さんの事例

今回、20名の方のインタビュー記事を読みましたが、気になる販売員の方はいらっしゃいましたか?

はい!いました。Whim Gazette(ウィムガゼット)の佐藤さん(Instagramはこちら)です。インスタも見させていただいて、とっても素敵でした。動画がすごくいいんですよね。商品特徴もよくわかるし、モデルさんじゃないから自分が着る時の想像もしやすいし、コーディネートも着方も上手だし。とにかく動画で発信してくれるからすごくわかりやすかったです。すごく素敵だなって思ったので、ついつい佐藤さんのインスタをフォローしました(笑)。

すごい(笑)でも、参考になる方ってフォローしたくなりますよね。私も佐藤さんのインスタを拝見しました!NG例やGOOD例をすごく明確に発信しているので、イメージしやすいと感じる方が多いだろうなと思いました。

すごくわかりやすかったです。きよさわさんはどなたが気になりましたか?

実はWWDさんの記事を読む前から、自分のInstagramのストーリーによく上がってくる方がいらっしゃったんです。その方が偶然にも今回の記事に掲載されていた方だったから、びっくりしました。

じゃあ、やっぱりすごい人だったんですね。

ですね。ADAM ET ROPÉ(アダムエロペ)京都店の河端ちはるさん(Instagramはこちら)です。私たちと同じ世代の方なんですよね。

見ました。カリスマ性がありますよね。

私たち50代って、年代の節目節目で「ファッションの壁」を体験しているじゃないですか。

もちろん!体験しています。

河端さんがInstagramで発信している内容って、単なるスタイリングを見せているだけじゃなくって、年代でぶち当たるファッションの壁を乗り越えるコツや、勇気を発信されているんだろうなぁと思いながらInstagramを見ていました。今回のインタビュー記事に“Instagramの発信コンセプト”が掲載されていましたが、まさに「50代、好きなものを着る」だったので、すごく納得しちゃって…私もフォローしちゃいました!(笑)

なんかきよさわさんに似合いそうなスタイリングがいっぱい出ていましたよ。

そうなんですよ!だって、40代くらいまでは、ADAM ET ROPÉさんの服はよく着ていましたから(笑)。ただ、年齢重ねるとともに「ちょっと私には…」と思い始めて、50代からは遠のいていたんです。でも今回、河端さんが背中を押してくれたので、もう1回着てみようかなって。思っているところです(笑)

わかります。「50代だからこそ、好きなものを着る」っていうキーワードがすごい力がありますよね。私はこの方のファッションのテイストとは違うけれども、体型のことなど諦めることが多いから、やっぱりすごく勇気をもらえました。

Michieさんがおっしゃる通り、「50代に似合うものを着る」じゃなく「好きなものを自分らしく着る」という逆転発想のキーワードに、すごく共感する方が多いんじゃないかなと思いました。

ですね。ファッション雑誌とかでこのキーワードが表紙にあったら絶対買いますよね。

これからの時代を生き抜くトップ販売員「3つの共通点」

私たちうっかり佐藤さんと河端さんにハマっちゃいましたね!さて、Michieさん、今回は20名のトップ販売員の方のインタビュー記事を読みましたが、何か共通点みたいなものって感じましたか?

そうですね、さっきもお伝えしましたが、やっぱり今のお客様は「モノ」を買いに来るんじゃなくて、「体験」を買いに来ているんだろうなって思います。SNSなどの情報発信力が問われる時代なので、「商品を買いに来る」ではなくて、「この販売員さんに会いに来る」ということが多くなっているのではないかと思いました。お客様と販売員さんの関係が以前とは変わってきていますよね。

確かに、これまでとはちょっと違いますよね。そこで、今回の20名の方々の記事をもとに、私なりに勝手に特徴を整理してみました!

  • 自分の強みを理解し、発信している:ファッションや美容に対する自分なりの思いを自分の言葉で発信している。
  • 接点の広がり&繋がりを大切にしている:SNSが主流だからこそ、リアルとSNSをうまく使い分けながら接点を広げている。
  • ブランドの体現者である:本社から言われたことをただ発信するのではなく、お客様のインサイトに合わせて、ブランドの想いをわかりやすく「翻訳」して伝えている。また行動でも表現している。

特に3番目の「ブランドの体現者」については、いろいろ思い出しました。何を思い出したかというと…以前、化粧品会社にいた時に私たちって、ブランドらしい「販売員作り」を頑張っていましたよね。Michieさん、覚えていますか?

ありましたね〜。覚えていますよ!

今回、インタビュー記事を読んで思ったのが、トップ販売員の皆さんは本社が発信することをそのまま伝えるのではなく、自身で「ブランド」についてしっかり考えて、そしてお客様に伝わりやすいように翻訳して発信したり、興味を持っていただけるように表現していることが、本当に素晴らしいなぁと思いました。今は、スタッフ個人が「ブランドとは!?」と考える時代なんだなぁと思いました。

本当ですね。ブランドの商品を使ったコーディネートや着方はもちろん、商品情報以外の情報や考え方も発信されているじゃないですか…きっと、それがお客様には刺さるんだろうなぁと思います。これって、お客様のことを知らないとできないことじゃないですか…だから、本社の企画部署の方だけでなく、お客様に一番近い現場の方々が、お客様と一緒にブランドを作っている…
今の時代のブランディングのあり方なのかなぁと思いました。

接客スキル以上に求められる「自分を表現する力」と「関係を育てる力」

Michieさんのおっしゃる通り、私もこれからの時代は以前にも増して現場にいらっしゃる販売員の方がブランドづくりに欠かせない存在だと思います。では、これからの時代、販売員の方にとって接客スキル以外にどのようなスキルが必要だと思いますか?

そうですね、これからの時代は、やはり「自分の想いを表現する力」が大切になると思います。自分のブランドの商品をよく知り、そして好きという想いを自分の言葉で表現して、SNSで発信していく。この力がすごく大事だなって思いました。

そうですよね。Michieさんがフォローした佐藤さんですが、SNSの発信に長けてらっしゃるから、本社のSNS部隊からも声がかかっていたと特集記事には書かれていました。でも彼女は本社を選ばなかった。理由は、ご自身が発信するコンテンツのリソースは、全て店頭でのお客様との会話の中にあるといったニュアンスのことが書かれていました。

やっぱり直接お客様と接していると入手する情報量も情報の質も違いますよね。お客様のことを知れるのは、本当に強いですよね。情報を発信していく上で、全然違いますものね。

おっしゃる通りですね。私たちも商品企画をしていた時に、日常の中で直接お客様に会うことはできなかったですが、でも、そのブランドを愛してくれているお客様のインサイト情報収集って、むちゃくちゃしましたよね。

しましたね〜。めっちゃやりました。

アンケートもやったし、デプスインタビューもやったし、グループインタビューもやりました。時には、イベント会場で販売もしました。懐かしいですよね。お客様を知れば知るほど、商品企画がしやすかったです。やり方は異なると思いますが、「お客様を知る力」というのは、今の時代も非常に必要だと思います。相手を知るからこそ、その相手の方に刺さるように表現することができますものね。そして、今回はあえて「関係を育てる力」も取り上げてみました。今回のトップ販売員の方々は、この「関係を育てる力」が本当に長けていましたね。

そうですよね。SNSによって多くの方々に認知され、認知の段階からさらに興味・関心が高まれば遠い場所でも買いに行くみたいな現象も多いと思うんです。お客様と接点さえできれば、その後、お客様の想像を超えるような接客で、お客様との関係をより強固にすることができます。

本当ですね。私がフォローしたADAM ET ROPÉの河端さんは、まさにInstagramで興味を持ってくださったお客様が、全国各地から京都まで河端さんに会いにいらっしゃるそうです。店舗にいらっしゃったお客様は、そこでまた河端さんのファンになって関係が続く…このように「お客様に愛される形」が、本当にどんどん変化しているんですよね。

そうですね。時代の変化を感じますね。ふらっと買いに来るお客様ではないってことですもんね。わざわざ遠方から会いに行っているってことですもんね。

そうです。会いに行っているということです。そういう愛される販売員の方というのは、しっかりとご自身でブランディングをされています。これまではとにかく「売る力」を持っている販売員の方が会社でも重宝されていたと思うんです。でもこれからの時代は、「売る力」だけではなくて、ファンになってもらうために「人としての魅力」、またお客様がずっとお付き合いしたいと思う「専門性」や「関係性」が価値になる時代なんじゃないかなと思いました。いかがですか?

はい、ほんとその通りだなと思います。

明日からの接客が変わる!愛されるための「1つの問い」

こちらの対談記事を読んでくださっている方に「愛される販売員」を目指していただくために、最後に私からプレゼントです。前回から「自分に問いを立ててみよう」というメッセージを発信しています。この問いを立てることが「意外に新しい気づきをもらえました」というお声をいただいたので、今回も「問い」をたててみたいと思います。

今月の「問い」は…
「お客様にまた会いたいと思っていただくために、ご自身のどのような魅力や強みを見える化し、発信しますか?」
です。この「問い」を立てていただくことで、ご自身のセルフブランディングのきっかけにもなるのではないかなと思います。ということで、Michieさん、今回もありがとうございました。

ありがとうございました。

<対談のまとめ>

最後に

今回、idealのサポーターであるMichieさんと「トップ販売員に学ぶ!『売れる人』より『愛される人』!?」というテーマで、時代の変化に伴う販売員のあり方や、お客様との新しい関係構築についてお話ししました。

Whim Gazetteの佐藤さんのように、お客様にイメージしていただくために、NG例・GOOD例を明確にしてわかりやすく”伝える力”や、ADAM ETROPÉの川端さんのように「50代、好きなものを着る」という共感を呼ぶコンセプトで”セルフブランディングする力”など、トップ販売員に共通しているのは「自分自身の強みを理解し、それを自分の言葉で表現している」という点です。単に商品を売るだけのスキルではなく、SNSとリアルを融合させながら「この人に会いに行きたい」と思わせる「自己プロデュース力」と「関係を育てる力」が、今後のブランド力に直結していくことは間違いありません。「お客様にまた会いたいと思っていただくために、ご自身のどんな魅力を“見える化”しますか?」——この「問い」を胸に、ぜひあなたらしい発信と接客を楽しんでみてください。

今回お送りしたテーマはいかがでしたでしょうか。次回の「キレイのプロ」でも、引き続き、WWDジャパンさんの特集記事「今支持される販売員の条件とは」を活用して、お客様に支持され続ける販売員の皆さんの取り組みを紐解いていきます。ぜひ楽しみにしていてください。

idealは美容業界・ファッション業界の企業様、エステサロンの皆様の“愛されブランドづくり”のために、今後もMichieさんの協力を得ながら、ブランディングサポートを提供していきたいと考えています。“愛されブランドづくり”に関するご相談、ご質問があれば、ぜひ下記よりお問合せ下さい。