キレイのプロ Beauty Marketing対談(第9回)公認心理士&経営コンサルタントに聴く『目標設定と目標達成のための極意』

第9回 公認心理士&経営コンサルタントに聴く     『目標設定と目標達成のための極意』 アイキャッチ

こんにちは。ideal きよさわです。
Beauty marketing対談では、ideal のパートナーである“キレイのプロ”をお招きしてビューティー業界のお仕事内容や愛されブランドづくりの秘訣をご紹介します。

昨年末のキレイのプロ番外編でNLP(神経言語プログラミング)についてご紹介したところ、大変多くの反響をいただきました。ありがとうございました。

今回は私のNLPの師匠である椎名先生とNLPコーチ仲間である川崎さんのお二人をお招きして、NLPコーチングのスキルを活用した「目標達成法や部下との面談の進め方の極意」を教えていただきます。

「チームメンバーのリソース(強み)を引き出し目標達成を目指したい」「NLPコーチングについて知りたい」「ミッションとビジョンを人材育成に活用したい」「成果につながるフィードバック法を知りたい」「離職率を下げたいが、どうしたらいいか悩んでいる」という方にぜひご覧いただきたい内容です。

コラボ対談者(登場人物)

ideal 清澤美子(きよさわ)。
“愛されブランドづくり”のための商品企画、その商品を販売するスタッフ育成のコンサルティングを行なっています。「喜ばれることに喜びを…そしてその先へ」をモットーにしています。ホームページはこちらInstagramはこちら。

公認心理師 椎名先生
約10年、正社員の離職者”0”。ドラッカーマネジメントと心理学を駆使する経営コンサルタント。また、コミュニケーショントレーナーを育成する一般財団法人日本コミュニケーショントレーナー協会代表理事です。HP(日本コミュニケーショントレーナー協会)はこちらHP(日本NLPアカデミー)はこちら

セールスのプロ 川崎 哲也
大手ハウスメーカー8社の中の東京地区現役トップ営業マンであり、日本コミュニケーショントレーナー協会でコミュニケーショントレーナーをしています。
ホームページはこちらFacebookはこちら前回の対談はこちら

一般財団法人日本コミュニケーショントレーナー協会の椎名先生&川崎さんとの対談内容

一般財団法人日本コミュニケーショントレーナー協会の椎名先生&川崎さんとの対談内容を記事にまとめました。

日本初のコミュニケーションスクールを作った恩師に目標達成の極意を聴きました

年始同様、年度初めも多くの方々にとって目標設定をするタイミングだと思います。そこで今回のキレイのプロでは、読者の皆様に2023年度を有意義な一年にしていただくために私のNLPの師匠である椎名先生をお招きして「目標設定法や目標達成の極意」を教えていただきたいと思います!
椎名先生、自己紹介をよろしくお願いいたします。

2003年に日本で初めてのコミュニケーション専門スクールを作りました、椎名紀夫と申します。よろしくお願いします^^

椎名先生&川崎様対談_前編①

今から20年前にスクールを設立されたんですね。

そうそう。当時は新興宗教などの怪しいものが流行っていたので、コミュニケーションや心理学というとずいぶん怪しい目で見られましたねww

私は、2007年から椎名先生のスクールに通い始めましたが、NLPを学んで本当に良かったと思っています。

ありがとう。実は僕が経営する会社も2011年6月から2020年3月ころまで正社員の離職者ゼロでした。

約10年も離職者ゼロですか!

10数年コミュニケーションや心理学・マネジメントを勉強したことを活かして、社員の離職率を下げてきたからね^^

なるほど。コミュニケーションや心理学を教えようと思ったのは、どのようなキッカケですか?

僕は経営コンサルタントでもあるんですが、クライアントである経営者の皆さんから様々な悩みを聴いてきました。
「社員が辞めてしまうんだよね」というお悩みや「夫婦関係がうまくいかず離婚してしまいそうなんだ」とか「自分だけがいい車や家を買えればそれでいい」という風に、お金の使い方もコミュニケーションの仕方も分からなくなってしまう人が多いなと感じるようになったんです。

なるほど。

当時は僕自身も社員の離職に悩んでいたので、それらの悩みを解決できるように勉強していたら、愛しい清澤さんと出会ったと。そんなところでよろしいでしょうか?ww

笑笑
ありがとうございます^^椎名先生のスクールでは、心理学やコミュニケーションだけじゃなくて、ドラッカーマネジメントも教えていただけるので、私はそれも大好きで通い続けています!

ピーター・ドラッカーのマネジメントは、『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら?』が流行るよりも前から、多くの時間と莫大なお金を使って勉強しましたよ^^

本日は椎名先生にいろいろ教えていただきたいと思います。よろしくお願いいたします!

こちらこそよろしくお願いします^^

そして本日はもう一人、NLPコーチ仲間であり、毎年高い売上目標をクリアされているセールスのプロ 川崎さんとご一緒に椎名先生にお話を伺って参ります!
川崎さん、自己紹介をお願いいたします。

川崎です。某大手住宅メーカーで32年間、トップ営業マンとして販売の仕事をしています。同時に日本コミュニケーショントレーナー協会でトレーナーをさせていただいていて、椎名先生から教わったスキルをチームメンバーにシェアしています。本日も楽しみに参加させていただきます^^

川崎さん、前回に引き続きよろしくお願いいたします!
川崎さんは、実際に会社で部下の方々をマネジメントされているので、そういった視点からもどんどん質問していただけると嬉しいです。

はい^^よろしくお願いします。

今回、椎名先生に対談をお願いした理由に繋がるんですが…2年前のNLPコーチングの学びは私にとって大きな転機となったんですよ。椎名先生に2年前に急遽メッセージを送って「NLPコーチングを教えてください!」ってお願いしたこと、覚えていますか?

…覚えてないなぁ。

え!? そんな…(涙)

ww

と、とにかく、椎名先生のNLPコーチングスキルの極意を、マネジメントに携わっている皆さんにぜひ役立てていただきたいと思い、今回お声をかけさせていただきました!

OK!

椎名先生&川崎様対談_前編②

モチベーションUPの鍵であるミッションの重要性

ちなみに川崎さんは、NLPコーチングを学んでよかったなと思うことはありますか?

そうですね。実は去年、椎名先生や他のトレーナーたちと一緒に公認心理士試験を受けた時に、自分自身に対してNLPコーチングが活用できたんですね。

そうなんですね!どのように活用されたのですか?

トップ営業マンとして仕事をしながら試験にチャレンジしましたから、夜遅くに仕事から帰ってきてから勉強するためのモチベーションを維持するのがとても大変だったんです。その時にNLPコーチングで学んだスキルを使いました。

うわー、どのスキルだろう?

ビジョンを明確にして、そして五感を使ってありありと達成したビジョンを思い描くことを学びましたよね。そのスキルを自分の公認心理士試験に使うことができたので、モチベーションが維持できて、合格できたんじゃないかなと思っています。

そういったリアルな体験を踏まえて、さらに椎名先生に質問したいことがあればお願いします!

はい。公認心理士試験の時の経験からも、やっぱりビジョンを描くというのはとっても大事だと実感しているので、仕事でも活かしたいなぁと思っているんです。それで定期的にチームメンバーと面談を行うんですが、私の会社って40代半ばから50代のメンバーも多いんですね。

はい。

そうすると、なかなか社員のモチベーションが上がらなかったり、ビジョンが明確にならないのを感じるんです。ワクワクしたイメージが思いつかないというので悩んでます。

椎名先生、いかがですか?

OK。まず「ミッションとビジョンってどんな違いがあるの?どっちが大事なの?」という話です。

どちらが大事なんだろう…。

多くの人ってそんなことを考えたこともないと思うんです。今の川崎さんの話だと、年上の部下や年下の部下のモチベーションをどうやって上げるか。どうやってやりがいのある仕事を提供したらいいか、そういうことだよね?

はい、そうですね。

それを達成するために必要なのはミッションなんです。ミッションとは何かというと「なりたい自分」ではなく「求められている自分」のことを言うんですよ。ちなみにビジョンは簡単にいうと目標のことです。

なるほど。

僕の話を例に挙げますね。
過去の僕は、子どもからもお父さんなんてめったに呼ばれない、怒ってばかりの父親だったわけ。そんな僕がこれから二人の子供からどんなお父さんだったと覚えられて人生を終えるのか。「怒ってばかりだったけど、人生で大切なことをうちの親父は教えてくれたよな」こうやって覚えてもらいたいんですよ。これがミッションなんですよ。

求められる自分で“ありたい”というのが、ミッションということですね。

そうです。
そうすると、朝起きたときに「昔息子たちに怒鳴りまくっちゃったのはしょうがない。過去は変えられないから。でもとにかく今日一日、親父は大事なことを教えてくれたなって思ってもらえる一日にしよう」こう決心して起きるんですよ。それで、日々子供たちにしていることがミッションに沿っているかどうか、この行動に対してフィードバックがもらえるかどうかが重要なわけです。

なるほど。

これが夫婦関係であれば、「あなたと結婚してよかったと思われたい」というのがミッションになります。「あなたと結婚して本当に失敗だった」と思われたらミッションにならないよね。僕の場合は、週末は出張でほとんど家にいなかったけど「あなたと結婚してよかった」、そういう風に言われたいなと思って日々反省しながら生きているわけだよね。

はい。

そうするとある時に女房に言われるんですよ。
「人生最後の日まであなたの食事は私が作るね」って。自慢で申し訳ないですけどねww

すごい!

素敵ですね^^

これは実はミッションでもあってビジョンなんですよ。そういう関係性になっていくと「そんな風に女房に言われて、俺は幸せもんだな」って感じられる。コミュニケーションってこういうことなんです。コミュニケーションは相手が主人公なんですよ。

相手が主人公、ですか。

川崎さんの話に戻りますね。
川崎さんのミッションの一つとして「俺たち、年もばらばらで色んなメンバーがいるけど、川崎さんと仕事ができて良かった。だって〇〇だから」というのがあるでしょう。この〇〇に入るものが川崎さんの強みだと思うんです。

ええ。

その「だって〇〇だから」という部分が川崎さんの色で、そういうものが見つかったらもうぶれなくなりますよ。

人間を成長させるものは〇〇だけ!コミュニケーションの本質に迫る!

ちなみにマインドフルネスってありますよね。何でそれ、日本にないんでしょうか?

???

おかしいでしょう。マインドフルネスってカタカナですよね。ということは海外から入ってきた考えですよね。

確かにそうですね。外来語ですよね。

で、マインドフルネスって瞑想じゃないですか。瞑想って手段ですよね?

そうですね、手段ですよね。

目的は何か?
心を穏やかにすることじゃないんですよ。

心を穏やかにすることではないんですか?

目の前のあたりまえのことを当たり前にやるのが目的なんですよ。

ふむふむ。

そうするとね、マインドフルネスをやることが目的になってしまう。心を穏やかにすることを目的にしているけど、心が穏やかになんかなるわけないんですよww

えー!なんか私だけお話についていけてないかも…

ww

昨日知人に誘われて、あるお坊さんたちのセミナーに出たのよ。そしたら4〜50代のお坊さんがみんなで「最近生きづらい人が増えてきましたね」って言うわけ。それを聞いて僕は「いやいや、昔からみんなそうだよ」って思ったのね。
本来は、その生きづらさを認めてあげて「そういう試練こそが私どもの成長になるんですよ。試練なくして成長したことありますか?」と説くのがお坊さんだと思うんですよ。
だって人間は試練以外で成長できないでしょ?

確かに!

ここがさっきの部下のモチベーションの管理や関係性の作り方の答えなんですけど、上司の役目というのは「試練やストレス以外では俺たち成長できないよな」ということを前提として伝えることなんですよ。だってそれ以外では成長できないからね。

その前提をちゃんと伝えるということが大切なんですね。

たいていの人は悩んで乗り越えて成長するんだよ。だからそういう前提を提供しないとダメなんだよ。リーダーは部下たちと一緒に試練を乗り越えて、その中で成長していく。今は上手くいかない上司や部下とでも、10年後を振り返ったときに「色々あったよな。トラブルもあったけど喜びもあったよな」、こう言い合えるのが人間関係というんですよ。

深いですね。

色々なことを乗り越えながら、お互いに辛い時があっても良い時間だったよなって、数10年後に言えるのが人間関係で、それをコミュニケーションというんですよ。だからちょっとコミュニケーションが上手くいったときに、短期の結果ばかり求めすぎちゃう。
人間関係というのは中長期的に作るもので、お互いの苦労をお互いに少しずつ分かち合ってきた連続が人間関係だということをちゃんとお伝えしたいなと思いますね。

すごく納得しました。

ありがとうございます。

NLPコーチングの効果を最大限活用するビジョンストーリー

椎名先生は、NLPコーチングを成功させていくためにはどのようなことが大切だと考えてらっしゃいますか?

良い質問です!
目標設定の話につながってくるんだけど、目標を達成するにはどうしたらいいかお話ししていきますね。目標設定で気を付けるのはどういうことでしょうか?

うーん、なんだろう。

目標っていうのは手に入れたら無くなるんですよ。

そっか、そうですよね。

だから目標を達成するコーチングというのは俺にするとチープなんだよね。

あー、私も目標設定だけを追いたくなくてNLPコーチングを選んだんです。

そうだよね。そうするとNLPコーチングで僕がお伝えしたのは、ビジョンストーリーでしたね。ビジョンストーリーというのは、何かって言うと「目標」だよね。

はい。

事例を使って話すね。ある中堅クラスの会社の女性役員さんから「最近上の子が中学生になったらお母さんに何にも話してくれなくなった」と相談がありました。仮にAさんとしましょうか。その時に、コーチングですから365度評価とかやるんだよね。

365度評価というと、一人に対して様々な立場の方からお話を聴いて評価を行うものですよね。

だから旦那さんやお姉ちゃんに聴いたり、社長や課長、部下はもちろん同業者に聴いたりしました。
その時に社長が言っていたのは、お子さんたちが小さかった頃のAさんのことです。彼女は子供が二人いて、生まれてすぐの時から会社の近くの寮に入れていました。娘さんたちが「お母さーん」って会社まで見に来ても、顔を合わせるけど「帰りなさい」って言うんです。本当だったら、そのまま子供達を抱っこして帰りたくなっちゃうじゃないですか。

可愛いお子さんが来てくれたら、そう思いますよね。

でもなぜそうするのかというと、彼女のミッションだからですね。女性として生きていく厳しさなんかがありますから。子どもに「お前たち、お母さんが仕事終わるまで待ってなさい」って接するのは、そこにミッションとビジョンがあるわけですよ。

ええ。

何があってもこの二人の子供たちが将来生きていけるようにって頑張るんだよね。昔みたいに、お母さんが家にいるのって少なくなって、今はお母さんも外に出て自己実現する人たちが多いけど、それもそれぞれのミッションとビジョンがあるからだよね。

そうですね。

そうすると彼女のビジョンストーリーとして、僕はAさんにこんなことをお話しするんです。将来お子さんに「お母さんの子でよかった」って言われるでしょうね。お子さんも大きくなって、仕事や家族・パートナーとの楽しみや厳しさとかいろいろなものを勉強して、自分の子を育てるときに「お母さんあんな子供の育て方だれに教わったの?」って子供たちに聴かれますよ。

うわっ。すごい。復習になります!

そんな時にAさんの過去のお話をしてあげてください。「お母さんはね、小さい頃に両親が自営業で、お父さんはいつも飲んだくれてたの。だけど母はね、そんな中でも勉強だけは厳しく躾けてくれたのよ。おかげで仕事の楽しさや主人とのかかわり方っていうのをいっぱい勉強したの」それから「お前たち二人にお母さんの子でよかったって言ってもらえて嬉しいわ。亡くなった父と母に改めて感謝しています」と。

…素敵なお話ですね^^

ビジョンストーリーを使うと、クライアントさんに寄り添うことができますね!

こういう風に一つの出来事から未来とか過去の行き来をしていくのが、NLPにおけるビジョンストーリーというんです。だからビジョンという目標に一貫したストーリーができるんだよ。

つまりコーチングだけではなく、セラピーやメンタリングもできるのがNLPコーチングの魅力なんでしょうね。

そうかもしれないね^^
それができれば、部下は「この上司は分かってくれてるな」って思うわけですよ。

いかがですか、川崎さん。私たち椎名先生の授業をあらためて復習しているわけですけども。

自分は、目の前にいる事象しか見れていないというのが、現実だなと感じました。そういう意味では過去に行ったり未来に行ったり、そこを自由に行き来できる言葉というのはすごいなぁと思いますね。

川崎さんは家売るのにやってるじゃんか!

お客様にはできるんですよww

そうか、社内ではまた違うのか。

立場だったり、色々な感情が入ってくるんで…。

あ、感情ね!

私もセッションをしていて、現在・過去・未来というのを行き来する言葉や目標に一貫したストーリーが大切だなと感じています。あと…相手に接する前に自分のビジョンやミッションを明確にしてから向かい合わないと、それはできないなと再確認しました。

それもあるかもね。でもピーター・ドラッカーのマネジメントではもっと効果的な方法がありますよ。彼は世界中の企業で唯一成長を続けている会社には一個しか特徴がないといったんです。

椎名先生&川崎様対談_前編③

世界中の企業の中で成長を続ける会社が持つ、たった一つの特徴とは?

世界中の企業で成長を続ける会社の特徴、気になります!
それはなんですか?

それは「上手くいっていることについての会議でのフィードバック」なんだって。

なるほど!納得です!

成長を続ける会社は上手くいっていることだけをフィードバックする会議を定期的に実施していて、その日は問題に焦点を当てた会議はやらないんだよ。今でこそ、行動マネジメントとかでお伝えしているけど、これってポジティブフィードバックなのね。

具体的にはどのように会議を進めていくんですか?
皆さん知りたいと思います!

目標を持たせたら、1週間に一回「上手くいったこと何?」って聴くんですよ。「あの目標どうなった?」なんて聴きません。そうすると相手は何か言うわけ。そしたら「もっと上手くやるにはどうしたらいい?」って聴くんですよ。そうすると自分でこういう風にやったらいいと思うって相手が自分で見つけ出すのね。

もし上手くいったことが無い人はどうすればいいんですか?

そういう場合もあるよね。先週はなかなか上手くいったことが無かったです、みたいな。そしたら簡単なんですよ。「そうなんだ、何勉強した?」って聞けばいい。

そこから何を学んだかということですね?

そうです!
だから必ずポジティブフィードバックなんです。

あの、目標を明確に設定したとしてもそれを達成できない人っているじゃないですか。そういう人には特にこのポジティブフィードバックをしっかりとやっていくことによって、行動変容が起きるっていうことですか?

一言ではそうとは言えないんですけど…。いま清澤さん、目標達成できない人っていったじゃないですか。じゃあ目標を達成したくない人はいるんですか?

目標を達成したくない人、ですか。

そもそも「目標達成したくない」ということと「目標が達成できなかった」ということは全然違うことなんですよ。じゃあその目標って「元々達成したいことだったのか」が重要なんです。

…なるほど!納得!!

そうすると、達成したい目標って貢献しかないんですよ。目標自体がお客様への貢献になっているのかどうか。間接業務だったら中の人たちへの貢献になっているのかが明確になっていないと、ダメなんですよ。だって顧客が喜ぶ以上に自分の幸せってないんだから。

「喜ばれることに喜びを」ってことですね?

もちろん!
自分が何かを達成した喜びよりも、自分が誰かと関わって感謝される方がよっぽど嬉しいわけ。
家だったら、家建ててくれた人に「やっぱり川崎さんに相談してよかった」って言われるのが川崎さんの幸せだと思うんですよね。だから上司はまずそれを部下に教えないとまずいよな。

ええ、そうですね。

自分の喜びがお客様の喜びかどうかは分かんないんで、まず目標は貢献目標なんですよ。自分がありがとうなんていうのは当たり前。お客様がありがとうと言ってくれる貢献目標が大事なんですよね。

ということは仮に部下が貢献するための目標になっているかどうかは、その方にとってのビジョンやミッションが明確になっていないと達成できないということですか?

僕は相手にそれを求めなくてもいいと思ってます。例えば部下が目標を達成できなかったとするよね。それに対して僕なら「目標達成できなかったか。辛いな。俺は上司としてそういう気持ちに寄り添えてたかな?」これってポジティブフィードバックなんですよ。

おお…!

「自分はあなたのことを心配してたよ」って、気持ちに寄り添ってあげるんです。今の社会でこんなに日本人的なポジティブフィードバック出来る人は少ないと思う。

なるほど。目標達成できなかった部下の方の気持ちを汲んで、鼓舞したり叱るのではなく、寄り添ってあげるんですね。

椎名先生、例えば会社だとどうしても数値目標というのがあるわけです。営業であれば契約数などは欠かせないわけですね。その数字の前では、いかにお客様からありがとうと言われたとしても、結果契約ができるかどうかというのは時の運だったりするわけです。

そうだね。

そうすると、契約数で測れない尺度っていうのが必要なわけですかね?

そうだね。例えばね、川崎さんの勤めるハウスメーカーの商品を、売って建てて家族が不幸になるものだったら売らない方がいいですよ。そうですね?

当然そうですね。

そうすると商品やサービスがいいというのは前提ね。その前提で目標達成できなかったとすると、その人がどうやって努力したのかということも評価しないといけないよね。

努力のプロセスを見ないといけないですよね。

そう、プロセス評価ですよ。もし結果だけの評価だったら、仕事や提供する商品・サービスもその程度のものになると思う。ドラッカーは、企業の目標は利益を上げることではないんだ、利益を上げることは的外れだと言っているんです。

そうなんですね。

お客様に貢献していれば、利益が上がるのは当たり前だと言っているのです。そこで川崎さんの有名なメタファーがあるじゃないですか。

え、なんですか?

某大手銀行の支店長に家を契約寸前で、同居している宮大工だったお父さんに反対された話があるんですよ。

一度は反対されたけど、宮大工の頃のお話をじっくり聴いていくことで人間関係ができて、「川崎が建てる家なら住んでやってもいい」とOKをもらったという話だよね。

はい^^

そうすると、ビジネスって人以外に売れないじゃないですか。もちろん世界に一枚しかない絵だったらその絵を買うんだけど、一般的なビジネスって人柄を売りますよね。どれだけその会社に貢献できるかっていうのを売るわけでしょう?

そうですね。

だから部下が数値の目標が達成できなかった時に、上司がその部下をどれだけ人格形成できなかったんだっていう上司のせいなんですよ。
そうでしょう?だって成績が良くなくて辛いのは上司もそうですけど、部下が一番辛いんだから。

本人が一番、悔しいですよね。

だから目標達成できなかった時に、その気持ちを半年とか一年とかかけて一緒に喜びに変える時間にしようなっていうのが上司でしょう。

なるほど…。そういう辛い気持ちや試練を共に乗り越えるのが上司であり、人間関係とはそういうものだと部下にちゃんと伝えることが大切なんですね。

僕はそう考えています^^

椎名先生、本日は貴重なお話をありがとうございました!
また次回のキレイのプロもお二人と一緒に、NLPについての学びを深めて行く予定です。どうぞよろしくお願いいたします^^

はい、次回もよろしくお願いします^^

次回も楽しみにしています!

<対談まとめ>

<対談の様子>

椎名先生&川崎様対談_前編④

最後に

今回、一般財団法人日本コミュニケーショントレーナー協会の椎名先生と川崎さんに「目標設定と目標達成の極意」というテーマでお話を伺いました。

自身のビジョンとミッションに合った目標を設定することの重要性や、モチベーションを上げて目標達成をするためのフィードバック法など、自分自身に対してももちろん、組織づくりにおいてもすぐに活用できるスキルをたくさん学ばせていただきました。
特に、「達成したい目標って貢献しかない」と力強く仰った椎名先生の言葉は、私が大切にしている「喜ばれることに喜びを…」の想いに通じていて、非常に印象に残りました。

通常であればスクールでお話しされている貴重なお話を惜しみなく今回の対談で提供してくださった椎名先生、川崎さんに心より感謝申し上げます。
ありがとうございました。

idealは美容業界・ファッション業界の企業様、エステサロンの皆様の“愛されブランドづくり”のために、今後も椎名先生・川崎さんの協力を得ながら、ブランディングサポートを提供していきたいと考えています。“愛されブランドづくり”に関するご相談、ご質問があれば、ぜひこちらよりお問合せ下さい。