こんにちは。ideal きよさわです。
前回までは、「愛されブランドづくりのための販売心理学講座 」の動画をもとに、店長やスタッフの皆さんが悩まれているテーマをピックアップして、Michieさんと対談させていただきました。
前回の対談記事では、多くの方から”チームづくり”についてご質問やご相談をいただきました。私たちにとって、後輩・部下育成の方法は、永遠のテーマなのかもしれません。
今回の「キレイのプロ」では、「後輩・部下の指導方法がわからない」という、一見シンプルだけれど他者には相談しづらいお悩みを取り上げていきます。
テーマは、「”愛されブランド”づくりに欠かせない育成法vol.1」です。
「後輩・部下の指導方法がわからない」「メンバーが、自分で考えて行動できるようになって欲しいけど、育成が難しい」「チームの仕事と自分の仕事のバランスが難しい」という方にぜひご覧いただきたい内容です。
idealのサポーターであるMichieさんの体験談や、きよさわが担当する研修や1on1でお伝えしている内容をギュッとまとめてご紹介いたします。
目次
コラボ対談者(登場人物)
ideal 清澤美子(きよさわ)。
“愛されブランドづくり”のための商品企画、その商品を販売するスタッフ育成のコンサルティングを行なっています。「喜ばれることに喜びを…そしてその先へ」をモットーにしています。ホームページはこちら。Instagramはこちら。
ideal Michieさん
大学卒業後、化粧品会社に入社。ヘルス&ビューティー、ファッションの企画業務に25年携わる。特にファッションではオリジナルブランドの立ち上げ、イベントの企画運営、スタッフ教育など、幅広い仕事に従事。モットーは、“商品企画も販売も、お客様視点”。お客様心理をつかむことが愛されブランドへの近道と思っています。
idealのサポーターであるMichieさんとの対談内容
「後輩・部下の指導方法」について、idealのサポーターであるMichieさんの体験談や、きよさわが担当する研修や1on1でお伝えしている内容を対談形式でまとめました。
スタッフ育成の悩みに向き合う
こんにちは。ideal清澤です。「キレイのプロ」もいよいよ4年目に入りました。昨年9月から前回までは「愛されブランドづくりのための販売心理学講座 」の動画をもとに、多くの店長やスタッフの皆さまが悩まれているテーマをピックアップして、Michieさんと対談させていただきました。Michieさん、これまでありがとうございます。
こちらこそありがとうございます。実際に、様々な店舗で何気なく受けていた接客に意図や目的があることを知り、そして、その意図や目的を知って体感できたことで、たくさんの気づきがありました。楽しかったです。
楽しんでいただけて嬉しいです。Michieさん、実は、「キレイのプロ」の記事に、少しずつご質問が増えているんですよ。
そうなんですか。
そこで、今回からは皆さまからいただいたご質問に応えていこうと思います。Michieさん、引き続きよろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。
いただいたご質問の中で多かったのは・・・「対談内容をスタッフ教育に活用したいけど、どのように教えれば良いですか?」「何から始めれば良いですか?」です。そこで、「後輩・部下の指導方法がわからない」という、一見シンプルだけれど、悩んでいる方が多そうな・・・かつ、他者には相談しづらいお悩みを今回は取り上げていきます。
Michieさんも、これまでチームメンバーのマネジメントや指導をたくさんされてきたと思うのですが、スタッフ指導で悩んだことはありましたか?
もちろんありますよ。むしろ「悩むのが仕事」って感じですよね。(笑)
「悩むのが仕事」って、うまいこと言いますね^^
本当に、スタッフ指導は大変です。
そうですよね。自分とは違う価値観や考え方を持った人たちに、動いてもらわなきゃいけないわけですから。
まさにその通りです。しかも、一人ひとりに向き合いながら、チームとしてまとめていく必要があるわけで。本当に難しい仕事だと思います。
本当ですね。チームメンバーそれぞれのキャラも違いますし、納得しないと動いてくれないですからね。実は私も美容業界に限らず、いろいろな企業様で実施する研修先で、“後輩・部下指導”に関するご質問をたくさんいただきます。今回、図にまとめてみたのでご覧ください。
なるほど。あるあるですね。

あるあるですよね。そこで、前回の動画で少し触れた「スタッフ指導にも活用できる振り返り法」からもう一段掘り下げて、今回は“指導法の基本”についてご紹介します。
よろしくお願いします!
「悩むのが仕事」!? マネジメントのリアルと指導の工夫
先ほど、Michieさんが「悩むのが仕事」って仰っていましたが、マネジメントをされていたときに、特にどんなことに悩んでいましたか?
私がいつも頭にあったのは、「コミュニケーションをどう取るか」ということでした。部下は年齢も背景もバラバラで、中途採用の方なんかは特に、前職のやり方が染みついていたりするので、「これをやってください」って一方的に指示しても全然通用しないんです。
なるほど~。そうかもしれませんね。
まずはその人がどんな考えを持っていて、どんなタイプなのかを理解する。そこから、その人に合った伝え方や指示の仕方を考えていました。毎日、本当に悩んでいました。
なるほど~!実は先日、ある化粧品会社のトップの方とお話しする機会があったのですが、その方も同じような悩みを抱えていました。人気ブランドを展開されているので、一気に店舗数が増えたため、いろいろな会社から優秀な人材が集まっているそうです。スタッフの皆さんが優秀ではある一方で、それぞれの企業文化が異なっているため、別の意味で苦労している、と。
ありますよね、企業文化って。
私がMichieさんと仕事をしていた頃は、新卒採用がメインだったので企業文化でそこまで悩むことはなかったですが、Michieさんは中途採用の方ともたくさんお仕事されていましたね。企業文化の違いをひしひしと感じたかもしれませんね。特にどのようなことで悩まれましたか?
そうですね…。素直にお願いしたい仕事を引き受けてもらえなかったことが多かったですね。何かしら理由をつけて、はっきり断ってくるんです。
えっ、はっきり断ってくる…?
そうなんです。それが本当に困りましたね。
なるほど…。自分のやり方や経験がある人たちだと、新しいやり方をすんなり受け入れるのは難しいのでしょうか?あと、私がMichieさんと一緒に働いていたころは、全員がオールマイティにどんな仕事でもできることを求められていたから、そういう意味で企業文化が違ったのかしら?
そうなんです。多分、前の会社が「自己主張しないと生き残れない」というような企業文化だったんでしょうね。だから、「私はこれができるけど、これはできません」って、バッサリ線引きする感じでした。
なるほど。Michieさんが悩まれていたことは、企業文化の違いもありますが、スタッフの方の価値観の違いで悩まれている方にも当てはまる内容かもしれませんね。そのようなとき、どのように対応されていたんですか?
他のスタッフとのバランスもあるし、本当に困りました。なので、「この時間空いているから、これお願いできるよね?」みたいに、相手の状況を確認した上で、よく話しながら、丁寧に頼むようにしていました。
“その人に合わせる”が鍵! 部下育成に必要な視点とは
さすがですね。ところで、Michieさんは後輩・部下の指導法って、ちゃんと学んだことありますか?
うーん、あまりなかったですけど、多少は人事の研修がありましたよ。当時、マネジメント研修みたいなものがありました。
なるほど。実は、私が研修先で会う管理職や中堅社員の皆さまは、「部下指導」に悩んでいる方が本当に多いんです。皆さんに理由を質問すると、ほとんどの方は、「これまで学ぶ機会がなかった」です。だから「指導方法を教えて欲しい」という依頼が増えているのだと思います。
わかります。やっぱり教えてもらわないと、急にスタッフから上司やリーダーの立場に変わっても、視点を切り替えるのって難しいですよね。私が受けたマネジメント研修では、「全員に同じ指示を出さなくてもいい」っていう考え方を教わったんです。
「全員に同じ指示を出さなくてもいい」って、とてもいい考え方ですね!!
人それぞれタイプが違うから、その人の“いいところ”を伸ばして、苦手な部分はチームで補い合う。「全員が同じことをできるようにする」のではなくて、「この人の得意なところを活かす」。そういう考え方に変わったとき、本当に目からウロコでしたし、すごく気持ちがラクになりました。

その視点は、とても大切ですよね!私もまさに同じ考えです!!
こちらの図は、後輩・部下の育成に関わる管理職の方々や、店舗でいえば店長・サブの皆さんに知っておいていただきたい「指導者が人のマネジメントで期待されている役割」を図式化したものです。指導する立場の方々は、メンバーを巻き込む力、後輩をフォローする力、リーダーシップを発揮する力、課題を見つけて改善していく力…など、後輩・部下指導にあたって様々なことが求められています。
なるほど。
言葉を変えると“人づくり”が大きな役割です。
そのためには、部下や後輩全員に同じことを伝えるのではなく、一人ひとりに合わせた対応力が必要となってきます。先ほど、Michieさんが“目からウロコ”“気持ちが軽くなった”と仰っていた指導法ですが、指導する側にとって大切な視点ですよね。
本当に!
実は以前、私たちの後輩だった方と、たまたま出張先で会って食事をしたんです。そのときに、面白いことを言われたんですよ。「清澤さんって、同じ内容を伝えているはずなのに、私に伝える時と○○さんや■■さんに伝える時で伝え方が違いましたよね?指示の出し方も全然違いましたが、あれってどういうことだったんですか?実は、伝え方が違ったけれど、私たちはそれぞれが腑に落ちていたです」って。
すごくよく覚えてます。
私も、研修の仕事をするようになって、ああ、なるほどそういうことだったんだと思いました笑。当時は、指導法なんてまったくわからなかったから。
先ほど、Michieさんのお話を聴いて、思い出しました。
相手に合わせて伝えることは、本当に大切だと私も実感しました。
はい。私も現在、その重要性を、研修現場で会う皆さんにしっかり伝えています。ぜひ、多くの方に「全員が同じことをできるようにする」のではなくて、「この人の得意なところを活かす」を実践していただきたいですね!
次の質問ですが、Michieさんは「後輩・部下育成に必要な要素」として、どのようなことが必要だと思いますか?

やっぱり「目標」の存在は欠かせないと思います。意外とおろそかになりがちなので、目に見えるところに貼っておいたり、朝礼で毎回言ったりすることって大事ですね。「目標」があるからこそ、指摘もしやすくなるし、行動の指針にもなる。まずはその「目標」をしっかり定着させることが重要だと思います。
本当にそうですよね。「分かっているだろう」と思っていたら、全然違う方向に進んでいる人は、結構いますよね。
そうなんです。しかも、会社の方針が少し変わるだけで、「目標」も微妙にズレていくことがあります。
あと、「目的」がズレちゃってる人も結構多いですよね。
勢いで突っ走っちゃうタイプの人も。
そうそう。だから、「目標」や「目的」を丁寧にすり合わせて伝えていく力って、本当に大切だと思います。
私は、リーダー自身が「自分の言葉」で伝えるのも大事だと思っています。スローガン的な、自分が伝えやすくて、相手にも伝わりやすい言葉を使うっていうか。
仰る通りです。特に「リーダーシップ」と「フォロワーシップ」を発揮する時に「言葉」は大切ですよね。「言霊」じゃないけれど、相手に届く言葉、心に刺さる言葉を使って、熱意や思いをしっかり伝えていくことが求められます。
本当にそう思います。
技術だけじゃない“教える力”の磨き方「OJTの本質」に迫る
あともう一つ大事なのが、「OJTスキル」だと思います。Michieさん、OJTスキルってご存じですか?

はい。仕事の現場で指導していく、ということですよね?
そうです。OJTは「職場内での教育」のことですが、ただ技術や商品知識を教えるだけではないんです。さて、もう一つ大事な要素、何だと思いますか?
なんだろう? 知識や技術以外に必要なことって…?
とても大切なことなんです。
うーん…“身につく”とか“姿勢”っていうことですか?
そうです。実は最後の一つは「態度」なんです。研修でもよくこの言葉を使ってお伝えしているんですが、その企業に合った「態度」がとれているか、求められる「姿勢」であるかが重要です。特に企業文化がバラバラなチームでは、この「態度」を微修正していくことがとても大切だと思います。
「態度」を修正するって、すごく難しそうですね…。
そうですね。企業文化が違うチームは、仕事に対する価値観自体が違うことが多いですから。大きく異なる場合は、指導者側もスタッフ側も少しずつ擦り合わせをしていく必要があるのかもしれません。
少しずつ擦り合わせをするのは大切ですね。
あと、OJTの目的は、教えられる側の能力向上だけじゃなくて、教える側の成長もあります。双方の力が高まれば、チーム全体のパフォーマンスも上がります。Michieさんは、OJTスキルをどのように活用されていましたか?
そうですね。簡単に言えば、一緒に説明しながらやってみせて、そのあとに一人でやってもらう、という流れでやっていました。

まさに基本ステップですね。最初に「目的」や「目標」を共有して、今から何をやるのかを明確にしながら「説明」「指導」をする。で、実際に「やってみせる」。特に初めての方には、具体的かつ丁寧に教える必要がありますよね。でも、逆に経験者の方にそれをやりすぎると、ちょっと不機嫌になったりしませんでした?
ありました(笑)
やっぱりそうですよね。だからこそ、相手のレベルや経験値に合わせて、「やってみせる」や「やらせてみせる」をうまく使い分ける必要があるんです。その上で「褒める&叱る」を織り交ぜて、何が良くて、何が足りないのか、そして何がその企業で求められているのかをしっかり伝えながら、継続して指導していくことが大事なんですね。
なるほど。
信頼が育つ育成のカタチ ティーチングとコーチングの使い分け
ところでMichieさん、先ほど「相手の経験値やレベルに合わせて指導することが大切」とお伝えしましたが、その具体的な指導法はご存知ですか?
指導法…ですか?
はい、レベルに合わせた指導法です。
うーん、なんだろう…
おそらく、無意識のうちにやられていたと思いますが…
もしかして…コーチング?
そう、それです!
でもコーチングって難しいですよね…。
そうそう。コーチングの他にもありますよね?
ティーチングもありますよね。たぶんその2つだと思います。
ティーチングは比較的簡単です。知っていることを教えるだけだから。でもコーチングは本当に難しいと感じました。
どんなところが難しいと感じましたか?
コーチングは、相手に“自分で考えてもらう”ことが大前提じゃないですか。だから、「言いすぎない」そして「待つ」っていうのが本当に難しくて。
そうなんですよね!多くの方々が、「待つこと」にすごく苦労されています。
あと、見守り続けるのも難しいです。ちゃんと理解できているのか、黙って待つって、結構しんどいですよね。
わかります。マネジメントをされている方って、いつも時間に追われていますものね。つい、待てなくて先に言っちゃったり、先に自分でやってしまったり…。
ほんと、それです。「やっちゃった方が早い!」って思って、私もやっちゃっていました。ダメですね(笑)
前回もいろいろとお話を伺って思いましたが、それでもMichieさん、「待つ」こと、頑張ってやっていらっしゃいましたよね。
まあ…時には、ですけどね(笑)
そのとき、何か工夫されたことってありましたか?
工夫というほどではないんですが、とにかく“見守る”ことですね。
席も近かったので、黙って様子を見ながら、どこまで進んでいるのか、どんなふうに取り組んでいるのかをチラチラ確認していました。
そうだったんですね。
今考えると、ちょっとウザかったかもしれませんけど(笑)。
そんなことないと思いますよ。でも、見守りながら相手のペースに合わせて言葉をかけるって、大切ですよね。
そうですね。
こちらの図にもありますが、やっぱり「相手を認めること」がすごく大事なんです。言葉でも態度でも、しっかりと承認してあげないと、どれだけコミュニケーションを取ろうとしても、なかなか行動にはつながりませんよね。

本当にそう思います。
Michieさんがマネジメントをされていたとき、新入社員や若手社員へのティーチングはありましたか?
ありましたね。中途採用で入ってきた方には、最初にやり方を教えることが多かったので、最初はティーチング中心でした。
じゃあ、「なぜそれをやるのか」「何をするのか」「どうやってやるのか」という3つのポイントを、明確に伝えていたんですね。
はい、そのようにしていました。
ほかに工夫していたことはありますか?
その方が以前いた会社のやり方も確認して、どこが違うのかを説明するようにしていましたね。
一方的ではなく、ちゃんとステップを踏んでいらっしゃったんですね。であれば、指導後のフィードバックも丁寧にされていたんでしょうね。
そうですね。
相手のどこが良かったのか、そして今までとの違いを明確に伝えることで、相手も納得しやすくなりますよね。
はい、納得してもらえないと、なかなか行動が変わらないですから。
人は慣れていることを繰り返してしまいますものね。
本当にその通りです。
他にも何か工夫されていたことはありますか?
マニュアル的なものを作ろうとは思ってたんですが、なかなかそこまで手が回らなくて…。
難しいですよね。
はい、結局、蓄積として残すことができなかったかなと思います。
私がよくやっていたのは、メモを持ってこなかった時は「取りに行くように」と伝えていました。
ああ、なるほど、自分で書かせるってことですね。
そうです。あと、一度メモしたことは、二度質問されても答えないっていうマイルールを設定していました。
なるほど。
初めての質問には丁寧に答えるんですけど、同じことを何度も質問してくる人って、結局メモを活かしてないんですよね。もしくは、また質問すればいいやって思っているし…。
結構、厳しめですね(笑)。
いや、でも会議、業務、後輩の育成…全部重なってくると、効率よくやらざるを得ないじゃないですか。
本当に!なんで全部こっちにくるんですかね…。大変すぎます。
同じように悩んいでる方、多いと思うんです。私は、なるべく効率よく仕事が回るように、いろいろ試していました。
わかります。
先ほど、Michieさんはコーチングが難しいと仰っていましたが、コーチングをする際、何か工夫されていましたか?
コーチングは本当に難しかったです。できていたかは微妙なんですが、意識していたのは、しっかりフィードバックして褒めること。あとは、自分自身で気づいてもらえるように、なるべく少ない言葉で伝えるようにしていました。
素晴らしいですね。心理学の実験でも「褒め:叱る=3:1」の割合が良いとされています。叱られてばかりだと気持ちも沈むし、信頼関係も築けませんよね。褒めて信頼関係をつくり、必要なときに的確に指摘する。これが大事なんでしょうね。
「褒め:叱る」のバランス、参考になります。
それから、後輩や部下にチャレンジの機会を与えることって、意識されていましたか?
そうですね。成長してきたなと感じたタイミングで、「これはやったことないけどお願いしてみようかな」っていうことはありました。
そうですよね。「チャレンジの機会を作る」ことは、大事な育成法の一つだと私も思います。同じ仕事を繰り返していると、どうしても飽きがきたり、慣れが出てきてしまうので、タイミングを見ながら少しだけハードルを上げた仕事を任せていく。そうすることで、スタッフの皆さんも、PDCAを回す習慣がつくれますよね。
本当ですね。
さて、冒頭でもお話ししましたが、私たちが後輩や部下を育成していく上で大切なのは、まず「OJTスキルとは何か」を理解すること。そして、相手にどれくらいの知識や経験があるのかを見極めながら、「コーチング」と「ティーチング」をうまく組み合わせていくことです。相手によって「教える量」や「指導の深さ」は変わってきますから、そのバランスを考えながら指導することが、何より重要です。
そうですね。
ということで今回は、後輩・部下の育成に欠かせない「OJTスキル」、そして「ティーチング」「コーチング」についてお話ししてきました。
Michieさん、本日の話の中で、何か気になったことや、もう少し確認しておきたいことはありますか?
「コーチング」と「ティーチング」を繰り返していく中で、やっぱり部下によって成長スピードが違ったり、思うように進まないこともあるんですよね。特に「コーチング」って、「本当にこの人、ちゃんと理解してるのかな?」と不安になる場面があって…。「ティーチング」の場合は教えたことを理解しているかどうかが比較的判断しやすいんですが、「コーチング」は「自分で考えて動けるようになる」が成果になるので、その確認がすごく難しいなと感じています。
なるほど。Michieさんは、そういうときどのように確認していたんですか?
正直なところ、あまりうまくできていなかったと思います。「この人、本当に分かっているのかな?」って疑問を持ちながら接していたことがあって…。
ということは、その方は「やります」と口では言っているけれど、行動が伴っていなかったということでしょうか?
そうだと思います。結果として、こちらが期待していたような成果が出てこなくて…。でもその時、うまく教え方を変えられなかったんです。自分の引き出しが少なくて、対応しきれなかったなと今になって思います。
なるほど。今のお話、きっと同じように悩んでいる方、たくさんいらっしゃると思います。例えば、そういうときに立ち返るべきなのが「目的と目標の共有」なんです。もしかしたら、その方と目指すゴールの認識にズレがあったのかもしれません。Michieさんが求めていた“できる”のレベルと、相手が理解していた”できる”のレベルが、しっかりすり合わせできていなかった可能性もありますよね。
ああ…たしかに。そこには立ち返っていなかったかもしれないです。
OJTには、実は段階的なステップがあるんです。うまくいかないと感じたときは、そのステップの途中に問題があることも多いので、一度立ち戻って見直してみることも大切だと。
すごくよくわかりました。まさにその通りだと思います。
ありがとうございます、Michieさん。今回は、「どう指導すればいいの?」という、とてもシンプルだけれど多くの方が抱えているお悩みに対して、Michieさんと一緒に考えてみました。次回は、また別のお悩みに、二人でお答えしていきたいと思います。
では、Michieさん、今回もありがとうございました!
こちらこそ、ありがとうございました!
<対談のまとめ>

最後に
今回、idealのサポーターであるMichieさんと『愛されブランドのチームづくりに欠かせない育成法vol.1』というテーマでお話をしました。
多くの方が抱えていらっしゃる「後輩・部下の指導方法がわからない」という、一見シンプルだけれど他者には相談しづらいお悩みは、まさにMichieさんも私自身も体験してきたことです。
今回の対談では、私たちが、実体験の中で工夫してきたこと、そして、現在、きよさわが企業研修や1on1でお伝えしているスタッフ指導のスキルを、ギュギュと詰め込んでいます。皆さまのお悩み解決の糸口になることを願っております。そして、皆さまのチームが、”最幸なチーム”となることも!
来月の「キレイのプロ」では、『愛されブランドのチームづくりに欠かせない育成法vol.2』として、いつの時代も、そして、やはり誰もがぶち当たる壁・・・「世代間に起こる価値観の違い」について、Michieさんと対談いたします。
idealは美容業界・ファッション業界の企業様、エステサロンの皆様の“愛されブランドづくり”のために、ブランディングサポートをしております。“愛されブランドづくり”に関するご相談、ご質問があれば、ぜひ下記よりお問合せ下さい。