キレイのプロ Beauty Marketing対談(第10回)公認心理士&経営コンサルタントに聴く『行動変容を促すマネジメント術』

第10回 公認心理士&経営コンサルタントに聴く     『行動変容を促すマネジメント術』 アイキャッチ

こんにちは。ideal きよさわです。
Beauty marketing対談では、ideal のパートナーである“キレイのプロ”をお招きしてビューティー業界のお仕事内容や愛されブランドづくりの秘訣をご紹介します。

今回も前回に引き続き、私のNLPの師匠である椎名先生とNLPコーチ仲間である川崎さんのお二人をお招きして、NLPを活用した「行動変容を促すためのマネジメント術」を教えていただきます。
※前回の対談記事はこちら。

「NLPコーチングについて知りたい」「行動マネジメントについて詳しく知りたい」「成果につながるフィードバック法を知りたい」「行動を促す言葉のマジックを知りたい」「well-beingな組織・チームをつくりたい」という方にぜひご覧いただきたい内容です。

コラボ対談者(登場人物)

ideal 清澤美子(きよさわ)。
“愛されブランドづくり”のための商品企画、その商品を販売するスタッフ育成のコンサルティングを行なっています。「喜ばれることに喜びを…そしてその先へ」をモットーにしています。ホームページはこちらInstagramはこちら。

公認心理師 椎名先生
約10年、正社員の離職者”0”。ドラッカーマネジメントと心理学を駆使する経営コンサルタント。また、コミュニケーショントレーナーを育成する一般財団法人日本コミュニケーショントレーナー協会代表理事です。HP(日本コミュニケーショントレーナー協会)はこちらHP(日本NLPアカデミー)はこちら

セールスのプロ 川崎 哲也
大手ハウスメーカー8社の中の東京地区現役トップ営業マンであり、日本コミュニケーショントレーナー協会でコミュニケーショントレーナーをしています。
ホームページはこちらFacebookはこちら前回の対談はこちら

一般財団法人日本コミュニケーショントレーナー協会の椎名先生&川崎さんとの対談内容

一般財団法人日本コミュニケーショントレーナー協会の椎名先生&川崎さんとの対談内容を記事にまとめました。

やる気がどんどん湧いてくる人となぜか上手くいかない人の「行動の法則」

今回のキレイのプロは、前回に引き続き一般財団法人日本コミュニケーショントレーナー協会の椎名先生と川崎さんをお招きしてお話を伺います。今回もどうぞよろしくお願いいたします。

よろしくお願いします^^

本日も勉強させていただきます^^

さて前回、椎名先生の会社では約10年間、正社員の“離職者ゼロ”というお話がありました。その際、行動マネジメントを活用されているとのことでしたが、皆さん興味がある内容だと思うので、もう少し詳しく教えていただけますか?

OK!
それでは健康な人の「行動の法則」についてお話ししましょうか。

お願いします^^

まず、人の行動はABCという3つのステップからなっています。
Aは刺激・Bは行動・Cは結果です。
例えば、名前を呼ばれるという刺激を受けて「はい!」と返事という行動をする。するといい返事という結果が得られる。ところが同じ刺激を受けても「…はい」と元気のない返事という結果になることもあるよね。そうすると「何かあったのかな?」と心配になる。こんな感じで、ABCが私たちの日常では連続しているわけですね。

はい。

じゃあ健康的な人がどういう人かというと、仮に太郎さんとしようか。
仕事をするという刺激を受けて、頑張って働くという行動が起きます。そこで健康な人は良いところに目が向くんです。100の仕事のうち99は失敗で1個だけ成功したとしても、その良いところに目が向いて、結果が行動を強化するの。
「よくやったな、じゃあもっと上手くやるにはどうしたらいいかな?」ということで、今度は働き方を工夫するようになります。そうすると善循環になるわけ。これが健康な人の行動パターンです。

失敗の方が多かったとしても、上手くいったところに目を向けて前に進んでいけるんですね。

次はちょっとメンタル不調になっちゃうパターンを解説するね。花子さんとしましょうか。
仕事をして頑張って働く、ここまでは太郎さんと同じなの。でも100のうち99成功してても、1個失敗してる。そうすると失敗したところに目が行って、不快を減らしたくて頑張るのよ。なんとなく分かるでしょ?

はい、分かります。

「上手くいったことをもっと上手くやるには」じゃなくて「不快を減らしたくて」働き方を工夫するの。でもどんなに働き方を工夫しても、結果はネガティブなところに目が行っちゃうので、不快を避けるマネジメントは上手くいかないんですよ。これでは悪循環になってしまう。これがメンタル不調の原因だと言われているのね。

なるほど!

花子さんの場合、努力すれば努力するほどネガティブなところに目がいっちゃうから「結局私って駄目かな」と言う風になってしまう。
でも太郎君の場合には、「もっと上手くやるには」と工夫するのでどんどん色んなスキルが増えるの。花子さんの場合は働けど働けどネガティブなところに目が向く。そうすると会社に行くことが嫌になってしまうのね。

ふむふむ。それはどうしたら改善できるんでしょうか?

行動マネジメントの順番は「C:結果」が先なんですよ!
前回も話したけど、上手くいったところをフィードバックしていかないと、良い状態はつくれないんです。まさしくポジティブフィードバックなんですよ。上手くいってない人に対しては「何を学んだんですか?」と聴くことが必要なんです。

前回の対談を読まれていない方のためにおさらいをしておきますね。
ポジティブフィードバックのために、「上手くいったことはなんですか?」「もっと上手くやるにはどうしたらいいですか?」「何を学んだんですか?」の3つの質問が重要であると教えていただきました。

ありがとう。「C:結果」の後に「A:刺激」なんですよ。
太郎さんは「今日も会社に行ったらいいことあるかな」と思って行くけど、花子さんは「どうせ今日もなぁ…」ってなっちゃうんですよね。

ポジティブに受け取れる状態を作ってからじゃないと、同じ刺激を受けても捉え方が変わってしまうんですね。

そして、その後に「B:行動」なの。
色んな人がセミナーオタクになっちゃうというのは「C:結果」ができないから。色んなセミナーに行って学びを活かした行動をしても、ネガティブな面ばかりを見ていれば、違うことやりたくなっちゃうじゃないですか。

ええ。

だから、色んなことを学んじゃダメなんですよ。
一番大事なのはポジティブフィードバックなんですよ。この後にもっと上手くやるにはどうしたらいいかっていうことを確認しないと、生きてるの辛くなっちゃうのね。

なるほど。

あと、健康でない人は、「B:行動(誤学習と先送り)」になることも知っておくといいね。やったことないことを学習すると誤学習というのが起こりすぎちゃう。あと先送りというのは距離を置きすぎちゃうということ。例えば、買った本を読まないとかダイエットを先送りするとかいうことだね。これが健康な人とそうでない人の違いです。

復習になります!

人を変化・成長させる行動マネジメントの原則はこれです。
刺激は試練とも言い換えられるんですが、試練に対して成長の機会だと受け取れる人は知恵が育まれるんです。
そうですよね?だって試練以外で成長できないというのは皆さん自明の理でしょう。

はい。

そうすると試練は避けたいという人は、人生が前に進まないのよ。だって試練が人を成長させるんだから。
だから上司と部下の関係においては、試練やストレスがあったときに「一緒に乗り越えていこうな」「メンタルを壊さない程度に勉強しような」ってやっていくことが重要なのね。

ストレスを避けることを考えるのではなく、一緒に乗り越えようと導いてあげるのが上司の役割なんですね。

だから知識だけでは不十分。誤った知識なんかはもう最悪。試練が必要なのに避けたいというのは誤った知識ですよ。こういう正しい知識をもった人が、試練から習得できるのは知恵だということです。こういう風に心の流れを統制して行くことが行動マネジメントでは重要なんです。

ストレスは嫌だなと思うことは、落ち込むことではないということですね。

そう、ストレスこそが自分を成長させるんだということです。これはスタンフォード大学のケリー教授の調査でエビデンスも出ているので、こういうモデルを活用してもらうといいのかなと思いますね。

ありがとうございます!すごく有益な内容を教えていただきました^^

椎名先生&川崎様対談_後編①

会議は正しい知識をシェアするために使え!令和時代のビジネス新常識

椎名先生は、日頃から行動マネジメントの原則や社員の方への気持ちの寄り添いを実践されていらっしゃいますが、対談記事を読んでくださっている皆さんがイメージしやすいように実際の事例を教えていただけますか?

OK!
例えば、月曜日は幹部会だったんですけど、そこで一週間でどんなことをやったかなんて聞きたくないんですよ。どんな成果が上がったかを知りたいんですよ。

はい。

「○○商会に行きました、来週には契約になりそうです」なんてことは一切聞きたくないわけ。上手くいったことは何で、それをもっと上手くやるにはどうしたらいいかというのをみんなでシェアしたいわけですよ。ようするに、間違った知識では上手くいかないよね。

間違った知識というのは、例えばどういうものですか?

住宅メーカーを例に出すと、見学会に行けばAmazonギフト券を1万円あげます、というのは、今考えると最悪のケースですよ。

ああ〜…。

なぜかというと、お客様を見下しちゃうことになるんですよ。
本来はこんな家があるから来てくださいっていう時代だったんだけど、ネットが発達して自由に情報が取れるから、なかなかお客様が集まらないですよね。そうすると心理操作といって、商品券渡すから来てくださいよってやっちゃうの。それが今は通じない時代になっちゃったよね。

うーん、なるほど。

ちなみに今はどういう時代なんですか?

一例として、GoogleMybussinessってありますよね。あれってお客様が自分の命の時間を削ってコメントを書いているんですよ。命の時間を削って「この会社はいいよ」「この会社は気をつけろよ」って書くんですよ。今は、そこからお客様が集まるんですよね。

確かにそうですね!

世の中がすごく変わっているので、間違った知識ではなく正しい知識が必要になっているよね。集客ということに関しては、一般の人たちが口コミとかハッシュタグ検索とかで色んな情報を取れるようになっちゃったから、昔のやり方が上手くいかなくなっている。

はい。

それともう1つ言えることは、もう知識だけでは上手くいかないんですよ。
なぜかというと世界人口は80億人なので80億通りの異なる価値観があるよね。ということは80億通りの人間関係の作り方があるんですよ。だから正しい知識でコミュニケーションをして、すり傷を負いながら知恵を身につけるんですよね。で、その知恵の身につけ方ってフィードバック以外にないんですよ。

なるほど!

だから「上手くいったこと何?」「もっと上手くやるにはどうしたらいい?」上手くいかなかった人には「何学んだ?」という質問なんですよ。

この3つのフレーズって、この対談を読んでくださっている方々にとってもすごく活用度の高いフレーズですよね?

そうです。でもそれを邪魔するのは感情ですよ。

確かに、仕事をしていると怒りやイライラなどの感情が入ってきますよね。

「馬鹿野郎」「何回言ったら分かるんだ」これはコミュニケーションではなくて感情の発散というスキルです。
だから前回も言ったように人間関係というのは10年20年かけて作るもので、時間が経ってから「よく先輩は怒鳴ってましたよね」って笑い話になればいいんだけど…。その前に今は辞めちゃうだろう?

そうですね。10年後はないですよね。

僕がサラリーマンやってた35年前は、一つの会社にずっと務めるという時代だったよね。

そうですよね、私の新入社員時代もそういう時代でしたよ!

わずか10年前にキャリアコンサルタントに「35歳で3回転職したら終わりだ」って言われたんですよ。わずか10年前ですよ。

今ではそういう人もいっぱいいますよね。

逆に今は転職してステップアップして、自分の人生を輝かせようという人が多いですね。

そうでしょう?
何が起きているかって言うと、若い人の方が立場が上だということです。若い人の方が転職が自由だから、怒鳴ってたら、もう10年後に思い出話をすることはないよね。だからコミュニケーションがとっても重要だし、1on1ミーティングでも定期面談でも感情を出すなんていうのは話にならないんだよね。

椎名先生&川崎様対談_後編②(差し替え)

1on1に悩む上司必見!部下のやる気をアップさせる接し方のコツ

現在、1on1ミーティングや面談を取り入れている企業が増えているので、1on1ミーティングや面談のやり方で悩む上司の方々もたくさんいらっしゃると思うんです。そういう方々に1on1を成功させる秘訣を教えていただけますか?

秘訣はないけどヒントならあるかな。日本語には主語がないということです。主語がないんで、あなたと私という区別がなくて日本人は常に同じ方向を向いていたんですよ。

言われてみると確かにそうですね。

だから日本語にはコミュニケーションという言葉もなかったんですよ。海外から入ってきた言葉ですから。

「あうんの呼吸」というのはコミュニケーションじゃないんですか?

コミュニケーションの一つだけど、コミュニケーションそのものではないよね。日本人は欧米のように相手と向かい合っているわけではなく、みんなが同じ方向を向いていたから。

なるほど、納得です。

一つの例でいえば、家長制度があったので親父の意見にはNOと言えなかったわけですよ。昔の日本というのは近所の人たちが近所の子供をちゃんと叱ってくれましたよね。こういう文化だったわけですね。だからわざわざ主語をつけて「あなた」という必要がなかったわけですよ、みんな仲間のようなもんだから。

ええ。

でも1on1ミーティングや面談というのは明らかに向かい合って1対1なんですよね。これはアメリカ文化の面談なんですよ。

そうですね。あちらから入ってきたものですもんね。

だからアメリカ文化が悪いとは言わないけど、日本文化とアメリカ文化を調和したようなやり方をやらないと上手くいかないわけです。

なるほど。…具体的に言うとどういうことですか?

だから「上手くいっていることは何?」って聴くことですよ!

ああ、そこに繋がってくるんですね!

それから部下の言葉を「そういうことが上手くいったんだ」って聴いてあげる。仮に上司が答えを知っていても「そういうことか、なるほどな」って聴いて、それから「ところでさ、ちょっとアドバイスしていい?」って同意を得てからアドバイスするんですよ。

同意を得てから初めてアドバイスをするんですね!

その面談の時は、グループでやった方が効果的ですか?

そうだね。グループで、一番声の小さい人から意見をもらった方がいいね。

そうですよね。

またポジティブフィードバックに加えて、継続学習ということも勉強したほうがいいですね。

常に新しい知識を学びにいったり、社外講師を呼んで学び続けることですか?

実はそういうことではないんです。継続学習というのは、会社やチームで上手くいったことをその中でシェアして、よりよい方法を考えて行くことを言うんですよ。

まさに本日のお話にあった、もっと上手くやるにはどうするかを学び続けるということですね。

そう。ドラッカーの本には、この継続学習というのは日本文化から始まったと書いてあるんですよ。

そうなんですか!川崎さん!
4、5月にNLPコーチングセミナーが開催されるから、また私たち参加しましょうか?

そうですね^^
椎名先生のお話って、聴くたびに前回の話からさらにブラッシュアップされているんですよね。

そうなんですよね!
毎回新しい情報が入ってくるから、本当に勉強になります!

そんなことないよ、言ってること同じだよ。

言い方や表現がその度に違うんですよ!

そうなんですよ!本日も本当に勉強になるお話をたくさん聴かせていただきました!ありがとうございます。
最後にお二人から一言いただけますか?まずは川崎さんお願いします。

本日も貴重なお話を聴かせていただきありがとうございます。
たくさん教わった中で心に残っているのが、お客様がGoogleに書き込んでいる時間を“命を削って書いている時間”だという表現です。これはお客様に相対するときにいつも考えているんですけど、やっぱりそれを自分の言葉にしてみんなに伝えていくというのはすごく大事だなと感じました。椎名先生の言葉を聴くと改めて自分を振り返ることができました!

ありがとうございます^^
では椎名先生、お願いします。

お客様がGoogleの口コミに命を使って書いているというのは僕も教わったんです。僕がその話に共感したのは、みんな貢献したいんだなって感じたからなんです。やっぱり誰かの役に立ちたいんだなというのが人の本質だと思ったんですよね。

自分自身の命の時間を使って、他の人のために貢献の気持ちを込めて口コミを残すということですね。

だとすればやっぱりフィードバックで大切なのは「上手くいったこと何?」って聴いてあげる。上から目線かもしれないけど、どんなに力がある人でも上手くいったことは聴いてもらいたいもんですよ。力がない人でもね。

すごく共感します。

それに関して「何やったの?」「もっと上手くやるにはどうしたらいいの?」なかなか結果が出ない人には「いいこと勉強したな」って、必ずその人がもっと貢献できるようなフィードバックをすることが面談の基本かなと考えています。

ありがとうございます^^
今回、お二人と2回に渡り対談させていただいて本当に良かったです! 私も椎名先生から学んだ3つの質問を、1on1面談やセッションはもちろんコンサルティングの場でもこれからもっともっと活用させていただきます! 椎名先生、川崎さん、ありがとうございました!

こちらこそありがとうございました^^

ありがとうございました!

<対談まとめ>

<対談の様子>

椎名先生&川崎様対談_後編③

最後に

今回、一般財団法人日本コミュニケーショントレーナー協会の椎名先生と川崎さんに「行動変容を促すマネジメント術」というテーマでお話を伺いました。

社員の行動を促す方法や1on1面談で使える魔法の質問は、今すぐ活用していただけるスキルだと思います。私も1on1面談やコーチング、コンサルティングで、どんどん活用していきたいと思います。椎名先生のお話は何度お聴きしても切り口や表現の仕方が違うため、毎回新鮮な情報を学ばせていただけます。特に今回の対談を通して、2年前に学んだNLPコーチングを復習ができたことに心から感謝しています。

また2回の対談を通して、「行動の法則」を理解した人との関わり方や使う言葉を変えることで、well-beingな状態がしっかりとつくれることを再確認できました。

椎名先生、川崎さん、2回に渡り貴重なお話をありがとうございました。

idealは「愛されブランド」の土台はwell-beingな組織づくりだと考えています。今後も椎名先生や川崎さんの協力を得ながら、ブランディングサポートを提供していきたいと考えています。“愛されブランドづくり”に関するご相談、ご質問があれば、ぜひこちらよりお問合せ下さい。