キレイのプロ Beauty Marketing対談(第31回)“愛されブランド”づくりのための販売心理学講座“〜 お客様の迷いを払拭する”ネガティブワードの切り返し”! 〜

第31回 “愛されブランド”づくりのための販売心理学講座“ 1

こんにちは。ideal きよさわです。
あけましておめでとうございます。

昨年もたくさんの皆さまに「キレイのプロ」をお読みいただきましたこと心より感謝申し上げます。
2025年も、多くの方に活用いただける情報を発信して参ります。
本年も引き続きどうぞよろしくお願いいたします。素敵な1年にしていきましょう。

前回の「キレイのプロ」では、お客様から聴き出した情報をもとに、お客様の気持ちが上がる商品提案の方法について、Michieさんとお話ししました。
いかがでしょう。”パーソナライズトーク”は、試していただけましたか?
”パーソナライズトーク”で商品提案をしている時としていない時で、お客様の反応が全く異なるのを感じていただけたと思います。


「お客様の購入率を上げたい!」
「お客様をもっと理解したい!」
「お客様との関係をさらに深めたい!」
という方は、ぜひチャレンジしていただきたいスキルです。

前回の対談記事はコチラ!

   ↓

*第30回 : お客様の購買意欲をあげる”パーソナライズトーク”?!

今回の「キレイのプロ」のテーマは、「お客様の迷いを払拭する”ネガティブワードの切り返し”!」です。

実は、お客様の多くが商品購入を決心する最後の最後に、“ネガティブワード”を発信します。
皆さんも経験したことがあるのではないでしょうか?

お客様の“ネガティブワード”に翻弄されてしまうのか、それとも
お客様の“ネガティブワード”を払拭して、さらにお客様の納得度を高め、信頼関係を深めるのか…

この“ネガティブワード”の対処の仕方こそが、スムーズなクロージングをするための分岐点となります。

だからこそ、「クロージングの成功率をもっと高めたい」「お客様に合うもの提案したい」とがんばっていらっしゃる皆さんには知っておいていただきたいスキルです。

“ネガティブワードの切り返し”で
さらにお客様の納得度を高め、商品決定率を高めていきましょう!!

本記事では、「愛されブランドづくりのための販売心理学講座 #6」動画の一部を活用しながら、
「お客様の迷いを払拭する”ネガティブワードの切り返し”」のポイントを3つのテーマに分けてお伝えします。

対談相手は、前回に引き続き idealのサポーターであるMichieさんです。

コラボ対談者(登場人物)

ideal 清澤美子(きよさわ)。
“愛されブランドづくり”のための商品企画、その商品を販売するスタッフ育成のコンサルティングを行なっています。「喜ばれることに喜びを…そしてその先へ」をモットーにしています。ホームページはこちらInstagramはこちら

ideal  Michieさん
大学卒業後、化粧品会社に入社。ヘルス&ビューティー、ファッションの企画業務に25年携わる。特にファッションではオリジナルブランドの立ち上げ、イベントの企画運営、スタッフ教育など、幅広い仕事に従事。モットーは、“商品企画も販売も、お客様視点”。お客様心理をつかむことが愛されブランドへの近道と思っています。

愛されブランドづくりのための販売心理学講座 #6<テキスト版>

「愛されブランドづくりのための販売心理学講座 #6」の動画から抜粋したテキスト版をご紹介します。

こんにちは。ブランディングコンサルタントの清澤です。今回の”キレイのプロ”では、「お客様の迷いを払拭する”ネガティブワードの切り返し”」のポイントを3つのテーマに分けてお伝えします。

Ⅰ.お客様が突然、迷い出すのは”〇〇”!!
Ⅱ.お客様のネガティブワードを切り返す”〇〇法”!!
Ⅲ. ネガティブワードが出たら、”〇〇”のチャンス!!

お客様が突然、迷い出すのは”〇〇”!!

まずは皆さんに確認していきましょう。
お客様から“ネガティブワード”が出たとき、どのようなことを感じますか?

「お客様に失礼なことをしてしまったかな?」

という不安を感じる方が多いのではないでしょうか?!

第31回 “愛されブランド”づくりのための販売心理学講座“ 2

ご安心ください。

お客様の迷いは、皆さんや商品が原因ではありません。
買いたい気持ちが高まっても、人は必ず理性が働き、躊躇するものです。
これはどんなお客様にも起こり得ることです。

そうです!お客様が突然、迷い出すのは”当たりまえ”!!

お客様は皆さんの商品や接客を否定しているわけではありません。
むしろ、お客様は自身の迷いを払拭してほしいと思っているのかもしれませんよ。

ということで、今回は、お客様の迷いを払拭し、お客様の「欲しい!」を高める
“ネガティブワードの切り返し法”をお伝えいたします。

お客様のネガティブワードを切り返す”〇〇法”!!

いつもの「お客様心理」と「お客様の期待」の図を確認していきましょう。

お客様は決断したいけれど迷っています。だからこそ、お客様が皆さんに期待していることは「迷いを払拭してほしい」ということです。

第31回 “愛されブランド”づくりのための販売心理学講座“ 3

お客様が「最近買い物したばかりだから…」「先月買った〇〇と似ているから…」と迷い始めたら、「迷うのは当たりまえだよね」と捉え、まずは心を落ち着かせましょう。

第31回 “愛されブランド”づくりのための販売心理学講座“ 4

その上で、お客様の“ネガティブワード”を切り返すために、「YES・BUT法」を活用してみましょう。
「YES・BUT法」とは、相手と信頼関係を築きながら、自分の意見を伝えることができる魔法の話法の1つです。
ご存知の方も多いスキルだと思いますが、よりお客様と良い関係づくりができるように少〜しアレンジしてあるので、ぜひ確認してみてください!!

第31回 “愛されブランド”づくりのための販売心理学講座“ 5

私が研修などでお伝えしている「YES・BUT法」の方法をフレームワークにしたので、図をご覧ください。

「YES」は、お客様がおっしゃっている言葉に共感し、受け止めることです。
ここで注意していただきたいのが、お客様が発するネガティブな言葉そのものに共感するのではなく、ネガティブに感じているお客様のお気持ちに共感して差し上げましょう!


「BUT」は、お客様とは異なる視点の情報をお伝えすることです。
ここでは、皆さんの意見、考えをしっかりお伝えします。
その後、お客様に「質問」をします。実は、この「質問」がポイントです!
単にこちら側の意見、考えだけを伝えるだけでなく、お客様をより深く理解するためのアクションを忘れずに行っていきましょう!!

そして、特に気をつけていただきたいNG行動は次の2つです!!

  1. お客様に対して、いきなり「でも」「ですが」「だけど」などの、Dから始まる“反論ワード”を使うこと。
  2. お客様が“ネガティブワード”を発したからといって、皆さんがすぐに諦めてしまうこと。

お客様が“ネガティブワード”を発したからといって、過剰に反応する必要はありません。まずは、お客様のご意見や思いを、しっかり受け止めることを忘れないようにしましょう。

“ネガティブワードの切り返し”には、「YES・BUT法」の他にも「YES・AND法」や「リフレーミング法」など複数あります。実際、私は、研修ではこれらの手法もお伝えしていますが…今回は多くの方がご存知の「YES・BUT法」を練習していただけるようにケーススタディと回答例を用意したので、ぜひチャレンジしてみてください!

ネガティブワードが出たら、”〇〇”のチャンス!!

今回、よくある2つのケースをご用意しました。
いずれもお客様にいい感じで商品のご提案を終えた後に、お客様が突如発するフレーズです。

まず1つ目のケースは、「迷ってしまって決められない」というフレーズです。
皆さんなら、どのように切り返しますか?

少し考えてから回答例を確認してみましょう。

第31回 “愛されブランド”づくりのための販売心理学講座“ 6

2つ目のケースは、「価格が高い」というフレーズです。
こちらも少し考えてから回答例を確認してみましょう。

第31回 “愛されブランド”づくりのための販売心理学講座“ 6

いかがでしょう?「YES・BUT法」のフレーズづくりはイメージできましたか?
こちらでご紹介した回答例以外にも伝え方は様々なので、皆さん自身で是非ともバリエーションを考えておくと、いざという時に落ち着いて対処できると思います。

まずはお客様の気持ちを受け止める。そして、その後に皆さんの意見、考えをしっかりお伝えする。
その上で、お客様に「質問」をして、お客様を理解する。

「YES・BUT法」を活用することの1番のメリットは、お客様が懸念している本当の理由を理解することができるので、プロとしてのアドバイスが伝えやすくなることです!

そうなんです!

実は、お客様の“ネガティブワード”は、お客様をより深く知るチャンスと言えます!
お客様の迷いを払拭し、信頼関係をさらに深めていきましょう。

第31回 “愛されブランド”づくりのための販売心理学講座“ 8

<まとめ>

第31回 “愛されブランド”づくりのための販売心理学講座“ 9

アフタートーク

Michieさん、今回もよろしくお願いします。

こちらこそよろしくお願いします。

前回、購入されたコートはいかがですか?

大変気に入っています^^

「今着たい」という時期から、寒さがだいぶ深まりましたが、その後も着用できましたか?

すごくヘビーユースしていますよ。

Michieさんにとって活用度の高いコートになったんですね。良かったです。
さて、Michieさんにちょっと質問です。前回、パーソナライズ提案のお話を伺いましたが、確か商品購入前に「これって今しか着られませんよね」「長く着られませんよね」というネガティブな質問をスタッフの方にされていましたよね?

結構していました。

今回の動画は、まさにお客様が発する“ネガティブワード”をどのように切り返していくのかという内容でしたが、いかがでしたか?

はい。お客様側としては、やっぱり買い物で失敗したくないから購入前にいろいろ質問したくなりますよね。前回お話ししたコートの時は、今着たいんだけども、逆に今しか着られないのも困るという思いもあったので…
入店した2店舗では、どちらも同じようにスタッフの方の説明をある程度聞いた後に
「これって今しか着られないんですよね?」と質問したんです。
すると、購入に至らなかった店舗のスタッフの方は別のコートを出してきたんですよね。

「Aの商品がダメだったらBの商品を出す」という感じですね。

はい。そうなると「あれっ、さっきの説明は?」ってなりますよね笑
あともう一つ確認したかったことが、ブルゾン系のアイテムに憧れつつも、着るとすごく大きく見えることが気になっていたので、「太って見えませんか?」と質問しました。
そうしたら、スタッフの方から「サイズが大きいので、小さいサイズをお持ちします」と言われました。それで試したんですが、案の定「なんだか違うな」と思ってしまい、すぐ退店してしまいました。

なるほど。じゃあ、1店舗目のスタッフの方は、前回も感じたことですが、「今着たい」というMichieさんの深層心理や、「太って見えませんか」という言葉の背景にある気持ちを汲み取れていなかったんですね。

そうだと思います。なので、スタッフの方の説明や提案が説得力に欠けているように感じてしまい、全く腑に落ちなかったんですよね。

そうでしたか。2店舗目のスタッフの方はいかがでしたか?

2店舗目のスタッフの方にも同じ質問をしました。
「長く着られますか?」という質問には、「今はみなさんインナーダウンをお持ちだから、そういうのを中に着れば1月ぐらいまでは着られますよ」と提案されました。

 Michieさんの懸念点を、すぐさま払拭してくれたんですね。

はい。その後、1店舗目と同じように「太って見えませんか?」と質問したら、「今はこういうビッグシルエットがトレンドです」と教えてくれて…。

次の懸念もすぐに払拭してくれたんですね!

はい。さらに「お客様はパンツとスカート、どちらが多いですか?」と、先ほどの動画のように質問があったんです。「パンツしか履きません」と答えると、「パンツであればこのシルエットがぴったりです」と言われました。その説明は、“太って見える”という懸念の払拭にはなりませんでしたが、「上が大きくても下がすっきりしていればバランスが取れるのかな」と腑に落ちました。

なるほど。そのスタッフの方の説明や提案が、Michieさんの頭の中にコートとパンツのシルエットをイメージさせたんですね。着用イメージが広がると、ストンと腑に落ちますよね。

そうなんです!着用時をありありとイメージできたし、常に私に寄り添ってくれるので、すごく話しやすかったです。とても上手な接客でした。

Michieさんの“ネガティブワード”をしっかり切り返した上で、さらに情報を引き出し、その情報に合わせた提案ができているから購入したくなりますよね。2店舗目のスタッフの方は、自然にそれができていたので、クロージングもスムーズだったのではないかと思います。

そうですね。実は2店舗目のスタッフの方には、「どのくらい長く着られるんですか」「太って見えませんか」という共通質問の他にも、「黒ばかり持っています」や「丈が短い方が好きです」などさらに2つの懸念点をプラスして伝えたんですが、その2つもきちんと応えてもらえたことでさらに安心感がありました。

 すごいですね!ちなみに「丈が短い方が好き」という懸念に対しては、どのような切り返しがあったんですか?

「これはお尻が隠れるデザインなので、それがメリットです」と提案されました。それは確かにその通りだと思いました。

確かに、パンツスタイルならバックスタイルを綺麗に見せたいですよね。

やっぱりお客様側からすると、買いたいんだけれども…ちょっとしたことがいろいろ気になりますよね。なので、お客様が買う前に自分の懸念を全部確認したくなる気持ちはよくわかります。
だからこそ、スタッフの方々はこういう状況に直面することが多いと思います。

まさにそうですね。私が今サポートしている化粧品やファッション系の企業様でも、こういった場面で悩んでいる方が多いんです。それまではお客様と会話が盛り上がっていたのに、いざ購入段階になるとお客様から懸念点が出てくるので、スムーズにクロージングに至れないんです。このステップをしっかりクリアして、お客様の納得感を高めることが本当に大切だといつも思います。

そうですね。そこが分岐点であり重要なポイントだと思います。

はい。ここが分岐点ですよね。購入につなげられるか、そうでないかを左右する場面です。

ただスタッフの方の立場からすると、その懸念点への答え方は難しいかもしれませんね。

そうですね。お客様から懸念点を発信された時に、「責められている」とか「買う気がないんだな」と受け取ってしまうと、やっぱり“接客の流れ”が悪い方向に変わってしまいますね。

なるほど。

Michieさんが購入された店舗の方は、懸念点の背景を理解し、それに基づいて「ワードローブでこう活用できます」と具体的な提案をされていましたよね。

はい。その通りです。

前回の対談時にも出ていましたが、Michieさんに合ったパーソナライズされた商品提案やアドバイスに加え、ネガティブワードの切り返しで、“接客の良い流れ”を徹底的につくることができていたからこそ、Michieさんの安心感はもちろん、納得度が高まったんだと思います。

そうですね。2店舗目のスタッフの方は、入店した瞬間からそれができていたので、本当に高い接客スキルを持っている方だったんですね。

やはり観察力が鍵になりますね。

そうですよね。やっぱりその時に着ているものからも好みがわかりますよね。「このお客様はこういうタイプかな」とか。

着ている服はもちろんですが、持っている持ち物も、それとお客様のメイクの雰囲気なんかも、お客様を知る情報源だと思います。

私は少しダボっとした服が好きなので、それを観察されていたからこそ、あのコートを提案されたのだと思います。自分の今着ている服に合うものを選んでくれた感じがとてもしました。

ダボっとしているというか、スタイリッシュなコンフォートスタイルですよね^^

そうです^^
入店時から私の好みを見抜かれていたと思うし…。しかも懸念点を伝えた後も、私の好みに合わせたアドバイスだったので、スタッフの方のお話しにどんどん引き込まれました笑

じゃあ絶対、 Michieさんの好みを見抜かれていましたね笑。

本当にすごい接客でした笑

今回も具体的な事例を、ありがとうございました。
Michieさんの実体験からも、やはりクロージングを成功させるためには、お客様に寄り添った“パーソナライズ提案”も大切ですが、同様にお客様が発する“ネガティブワード”をいかに切り返していくかも大切だということがわかりました。

そうですね。

ありがとうございます。ということで、次回は最後のステップであるクロージングをテーマに対談したいと思います。

 はい。

本日もMichieさん、ありがとうございました。

 ありがとうございました。次回もよろしくお願いします。

最後に

今回の「キレイのプロ」のテーマは、「お客様の迷いを払拭する”ネガティブワードの切り返し”!」について「愛されブランドづくりのための販売心理学講座 #6」の動画を活用して説明しました。

愛されブランドづくりのための販売心理学講座

「愛されブランドづくり」のために、「お客様への寄り添い」は必要条件となります。

そして、この「お客様への寄り添い」は、お客様のニーズを掘り下げることだけでなく、お客様が発する“ネガティブワード”を払拭することでも、さらに強化できます。
また、お客様の立場からすると、自分の懸念をしっかり払拭して、適切な提案やアドバイスをしてくれたスタッフの方に対して、「また相談したい」という感情が芽生えます。そうなんです。お客様が困っていることを解決してくれるわけなので、お客様にとって心から頼れる存在に変化しているんです!

ぜひ、“ネガティブワードの切り返し”を習得して、
「また相談したい」というお客様をこれまで以上に増やしていきましょう!!

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