キレイのプロ Beauty Marketing対談(第32回)“愛されブランド”づくりのための販売心理学講座“〜 お客様の背中を押す”ネクストクロージング”! 〜

第32回 “愛されブランド”づくりのための販売心理学講座“ 1

こんにちは。ideal きよさわです。

皆さま、12月の年末商戦、1月のセールは無事乗り切ることができましたでしょうか?
今月2月は、人足が少し落ち着く業種や店舗も多いかもしれません。

また3・4月のオケージョン対応に向けて、2月はスタッフの皆さまの接客力向上のための学びの期間にされている店舗も多いと思います。ぜひ、これまで配信している「“愛されブランドづくりz”のための心理学講座」の記事もご活用いただけると幸いです!!

そして前回は、「クロージングの成功率をもっと高めたい」「お客様の不安を取り除いてご提案したい」とがんばっていらっしゃる皆さんに向けて、さらにお客様の納得度を高め、商品決定率を高める方法である「お客様の迷いを払拭する“ネガティブワードの切り返し”」について、idealのサポーターであるMichieさんとお話ししました。

前回の対談記事はコチラ!

   ↓

*第31回 : お客様の迷いを払拭する”ネガティブワードの切り返し”!

「愛されブランドづくり」には、「お客様への寄り添い」が欠かせません。
それは、ニーズの掘り下げだけでなく、ネガティブワードの払拭によってもさらに強化することができます。

そして!
今回の「キレイのプロ」は、お客様のご購入に繋げるための最後のステップであるクロージングについてです。
テーマは、「お客様の背中を押す”ネクストクロージング”!」です。

本記事では、「愛されブランドづくりのための販売心理学講座 #7」動画の一部を活用しながら、「お客様の背中を押す”ネクストクロージング”!」のためのポイントを4つのテーマに分けてお伝えします。

今回もidealのサポーターであるMichieさんと対談して参ります。

コラボ対談者(登場人物)

ideal 清澤美子(きよさわ)。
“愛されブランドづくり”のための商品企画、その商品を販売するスタッフ育成のコンサルティングを行なっています。「喜ばれることに喜びを…そしてその先へ」をモットーにしています。ホームページはこちらInstagramはこちら

ideal  Michieさん
大学卒業後、化粧品会社に入社。ヘルス&ビューティー、ファッションの企画業務に25年携わる。特にファッションではオリジナルブランドの立ち上げ、イベントの企画運営、スタッフ教育など、幅広い仕事に従事。モットーは、“商品企画も販売も、お客様視点”。お客様心理をつかむことが愛されブランドへの近道と思っています。

愛されブランドづくりのための販売心理学講座 #7<テキスト版>

「愛されブランドづくりのための販売心理学講座 #7」の動画から抜粋したテキスト版をご紹介します。

こんにちは、ブランディングコンサルタントの清澤です。
今回の”キレイのプロ”では、「お客様の背中を押す“ネクストクロージング!”」のポイントを4つのテーマに分けてお伝えします。

Ⅰ.実は、クロージングが苦手な人が多いんです! 
Ⅱ.クロージングの本来の目的は、”〇〇すること”!
Ⅲ. お客様の背中を押す「ネクストクロージング」とは
Ⅳ.「ネクストクロージング」”のメリットとは、”〇〇”

実は、クロージングが苦手な人が多いんです! 

さあ、いよいよクロージングのステップに入りました。お客様に商品をご購入いただくための最終段階です。

ところで!?

この最終段階で、皆さんも次のようなことをしていませんか?

第32回 “愛されブランド”づくりのための販売心理学講座“ 2

「どうしようかな…悩むな…」というお客様に対して、悩ませたままにしていませんか? もしくは、お客様と一緒に悩んでいませんか?

実は、こちらも受講生の皆さんからよくいただくご相談の一つです。
クロージングが苦手な方は意外と多いようです。皆さんはいかがでしょうか?

クロージングが苦手な方に理由を質問すると、たいていはこちらの3つのどれかが当てはまります。

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1つ目は、「私がおすすめしてもいいのかな?」
2つ目は、「押し売りみたいで嫌なんです」
3つ目は、「決めのフレーズで何を言えばいいのかわからない」

当てはまる理由はありましたか?

安心してください!
苦手と感じているクロージングも解決できますよ。
では、早速、恒例のお客様心理を確認していきましょう。

第32回 “愛されブランド”づくりのための販売心理学講座“ 4

クロージングのステップでは、多くのお客様が「決断したいけど迷っている」状態です。迷っている一方で、お客様は信頼できる人に背中を押してほしいとも思っています。皆さんはすでにアプローチの段階でお客様に好印象を持っていただき、それぞれのステップでお客様の信頼を獲得できています。

だからこそ、「私がおすすめしてもいいのかな?」という迷いは捨てて、自信を持ってクロージングして差し上げましょう。多くのお客様が、それを期待してくださっているはずですよ!!

クロージングの本来の目的は、”〇〇すること”!

まずは、クロージングの本来の目的について説明しましょう。

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「私がおすすめしてもいいのかな?」「押し売りみたいで嫌なんです」と悩んでいる多くの方は、実は、“クロージング=押し売り”と捉えている方が多いんです。

皆さんはいかがですか?

“クロージング=押し売り”と捉えてしまうと、お客様に申し訳ない気持ちになってしまいますよね。

クロージングとは、押し売りではありません。

お客様の購入決心をお手伝いすることです。
購入を検討しているお客様に、決断の意思と納得感を持っていただくためのサポートをする役割なのです。これは、プロだからこそ求められることとも言えます。

クロージングの本来の目的を再確認することで、先ほどのようなネガティブな思い込みも、だいぶ払拭できるのではないでしょうか。ぜひ、これを機会にご自身の思い込みを取り除きましょう!!

次に、このクロージングを成功させるポイントについてお話しします。

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それは、“クロージングをかけるタイミング”です。
皆さん、クロージングをかけるタイミングを逃していませんか?
お客様のサインをしっかりと受け取っていますか?


お客様が購入決断する際には、「う~ん」とうなったり、何度もうなずいたり、価格を気にし始めたり…何らかのサインを必ず出しています。それらのサインを見逃さず、しっかりとキャッチしてタイミングよくお客様の購入決断をサポートしていきましょう。

ここで、クロージングのタイミングのNG行動を2つご紹介しておきます。
1つ目は、理由もなくただ「いかがですか?」とだけ伝えて、お客様に決断を委ねてしまうこと。
2つ目は、自信がなさそうに語尾につれてどんどん声が小さくなっていくこと。

お客様は、プロである皆さんにクロージングを期待しています。
だからこそ、自信を持ってクロージングを行い、お客様の背中をそっと押して差し上げましょう。

お客様の背中を押す「ネクストクロージング」とは

では、お客様の背中を押す「ネクストクロージング」の方法を3つご紹介します。

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まず、「ネクストクロージング」とは、接客中に聴き出したお客様の情報を活用した、お客様に寄り添った言葉でクロージングすることです。

先ほどクロージングが苦手と感じる理由として、「決めのフレーズで何を言えばいいのかわからない」とあげた方は、もしかしたらお客様のニーズを深掘りできていない、もしくは聴き出した情報を把握できていない可能性があります。心当たりのある方は、“超アクティブリスニング”でお客様の情報収集をしてみましょう!

しっかりお客様の情報を収集できたら、「ネクストクロージング」です!
さっそく作り方をみていきましょう!!

1つ目は、「お客様のニーズを復唱しよう!」です!

例えば、次のようなフレーズです。
「天然素材がお好きとのことでしたが、こちらのシャツはオーガニックコットン100%なので、肌触りも良くおすすめです。さらに着回しが効くので、重宝する便利なアイテムですよ。」

この方法の効果は、お客様が自分のニーズを再確認し、商品が必要だと感じることにつながります。

2つ目は、 「他のお客様の事例を活用しよう!」です。

多くの方がインターネットで商品を購入する際に口コミを参考にするように、リアル接客でも他のお客様の事例を活用することが効果的です。

例えば、次のようなフレーズです。
「お客様と同じように旅行用のトップスをお探しのお客様が、先日こちらの色違いを購入されたんですが、『お友達にすごく褒められたんです』と、昨日ご報告いただきました。」

この方法の効果は、失敗を避けたいというお客様の気持ちを軽減し、商品に対する安心感を与えることです。

3つ目は、「購入後の未来をイメージできるように伝えよう!」です。

例えば、次のようなフレーズです。
「シンプルなデザインのシャツですので、旅行着としても活用いただけますし、お仕事着としても着用していただけますよ。汎用性が高いので、買ってよかったと思っていただける一着になると思います。」

この方法の効果は、商品の活用イメージが広がり、購入後の期待感をさらに高めることです。

「ネクストクロージング」のメリットとは、”〇〇”

「ネクストクロージング」では、お客様に真摯に寄り添っているからお客様の納得度が高まります。その上、お客様に次も「お願いしたい」「相談したい」と思っていただきやすくなります。

第32回 “愛されブランド”づくりのための販売心理学講座“ 8

「ネクストクロージング」でお客様の深層心理に寄り添い、商品の購入決心を促していきましょう。

<まとめ>

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アフタートーク

Michieさん、今回もよろしくお願いいたします。

よろしくお願いします。

Michieさん、今回はクロージングがテーマの動画でした。

はい。

いかがでしたか?

動画を見て思ったのですが、クロージングってやっぱりすごく気合が入ってしまうので、すごく難しいなと感じました。

クロージングって本当に難しいですよね。私自身、全国の商業施設、化粧品会社やファッション関係の会社など、多岐にわたる企業様で研修をさせていただいていますが、共通して感じるのが「クロージングが苦手」という方がとっても多いことです。

そうなんですね。

Michieさんは以前、販売経験があると仰っていましたが、どんなところが難しいと感じましたか?

一番難しいのはやっぱり、お客様が求めるタイミングを読むことでした。クロージングのつもりで接客をするんですが、お客様がどうしようかなって迷っているタイミングや、背中を押してほしいタイミングにうまく合わないと、こちらがいくらクロージングのつもりで話しても全然意味がなくて、素通りされて時間だけが過ぎてしまう感じです。

お客様が求めるタイミングを読むって難しいですよね。ついついお客様に寄り添い過ぎてしまって、おすすめするタイミングを逸してしまうという方も本当に多いです。
そして、やはり一番多いのは、“クロージング自体が苦手”という方です。特に“クロージング自体が苦手”という方にその理由を質問すると、動画でもご紹介した3つの回答が出てきます。その3つの回答と比較すると、Michieさんはその先をいっていると感じました!

そうですか。

何を言えばいいのかわからない、ということではないですよね。

そうですね。

よくあるお悩みとしては、1つ目は「私がお客様にこれをおすすめしてもいいのかな」と謙虚になりすぎてしまうこと。2つ目は「これを最後クロージングすると押し売りみたいで嫌だ」と思い、お客様に委ねてしまうこと。3つ目は「何を言っていいかわからない」ということです。実際にMichieさんがお客様だったとき、こういった3つのタイプのスタッフさんに出会ったことはありますか?

結局、それまでに商品を見せてもらったり、接客している間に、その人との関係性が築けていれば、こういった問題はすべて解決すると思うんです。
信頼関係が築けていれば、特に問題はないと感じます。

信頼関係の構築って本当に大切ですよね。

逆に、信頼関係がなくて「この人、なんで私にこれを勧めてくるんだろう」と思うスタッフの方には、いくら説明されても、こちらが受け入れる気持ちにならないので、やっぱり疑念を感じますよね。やっぱり、これまでのステップで信頼関係や感動を生む接客ができていれば、こういった問題はクリアできるなぁと今回あらためて思いました。

まさにその通りです。これまでの動画で「お客様を感動に導くステップ」についてお話してきました。それぞれのステップでお客様の不安を取り除いたり、興味を高めたりすることが重要だと思います。Michieさんが仰ったように、このようなプロセスを通じて、お客様と信頼関係が築けますよね。
確か、年末にコートを購入した時、Michieさんが欲しい情報をスタッフさんがタイミング良く提供してくれましたよね。

そうですね。

「このコートは、Michieさんのニーズやスタイルにぴったりの商品ですよ」ということを、たぶんその方は上手に伝えていたと思うんです。

そうだと思います。

その人はMichieさんのタイミングをしっかりサーチしていたと思うのですがいかがですか?

はい。やっぱり心の中で「どうしよう、買おうかな。でも、やっぱり〇〇だからやめようかな」とか、「買おうかな、やめようかな」というシーソーのような迷いがあったと思うんです。ちょっと目が泳いでしまう、そんな瞬間があったかもしれません。

Michieさんも思っていた以上に、懸念の質問をされていましたよね。

いろいろ質問したんですけど、やっぱり最後の瞬間に、「こういう襟の使い方もできるんですよ」というプラスアルファの一言があったので、「じゃあ買います」となったんですよね。だから、やっぱりタイミングだったんだと思います。

そうですね。前回の動画のときもMichieさんが仰っていましたが、入店時からその方は、Michieさんの行動や服装をすごく観察されていたんですよね。

はい。

常に観察しながら、そのタイミングを見て情報提供したり、そして、クロージングをしてくださったんですね。

そうだと思います。

ありがとうございます。最近のお買い物の中で、すごく素敵なクロージングだなと思った事例は何かありますか?

そうですね、ちょっと購入には至らなかったんですけれども、化粧品の話でもいいですか?

もちろんです。ぜひ教えてください。

先日、久しぶりに百貨店に化粧品を見に行ったんですけれども、2つのブランドを回りました。1つのブランドは、私が「シミが気になる」と言ったら、ピンポイントで「これが効きます」とシミ専用の商品説明だけを提案してくれたんです。
もう1つのブランドは、シミだけではなく、「化粧水をこう使うと肌がこんなにきれいになります」といった感じで、ワンランク上の提案をしてくれたんです。カウンセリングのような接客でした。

はい。

その接客がとてもよくて、サンプルをいただいて帰ったのですが、「このサンプルを使ったらきっと素敵な肌になりますよ。また結果を教えてくださいね」と言われたんです。普通の言葉かもしれませんが、カウンセリング中のトークが本当に上手で、押しつけがましくなく、さりげなく悩みを解決してくれる感じがありました。とても気持ちがよかったので、そのスタッフさんのことを忘れられませんし、また行ってみたいなと思いました。

ありがとうございます。まさに今回の動画でも説明していた「スキル3(購入後の未来のイメージ)」を活用して、購入後の肌の未来をイメージさせてくれたんですね。素敵なBCさんでしたね!

そうですね。

そうすると、「これを買ってよかった」という気持ちに加えて、「早く使ってみたい」というワクワク感を感じますよね。

はい、ワクワクしました。いただいたサンプルもすぐ使いました。

そのワクワクした気持ちで使うと、お肌もきっと良い変化を感じられるんですよね。

確かにそう感じました。

おそらく、あのブランドかなと想像しています^^ありがとうございます。Michieさんのお話の通り、クロージングは最後の一言で決まるわけではなく、プロセス全体が大事なんですよね。

そう思います。

入店してから、お客様とスタッフさんとの間で紡ぎ合わせてきた会話がいかにお客様に寄り添っているかによって、ちょっとした一言がお客様の納得度を高めたり、疑念になってしまったり、違いが生まれてくるんじゃないかと思います。Michieさん、今回もいろいろなお店を回っていただき、ありがとうございました。次回は、接客ステップの最終章となります。またよろしくお願いいたします。

はい、ありがとうございました。

最後に

今回の「キレイのプロ」のテーマは、「お客様の背中を押す”ネクストクロージング”!」について「愛されブランドづくりのための販売心理学講座 #7」の動画を活用して説明してみました。

愛されブランドづくりのための販売心理学講座

「愛されブランドづくり」のために、そして「お客様とブランドの良好な関係づくり」のためには、皆さんの素敵な接客も大切ですし、皆さんが扱っている素晴らしい商品をお客様に使っていただき、ブランドの魅力や商品の良さを体感いただくことが重要です。

そのためにもやはりスタッフの皆さんからのプロらしい「クロージング」はとっても重要なステップとなります。
たくさんのお客様に皆さんのブランドの魅力を知っていただくために、今回の内容を活用していただけると幸いです。

“キレイのプロ”を読んでいただいている皆さまからのご質問もお待ちしております。ご質問は、ぜひコチラへ。

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