こんにちは。ideal きよさわです。
Beauty marketing対談では、ideal のパートナーである“キレイのプロ”をお招きしてビューティ業界のお仕事内容や愛されブランドづくりに役立てていただける秘訣をご紹介しています。
今回の“キレイのプロ”も、前回に引き続き、「イベント」という領域で人と人、人と企業、人とコトを繋ぐ・結ぶことを使命として、企画・制作から現場運営までトータルプロデュースを行っている株式会社ランドマークス 営業企画本部ディレクター村岡 由希子さんをお招きして、「イベントに価値を創る」というテーマで、お話を伺いました。
第22回 「これからのイベントに求められること」
「イベントを企画して欲しいと言われていて何から手を付けたら良いか分からない」「イベントの成果がなかなか出ていない」「これまでとは違う新しいイベントを開催したい」「集客に繋がるイベントを開催したい」という方にぜひご覧いただきたい内容です。
目次
コラボ対談者(登場人物)
ideal 清澤美子(きよさわ)。
“愛されブランドづくり”のための商品企画、その商品を販売するスタッフ育成のコンサルティングを行なっています。「喜ばれることに喜びを…そしてその先へ」をモットーにしています。ホームページはこちら。Instagramはこちら。
株式会社ランドマークス 営業企画本部ディレクター
村岡 由希子さん
「イベント」という領域で人と人、人と企業、人とコトを繋ぐ・結ぶことを使命として、企画・制作から現場運営までトータルプロデュースを行っています。ホームページはこちら。
イベント企画プロデューサー村岡さんとの対談内容
「イベント」という領域で人と人、人と企業、人とコトを繋ぐ・結ぶことを使命として、企画・制作から現場運営までトータルプロデュースを行っている株式会社ランドマークス 営業企画本部ディレクター村岡さんとの対談内容を記事にまとめました。
イベント企画の鍵は〇〇を明確に設定すること
今回のキレイのプロも、前回に引き続き、イベント企画&開催のプロであるランドマークス株式会社 村岡由希子さんをお迎えしてお話を伺って参ります。よろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。
前回、村岡さんのお話を伺って、集客イベントといっても様々な手法があり、落とし所が異なると感じました。クライアント様がイベントを企画する際、必ず押さえておくべきことをおさらいさせていただけますか。
はい。「イベント」という言葉は非常にざっくりしています。だからこそ、まず、その言葉に惑わされないことが大切です。コロナ禍以前のように、人々が集まって喜んでくれたからといって、それが成功だとは限らないのが現状です。イベントを開催するにあたり、誰に、何を、どのように届けたいのか、そしてそれによって何を得たいのかを、事前にしっかりと設定しておくことが重要です。そうすることで、適切な手法が自然と見えてくるはずです。
ありがとうございます。クライアント様もその点をしっかりと自分たちで整理できていれば、 村岡さんたちのようなイベントのプロの方々から様々な素敵なアイディアを得やすくなりますね。
はい。その通りです。
特に、ランドマークスさんは海外でもイベントを手がけていらっしゃるから、海外のイベント手法なども日本の企業様のイベントに取り入れることができますね。それは、すごく大きなメリットだと思います^^
そうですね。海外と言っても国や場所によってやり方は全く異なります。ですので、社内で情報を共有し、イベントの目的に合わせてその情報を活用できるようにしています。
規模と目的別の戦略で見るイベント企画の多様性
ありがとうございます。日本全国、海外を含め、ありとあらゆる企業様のイベントプロモーションに携わっていらっしゃるオールラウンダーだからこその強みですね。
もしキレイのプロでも共有いただける参考事例があればお願いします。
はい、具体的な事例を一つお見せします。こちらの資料はある化粧品ブランドのイベント企画のために作成したものです。考え方を整理する目的で作りました。伏せ字にしている箇所もあるので少し分かりにくい部分もあるかもしれませんがご紹介しますね。
※ブランド・エクイティ:あるブランドが顧客、取引先、または社会全体に対して持つさまざまな無形的な資産価値のこと。
※顧客インサイト:「消費者も認識していな欲望や欲求」であり、しかも「商品やサービスに結びつくもの」である。
(参照:グロービス経営大学院「MBA用語集」)
わー!貴重な資料をありがとうございます。
なるほど、村岡さんが重要だと仰っていた点が、資料でも明確ですね^^
そうですね^^このブランドは、発売されたばかりの新しいブランドでした。しっかりとしたエビデンスがあるブランドだったので、初期のユーザー反応は非常に良好でした。1年が経過した時点で、さらにブランドを成長させていくための戦略を立てることになったんですが、その際、何を考慮すべきか、どのようなことが可能かを整理する目的で作成した資料です。
なるほど。
実際のところ、この1ページ目で大まかな方向性が決まります。
つまり、この段階で基本的な枠組みをつくるということですね!
はい。具体的な内容は、次のページ以降でさらに分かりやすく詳細を説明していきます。まず目的、対象者、手法を明確にすることが重要です。冒頭で伝えましたが、イベントの計画においても、これらをしっかり設定することで、自然と計画の方向性が定まっていくと私は考えています。
ありがとうございます。基本的な枠組みが明確になると詳細部分がより検討しやすくなりますね。次の資料は、戦略を立てる上での核の部分ですね。
はい、この商品は、先ほども触れた通り、発売から1年程度の新しいブランドで、好調な出だしでしたが、まだ完全にはターゲット層に認知されていない状況です。そのため、2年目はブランドの認知をさらに広げ、その価値をより多くの方に理解してもらうことが目標でした。なので、ブランドの本質が何か、その認識を深めることが重要なポイントになります。こちらのシートは、イベント戦略の目的を整理したものです。
確かに、ブランドは機能的価値と情緒的価値のバランスをどのようにとるかで、そのブランドらしさをより際立てることができますよね。機能的価値と情緒的価値をどのように訴求していくのか、またお客様にどのようなイメージを持っていただきたいのか、再確認することは本当に大切だと思います。
はい。ブランドの価値を明確にし、それをターゲットととなるお客様にどのように伝えるかを具体的に考えることは、非常に重要な作業です。
なるほど。イベントを実施する時もペルソナを明確にして、実際にそのブランドを好む具体的な顧客像を詳細に描く作業を行っているんですか?
実際には、弊社にとってこれはかなり珍しい取り組みです。この時はイベント制作者にもこの視点が絶対に必要だと感じ、作成しました。イベントがお祭りのように人を集めて盛り上がることは成功の一形態かもしれませんが、実際のところ、その効果を測定するのは難しいです。そのため、イベントを継続して成功させるには、より具体的なターゲット像を明確にし、ターゲットの方々に適切にアプローチする方法を考える必要があります。
ありがとうございます。今の時代は、特にお客様同士がSNSで繋がって情報交換をされているので、ターゲット層の方々のことを知ることや理解することは、本当に大切だと私も常日頃感じています。
その通りですね。
ターゲットとなるお客様をしっかり理解した上で、商品企画や接客のあり方を考えることで、同じ価値観や興味・関心を持つ方々へのブランドの魅力やメッセージの波及の仕方が大きく変わりますよね。なので、イベント企画の上でもこのステップは、とても大切なことだと思いました。
そうですね。これからはこの点に注目していかなければ、競争で生き残ることができないと強く感じています。
なるほど。計画段階で詳細を資料に具体化し、それを基にどのようなイベントを開催するか、手法について選択していく…
前回村岡さんから伺いましたが、大規模なイベントから小規模なものまで、様々な選択肢があるということですね。
その通りです。イベントの手法は、イベントの規模や目的に応じて適切に設定することが大切です。
イベント業界の変化と新時代の課題に対する戦略
ありがとうございます。実際に、イベントの形態はこれからも大きく変化していくと思います。コロナ禍前と比べ、変化の速度が速いことを感じます。イベント開催を考えている企業の皆様も悩んでいる方が多いのではないでしょうか。よくあるお悩みとそのお悩みに対するアドバイスをお願いできますか?
よくある悩みとしては、イベントの形態や技術の進歩の速さに対して「どのように対応すればいいのか」ということです。以前はイベントの形式が比較的固定されていましたが、現在は多くの手法があります。たくさんある手法の中から、目的に応じて最適な形を考える必要があります。その過程で、皆さん、「最適な手法は何か」という新たな課題に直面しているのかもしれません。
確かに新たな課題ですね。
私からのアドバイスは、新しい手法に囚われ過ぎず、最初に伝えたいことを明確にすることの重要性です。多くの新しいアイデアや手法が出ていますが、それらに惑わされず、まずは伝えたいメッセージを優先させることが大切です。手法はその後で考えるべきです。
やはり、まずは何を伝えたいかですね。
はい。何を伝えたいのか。そのために何をしたいのかです。
村岡さんの話を伺って思い出しました。仕事柄、ビックサイトや幕張メッセなどで開催される美容系イベントによく伺いますが、以前と比べると、村岡さんが仰る通り、あらゆる手法を見かけます。例えば、イベント会場でテレビショッピングのようにオンライン販売を実施するなど、イベント手法が相当変化しているなぁと感じます。
そうですね^^
だから、実際に何を行うかを決めるよりも、何を達成したいのかという自ブランドの目的を明確にすることが先決ですね。
はい、これは私の推測ですが、展示会場でテレビショッピングのような手法を始めた方は、単にその手法を思いついて、それをやりたかったのではなく、その手法を選択した目的があったと思います。
そうですね。
確か その手法を見かけたのは、2021年か2022年のコロナ禍のイベントだったので、まだ来場するにも多くの方が自由に動けない時期でした。そのため、会場に来られない方々にもリアルな体験を提供したいというのが、主な目的だったと思います。やはり「目的」は重要ですね。
はい。
「お客様に愛され続けるブランド」とは、自社のブランドに確固たる〇〇を持っている
今回、お話を伺って、目的を明確にすれば手法は後からついてくるという点がよく理解できました。最後に、村岡さんは様々な業界のイベントを企画しプロデュースされていますが「お客様に愛され続けるブランド」は、どのような特徴があると思われますか?
さまざまな企業様のイベントやプロモーションに関わらせていただく中で、イベントの企画や実施が特に上手いと感じる企業様の共通点は、自社の商品、サービス、またはコンテンツに対する確固たる自信を持っていることです。
「自信」を持っている…確かに、それは納得です。
商品やサービスを買ってもらうためや、好きになってもらうために謙遜する必要はないと考えています。重要なのは、提供する側として「なぜこれを愛してほしいのか」を明確に言語化できるかです。その理由を明確にできなければ、イベントを成功させることも難しくなります。だから、その点を常に念頭に置くことが重要だと思っています。
そうですね。「自信」というのは、商品を作るプロセスの中で、「なぜこれを愛してほしいのか」が明確になっていて、かつ、提供する側の方々も、その部分に愛着を感じるからこそ出てくるんでしょうね。
はい。
それを明確に言葉にして発信できれば、その思いがイベントにも自然と反映されやすくなる、というわけですね。
その通りです。
ブランドに携わる方々が、どれほどそのブランドを愛しているかが、お客様の愛を勝ち取る鍵になるのかもしれません。
はい、私もそう思います。
イベントの未来を形作る価値創出への情熱と展望
2回に渡り、貴重な資料をもとにわかりやすくお話しいただき、ありがとうございました。これからイベント集客策を考えようとされている方々に役立てていただけると思います。
さて、村岡さんは、今後どのようなことに取り組んでいきたいとお考えですか? 最後に一言お願いいたします。
今回の対談を通して、普段からイベントの企画や制作において何を意識しているかを振り返ることができました。改めて感じたのは、“イベントに価値を創ることへのこだわり”です。ただイベントを作るだけではなく、依頼してくださる企業様と協力して、何かを世の中に届けたいと思っています。今後、単純にイベントを実施するだけでは求められなくなってくるでしょうから、その点を特に重視したいと考えています。すみません、言葉がうまく出てこないのですが…
イベントに価値を創る…いいですね^^
はい。イベントに価値を持たせることが何よりも重要です。そのためには、伝える形をしっかりと作り上げ、その価値を突き詰めて極めていきたいと思っています。
ありがとうございます。価値にはさまざまな捉え方があると思いますが、村岡さんにとっての価値とは具体的にどのようなことを指しますか?
私にとっての価値は、イベントを主催する企業様はもちろん、そのイベントに触れるお客様やユーザーを含めて、皆が「ここが良かった」と感じられる点が明確にわかることです。
ただ漠然と「楽しかったね」や「良かったね」という感想ではなく、良かったポイントが明確に言語化されることですね。さらに、イベントの最終段階で数値化されるといいのかもしれませんね!
はい^^理想を言うならば、数値化することも重要です。あとは関わった全員が自然と感想を言葉にしたくなるような雰囲気や場の作り方も、イベントの大きな価値の一つだと思います。
これからの時代は、村岡さんも仰っていたように、何かしらの「意味」を重視する方が増えてくるだろうと私も考えています。だからこそ、イベントに意味を与えること、すなわち価値を創ることが重要となるのでしょうね。
はい^^
村岡さん、2回に渡りとても楽しい対談をさせていただきました。ありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします。
こちらこそ、ありがとうございました。
<対談のまとめ>
<対談の様子>
最後に
今回、「イベント」という領域で人と人、人と企業、人とコトを繋ぐ・結ぶことを使命として、企画・制作から現場運営までトータルプロデュースを行っている株式会社ランドマークス 営業企画本部ディレクター村岡 由希子さんに『これからのイベントに求められること』というテーマでお話を伺いました。
村岡さんとの対談を通して、印象的だったのは “新しい手法に囚われ過ぎず、伝えたいことを明確にすることの重要性”です。最近のイベントは、興味を惹くあらゆる新しい手法や新しい魅せ方がどんどん開発されています。ついついその手法に囚われてしまいがちですが、まずは「何を達成したいのか」を明確にすることで、ブランドのあり方(コンセプトや伝えたいメッセージ)に沿ったブレないイベントが開催できるのかもしれません。
2回にわたり貴重なお話をありがとうございました!!
イベント企画、プロデュースについて、ランドマークス様にご質問、ご相談のある方はこちらよりお問い合わせください。
idealは美容業界・ファッション業界の企業様、エステサロンの皆様の“愛されブランドづくり”のために、今後もランドマークス 村岡さんの協力を得ながら、ブランディングサポートを提供していきたいと考えています。“愛されブランドづくり”に関するご相談、ご質問があれば、ぜひ下記よりお問合せ下さい。
いよいよ5月から東京を皮切りに全国各地で美の祭典「ビューティーワールドジャパン」が開催されます。今回、村岡さんとの対談で得た視点をもとに、各ブースを回ってみようと思います。これまでとは異なる発見ができそうでワクワクです。
※「ビューティーワールドジャパン 東京」:2024年5月13日(月)〜 15日(水)