第47回“キレイのプロ”Beauty Marketing 対談 ~どうしてる!?“ブランドコンテスト”実施に向けて!?(前編)~

こんにちは。ideal きよさわです。

前回の「キレイのプロ」では、「どうしてる!?お客様からの“クレーム応対”!?」というテーマでMichieさんと対談いたしました。

前回もお伝えしましたが、どの企業もCS向上を目指して、日々努力しています。ただ、お客様のニーズに臨機応変に応対するためのパーソナライズ接客のスキルの習得だけでは、CS向上はなかなか実現できません。パーソナライズ接客のスキル習得と合わせて、どのようなポイントでお客様が不満・不快を感じるのか、そして万が一の時にはどのように応対すれば良いのかなど、ご指摘応対スキルも理解しておくことで、より接客品質の向上に繋がるし、お客様からのご指摘を回避できます。

特に、この春に新人さんが入っている店舗では、セール前の6月中に再確認しておくことで、新人さんも安心して繁忙期を迎えることができるのではないでしょうか。さて今回の「キレイのプロ」にいただいたご質問・ご相談は、こちらです。

「ブランドコンテストを実施していますが、なかなかうまくいきません。社員を巻き込むためにはどのようなことをしていけばいいですか?」という内容です。5月、6月は、ちょうど各企業様も「ブランドコンテスト」の施策が始まるタイミングなので…

今回の「キレイのプロ」では、こちらの質問をもとに「どうしてる!?“ブランドコンテスト”の実施!?」というテーマでお話しします。

コラボ対談者(登場人物)

ideal 清澤美子(きよさわ)。
“愛されブランドづくり”のための商品企画、その商品の体験価値を高めるための販売スタッフ育成のサポートに携わっています。モットーは、「喜ばれることに喜びを…そしてその先へ」をモットーにしています。ホームページはこちらInstagramはこちら

大学卒業後、化粧品会社に入社。ヘルス&ビューティー、ファッションの企画業務に30年携わる。特にファッションではオリジナルブランドの立ち上げ、イベントの企画運営、スタッフ教育など、幅広い仕事に従事。モットーは、“商品企画も販売も、お客様視点”。お客様心理をつかむことが愛されブランドへの近道と思っています。

idealのサポーターであるMichieさんとの対談内容

「どうしてる!?“ブランドコンテスト”実施に向けて!?(前編)」について、idealのサポーターであるMichieさんの体験談や、きよさわが研修でお伝えしている内容を対談形式でまとめました。

接客レベルとモチベーションを高める「ブランドコンテスト」とは?

Michieさん、こんにちは。
前回の「キレイのプロ」では、「どうしてる!?お客様からの“クレーム応対”!?」というテーマで、ご指摘応対の女王 Michieさんからスキルや心得を伺いました。ありがとうございました。

こちらこそありがとうございました。
クレーム応対ってなかなか難しいですが、前向きに捉えて経験を重ねていければ、きっとすごく力になるし、ブランドのファンはもちろん販売スタッフの方自身のファンが増えるんじゃないかなと思います。

ありがとうございます。本当に経験を重ねるって大切ですよね。私の中ですごく印象に残ったのが、Michieさんから最後にいただいたアドバイスの「再発防止のためのリスト作成」です。これって現場の皆さんにとって本当に役立つ内容だなと思ったんですよね。ぜひ取り組んでいただきたいです。

私も、ぜひ皆さんに実践していただきたいと思います。

ありがとうございます。今回も読者の方から、新たなご質問・ご相談をいただきました。今回は、「ブランドコンテストを実施していますが、なかなかうまくいきません。社員を巻き込むためにはどのようなことをしていけばいいですか?」というお問い合わせです。Michieさんは、ブランドコンテストや接客ロールプレイングコンテストってご存知ですか?

名前は聞いたことはあります。あと以前いた会社でも実施していたことは知っていましたが、実際には今年の1月に清澤さんと一緒に全国大会を見るまでは、詳しくは知りませんでした。

そういえば、以前私たちがいた会社でも実施していましたね。当時、あること自体は知っていたけれど、どういう内容なのかはご存知ないということですね。

そうです。担当ではなかったので。

そうですよね。社内でブランドコンテストを開催していても、関係部署にいないとなかなか具体的なことまでは知ることはできないですよね。
わかりました。では、今回は「ブランドコンテストって何?」というところからご説明しましょう。

よろしくお願いします。

企業様によって、「接客コンテスト」「ブランドコンテスト」などと呼び方は異なりますが、皆さん、単なるイベントとして開催しているのではなく、「販売スタッフの教育施策」として企画し、実施しています。

そうなんですね。

ブランドコンテストは、お客様役の役者に対する接客場面のロールプレイングを通して、販売スタッフが日頃の接客技術やおもてなしの心といったブランドの体験価値を表現できているか、接客力を競う競技です。そして、販売スタッフはその競技を通してお互いに切磋琢磨することで、販売力を高め合っていきます。また接客レベルの向上はもちろんですが、仕事に対するモチベーションも高め、「お客様満足の最大化」に繋げることを目的にしているんですよ。

良い施策ですね。

そう!良い施策です。ただ皆さん忙しいから、関係者を巻き込んだり、現場に根付かせるということに苦戦している企業様もいらっしゃいます。

企業ごとに異なる「ブランドコンテストの目的」と「評価項目」

実際にどのような企業様が取り組んでいるのかご紹介しますね。もちろんこちらが全てではないですが、Michieさんもご存知のブランドも多いと思います。

結構、有名な企業が取り組んでいるんですね。

そうなんですよ。こちらは化粧品関係の企業様の一部をピックアップしてみました。それぞれ見ていくと、F社さんは「接客ロールプレイングコンテスト」、P社さんは「感動接客コンテスト」、K社さんは「カウンセリングコンテスト」とコンテストのネーミングが異なります。

本当ですね。全然違いますね。接客コンテストで目指す目的がそれぞれの企業で違うんですね。

そうなんです。名前が違うということはやはり意味があって、コンテストを行う目的や目的にあったやり方を、それぞれの企業様が定義づけています。
元々私たちがいたP社は「感動接客コンテスト」というネーミンングですが、お客様への向き合い方として、「喜ばれることに喜びを」という想いがあるじゃないですか。なので、そこから「感動」という言葉を用いているのかもしれませんね。

なるほど。それぞれの企業が大切にしていることを評価する観点においているから、企業によって違うってことですね。

後ほど評価項目例もご紹介しますが、スキンケアを重視している企業様であればやはりカウンセリングに必要な要素を重視します。メイクを重視している企業様であれば、カウンセリングはもちろんですがメイク技術も重視しています。

メイク技術も見られちゃうんだ。

見られちゃいます!実際、私もメイクに強いデパコスブランドの審査員を担当させていただきましたが、メイク技術までしっかり披露していて、見応えがありました。そして優勝者には「海外研修」が懸賞として用意されていたり…。メイクブランドにはアーティストを目指されていた方も多いので、海外のメイク技術を学びに行けるというご褒美は、社員の皆さんのモチベーションにもなりますよね。

モチベーションが上がりますね。

ブランドコンテストは各企業様で開催しているのはもちろんですが、商業施設でも開催しています。Michieさんは、SC協会*ってご存知ですか?

※SC協会 →   https://www.jcsc.or.jp/sc_convention/roleplaying

わからないです。

「SC」とはショッピングセンターの略ですが、全国各地にある様々な商業施設を取りまとめている協会です。それぞれの施設で接客ロールプレイング大会を開催して、優秀者を8箇所の地域に集めて支部大会を開催し、最後に支部大会で選ばれた優秀者に全国大会で素晴らしい接客を披露していただくというものです。

じゃあ、いろいろな店舗が出場されているんですか。

そうです。商業施設の中に入っている様々なテナントさんが出場されています。SC協会の主催する大会以外にも、商業施設を運営する会社が単独で開催している大会もあります。有名なところでいくと、ルミネさんが開催している「ルミネスト大会」とか…聞いたことありますか?

あー!聞いたことあるかも。

「ルミネスト大会」*はルミネ・ニュウマンの全店舗が各店舗から選ばれた優秀者を一同に集め、最も高い接客スキルとおもてなしマインドを持つ販売員を選出・表彰する社内コンテストでいろいろな媒体でも取り上げられていますよね。
他には、ららぽーとさんやイオンモールさんも自社で実施していますよ。

※ルミネスト大会 → https://www.lumine.ne.jp/luminest/

結構いろんなところで取り組んでいるんですね。

皆さん、お客様満足度の最大化を目的として、取り組んでいます。お客様満足を提供できれば、お客様にリピートしていただけます。リピートしていただければ顧客様になっていただけるし、必然的に売り上げも上がります。これを各企業様も商業施設様も狙っているわけです。コンテストを実施する背景とも言えます。

ありがとうございます。よくわかりました。

「ブランドコンテスト」を成功に導く「3つの基本要素」

いただいた質問に戻ります。
「なかなか根付かない」ということなので、ブランドコンテストを実施するために必要な「基本要素」をご紹介します。 どうでしょう、Michieさんがもしブランドコンテストの担当者になったとしたら、どんなことが大切だと思いますか?

やっぱりまずは「目的」です。評価をしなくちゃいけないから、何を「目的」にするのかは大切だと思います。

そうですよね。まずコンテストを実施する「目的」です。お客様満足度の向上と言っていましたが、単にそれだけではなくて、ブランドのミッションや提供価値をしっかりと浸透させていくという目的も大切になります。それ以外にはいかがですか?

そうですね。審査する方と、出場する方を集めなくちゃいけないですよね。

おっしゃる通りです。審査する方というのは、その目的に関わる方を集めることが大切です。例えば、企業様によっては社長自ら審査員を担っている場合もあります。社長以外にも関連部署の事業部長が参加したり、客観的な目で審査できる外部講師を招いたりしています。

 審査する方たちの審査内容が信頼できないと、現場の方にはなかなか受け入れられないですものね。

おっしゃる通りです。納得性を持っていただくためには、審査する方の審査がぶれないように「審査基準」がしっかりと設定されている必要があります。コンテストの目的やテーマをしっかり設定した上で、それを達成するために「審査基準」に落とし込みます。 最後に、ブランドコンテストの「設計・企画」も必要な基本要素となりますが、具体的にはどのようなことだと思いますか?

やる日を決めて、そこから逆算して応募のタイミングを決めて、とかコンテスト開催までのスケジュールをしっかり立てることでしょうか。

コンテスト開催までのスケジュール作成は大切ですよね。それに加えてもう1つ大切なことがあります。ブランドコンテストというのは「1つのツール」として捉える必要があって、コンテストを開催して、そのコンテストで入賞した方に対して「おめでとう」で終わっても意味がないんですよね。

確かに、お祭り騒ぎで終わったらもったいない。

おっしゃる通りです!コンテストを「1つのツール」としてどのようにスタッフたちを育成していくのか。年間の教育計画や研修スケジュールを組み立てた上で、その延長線上にブランドコンテストを置く。単なるイベントで終わらせず、企業様が大切にしているマインドやスキルを定着させていくこと、さらには企業文化として根付かせていくことが、とても大切です。なので「ブランドコンテストを実施していても、なかなか上手くいかない」という場合は、先ほど説明した「目的」「審査基準」「年間計画」の3つの要素がしっかりと押さえられているかどうかが非常に大切です。

こうなると、様々な方を巻き込んでしっかり企画し、計画を立てないとですね。

そうなんですよね。なので、それぞれの企業様も商業施設様も、年間の教育スケジュールを立てた上で社内外の関係者を巻き込みながら取り組んでいらっしゃいます。

「審査基準」から、今、求められる接客トレンドが読み取れる?

ここで、先ほどMichieさんが「審査基準が納得いかないと難しいんじゃないか」とおっしゃっていましたが、どんな審査基準だったら納得しますか?

審査するとなると点数化したいですよね。「話し方」や「言葉の使い方」、「商品の紹介の仕方」といった技術的なところは点数化しやすいですが、「お客様の心を動かす要素」を評価するのがちょっと難しいのかなって思いました。

そうですよね。心の通い合いみたいなものをどう評価するのかは難しく感じるかもしれません。 その辺りも踏まえてSC協会のロールプレイング大会の審査項目*は、とてもシンプルで分かりやすいです。そして、審査票には審査ポイントも掲載されているので、審査員の方々の視点を揃えやすいです。
これから「審査基準」を作成するという方は、参考にすると良いかもしれません。こちらの審査項目は、大きく3つの要素で構成されています。左から1•2番の項目は「接客基本」。そして3〜6番の項目は「コミュニケーション力」。最後に7〜10番目の項目は「販売力」です。

※SC協会「審査評」→ https://www.jcsc.or.jp/wpjcsc/wp-content/uploads/2026/03/aa7fc0233a23710a93e89a5003a10eac.pdf

「接客基本」「コミュニケーション力」「販売力」…まさに以前の対談でも出てきた「感動接客に繋げるスキルプラミッド」と同じですね!

そうです!そうです!覚えてくださっていて嬉しいです!!

自分たちのブランドがお客様にどのような価値を提供していくのかという「マインド部分」をしっかり持ち、「接客基本」や「コミュニケーション」をしっかり取ってお客様との関係を構築した上での「販売力(専門スキル)」が発揮できているのかを審査していくイメージです。

まさに土台があっての「販売力」ですね。

はい。あと「販売力」に関係しますが…コロナ禍以降、「体験価値」という言葉をよく聞きませんか?

はい、よく聞きます。

「体験価値」ってどのようなことだと思いますか?

モノそのものよりも、商品を使った時をイメージできるか。あとは、購入するときの楽しい体験のことでしょうか。

はい。いかにその商品を使った時のことをイメージできるか、使い方のバリエーションを知ることで、お客様がいかにワクワクできるか。最近は、接客で得られる体験自体が、お客様にとって価値あるものかが大切といえます。「体験価値」は、今押さえるべき“接客トレンド”とも言えます。なので 各企業様でブランドコンテストを行う際は、この「体験価値」を評価できる審査項目も設定しておいた方が良いかもしれません。

「点」で終わらせず「線」にする!「ブランドコンテスト」で得た成果の横展開

ということで、まずはブランドコンテストがどのようなものかをご紹介しました。ここまでのところで、何か疑問や質問はありますか?

思っていた以上に壮大かつ今の時代に必要だなというのが率直な感想です。一方で、出場する方は、結構なプレッシャーを感じているのではないかなって思いました。お店を背負って出場するプレッシャーもあるし、いつもとは全然異なる環境で接客をしなくちゃいけないんですものね。

そうですよね。出場する側からしたらすごくプレッシャーになるかもしれません。

出場者選びは、1つ目のハードルかなって思いました。あとは出場者の方がコンテスト概要を学べる研修の実施や、コンテストまでの練習期間の中で周りの方がしっかりサポートやフィードバックできる体制が作れていることが必要だなと思います。そうじゃないと出場者だけに負担がかかってしまうので。コンテストに出場するまでのサポート体制などの仕組み作りが気になりました。

それぞれの企業様も商業施設様でも、事前の研修体制はしっかり計画していますよ。また良いロールプレイングの事例は、横展開できるように動画で視聴できるようにしたり、各店舗でも店長やCS担当者が指導ができるようにOJT研修を実施したり、それぞれの企業が自社の組織に合わせた工夫を仕組み化しています。「点」で終わらせないことって大切ですよね。

動画で視聴できるんですね。優秀な方たちの接客が視聴できる状態が作れているのは素晴らしいですね。コンテストに出場しないか方にとっても勉強になりますね。

そうですね。上手く「ブランドコンテスト」を活用して仕組み化していけばメリットはあるので、今回のご相談に関しては、何が上手くいっていないのかを分析した方が良いかもしれないですね。 今回は前編として「ブランドコンテストって何?」ということを理解していただいたので、次回の後編では、“ブランドコンテスト”を実施する時に現れる「壁」と、その「壁」を乗り越えて成功に繋げるためにどのようなことが必要なのかについて、一緒に考えていきましょう。

はい、よろしくお願いします。

Michieさん今回もありがとうございました。

<対談のまとめ>

最後に

今回、idealのサポーターであるMichieさんと「どうしてる!?“ブランドコンテスト”の実施!?(前編)」というテーマで、まずは「ブランドコンテストって何?」「ブランドコンテストの活用メリット?」についてご紹介しました。

企業様や商業施設様が「ブランドコンテスト」に取り組むにあたり、事前研修や当日の審査員、そして時には企画段階からお手伝させていただいています。お手伝いをする中で、「ブランドコンテスト」を活用して「販売スタッフの教育施策」を仕組み化できている企業様や商業施設様には共通点があると感じています。それは、現状に留まらず常により良くしていこうとするチャレンジ精神のレベルが高いことです。「ブランドコンテスト」に出場する側の接客スキル向上のための行動はもちろん、「ブランドコンテスト」の運営側のプラスのスパイラルに繋げる仕組みづくりなどの行動の集結こそが、“ブランド力”として現れるのではないかと思います。

来月の「キレイのプロ」も、「どうしてる!?“ブランドコンテスト”の実施!?(後編)」として、Michieさんと『“ブランドコンテスト”を実施する時に現れる「壁」』についてお話しいたします。楽しみにしていてください。

idealは美容業界・ファッション業界の企業様、エステサロンの皆様の“愛されブランドづくり”のために、今後もMichieさんの協力を得ながら、ブランディングサポートを提供していきたいと考えています。“愛されブランドづくり”に関するご相談、ご質問があれば、ぜひ下記よりお問合せ下さい。