こんにちは。ideal きよさわです。
前回の「キレイのプロ」では、皆様からいただいたご相談の中で最近増えている「クレーム応対」に焦点を当てて、「どうしてる!?お客様からの“クレーム応対”!?」というテーマでMichieさんと対談いたしました。
前回の対談記事はコチラ!
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*第45回 :どうしてる!?お客様からの“クレーム応対”!?(前編)
私たちの経験をもとに、お客様からいただいた「ご指摘」への対応方法や注意ポイントについてご紹介しました。4月は、ちょうど新人さんも増えるタイミングだったので、新人教育にも役立てていただけたのではないでしょうか。
「ご指摘」は、大きくなればなるほど精神的ダメージを受けてしまうのと同時に、仕事の時間を奪われてしまいます。本来やるべきことができなくなる可能性が高いので、起こさないように注意する、そして、起きてしまった場合は小さい芽のうちに摘み取るに越したことはありません。そのための方法として、前回は「なぜご指摘が発生するのか?」を理解した上で、接客品質の向上を目指す必要があるとまとめさせていただきました。
さて今回の「キレイのプロ」は、「どうしてる!?お客様からの“クレーム応対”!?(後編)」というテーマで、私たちがお客様の立場で体験した事例を紹介しながら、どのような応対が、「不快」「不満」を感じたお客様を納得させるのか。さらにはブランドの利用を継続していただけるのかについて、Michieさんと対談して参ります。
目次
コラボ対談者(登場人物)
ideal 清澤美子(きよさわ)。
“愛されブランドづくり”のための商品企画、その商品の体験価値を高めるための販売スタッフ育成のサポートに携わっています。モットーは、「喜ばれることに喜びを…そしてその先へ」をモットーにしています。ホームページはこちら。Instagramはこちら。
大学卒業後、化粧品会社に入社。ヘルス&ビューティー、ファッションの企画業務に30年携わる。特にファッションではオリジナルブランドの立ち上げ、イベントの企画運営、スタッフ教育など、幅広い仕事に従事。モットーは、“商品企画も販売も、お客様視点”。お客様心理をつかむことが愛されブランドへの近道と思っています。
idealのサポーターであるMichieさんとの対談内容
「どうしてる!?お客様からの“クレーム応対”!?(後編)」について、idealのサポーターであるMichieさんの体験談や、きよさわが研修でお伝えしている内容を対談形式でまとめました。
お客様目線で気づく「接客レベルの向上」と「ご指摘の芽」
こんにちは。idealの清澤です。前回は私にとって「ご指摘応対の女王」であるMichieさんに、「ご指摘応対」について役立つお話をたくさん伺いました。ありがとうございました。今回もよろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。昔を思い出すことができて懐かしかったです。
懐かしかったですね。そして、今でもすごく活用できるお話でした。 Michieさんは1回のエラーからすぐに良い教訓を得ていらっしゃいましたが、私はたくさんのトライアンドエラーを重ねてきました。ただ私にとっては、その失敗経験が今となっては財産といえます。なんと言っても、サポートさせていただいている企業様にその時の失敗経験がフル活用できています!(笑)
そして、現在は自分自身が「お客様側」そして「事例を発見する側」にいるので、不快に感じることが起きた時、スタッフの方がどのような応対をするのか、今まで以上に観察するようになりました。Michieさんはいかがですか?
そうですね。応対側のことがわかっているので、「ここはすごくちゃんとしているお店だな」って気づく時があります。
そうですよね。往々にして、お客様の「ご指摘」への応対がちゃんとできている店舗は、日常の「接客応対」もしっかりできていると思います。
そう思います。最近の接客は、応対も含めてレベルが上がっていますよね。きっと「ご指摘応対」の教育ができているのではないでしょうか。
そうですね。前回もお伝えしましたが、お客様からの「ご指摘」をいただかないようにするためには、やはり「ご指摘」の要因を理解した上で接客品質を上げないとできないことなので、「ご指摘応対」教育はとても大切です。 ところで、Michieさんが客観的にスタッフの皆さんの言動を見て、どのような点でレベルが上がったと感じますか?
こちらの気持ちを汲んでくれる発言をしてもらえることですね。電話で問い合わせた時や、不満を言った時に、こちらはただ「こうなんですけど」って言っただけなのに、言葉遣いや事実の受け止め方がすごくスムーズで、「気持ちがいいな」と思って終わったことがありました。このお店はちゃんと教育しているんだなって感じました。
大きな問題になる前に、トラブルの芽を摘み取っているんでしょうね。
そうですね。コールセンターだったんですが、お詫びの仕方や対応策の出し方がすごくスムーズで、私が怒る暇がなかったんです。
素晴らしいですね。やはり2次クレームを警戒して、トラブルの芽は小さなうちに摘み取るようにしっかりと教育をされているんでしょうね。きっと読者の皆さんは、他社がどのように対応しているのかも気になるところかもしれません。そこで、今回の「キレイのプロ」は、私たちがお客様として経験した「ご指摘案件」を活用して、他社がどのような応対をしているのかを解説しようと思います。
百貨店の神対応に学ぶ!期待を超える「ご指摘応対」
いかがでしょう、Michieさん。何か事例はありますか?
それがですね…先ほどもお話ししたように、トラブルの芽を上手に摘み取られているので、最近お客様として不満に思うことがそんなにないんです。
逆に清澤さんはいかがですか?
では、私の事例をご紹介しますね。
はい。
先日、夕食を買って帰ろうと百貨店に立ち寄ったんです。仕事帰りの時間帯だったので、もちろんお惣菜売り場は長蛇の列でした。でも、がんばって並んで順番を待っていたんですね。順番を待っていたその時に、すごいお客様と店舗スタッフさんに遭遇してしまったんです!
えー!どんなお客様ですか?
そのお客様は、一旦、会計が終わってカウンターを去ったんですが、何を思ったか、すぐに戻ってきて「やっぱりあれも!」って、カウンター前のお客様の前に割り込んで、買い物を継続したんです。それって、次に並んでいるお客様からすると不快じゃないですか?
確かに不快ですよね。横入りになりますから…。
その横入りのお客様にももちろん不快感を感じましたが、何よりもその時のスタッフの方の対応にびっくりしました。そのスタッフの方は、次のお客様に断りもせずに横入りのお客様の注文を当然のように受けたんです。さすがにそのスタッフの方の対応はやばいなぁと思って、そのことを直接指摘したんです。そうしたら「先ほど並んでいらっしゃったので…」と意味不明な言い訳をした上に、「なんでそんなことで指摘されなきゃいけないの?」という不貞腐れ感がダダ漏れだったんです。実は、私が次の順番だったんですが…(苦笑)
さすがに気分が悪かったのでもう一言言いたい気持ちはありましたが、そのスタッフの方に言っても伝わらないだろうな…と思って、直接百貨店のフロア担当の方に「ご指摘」のメールをしました。 まさに「研修で活用できる事例だ!」と思いました(笑)。そうしたら、その百貨店のフロアマネージャーからすぐに素晴らしい返信メールが届いたんですよ。
へえ、どんなメールですか?
こちらです!メールを読んだ時、絶対、研修で活用しようと思いました!!

こちらのメールの素晴らしいと感じた点は3つです。
まず1つ目は「言葉遣い」。そして2つ目は「受け止め」です。「ご不快な思いをお掛けして、誠に申し訳ありません」と、感情面に寄り添った対応がしっかりできていました。その上で、「当該店舗の責任者には厳しく叱責を致しました」と、私の「ご指摘」に対して、すでに対応していますよ、という事実面の状況も報告しています。 また、私の言い分をしっかり受け止め、承認しています。最後の3つ目ですが、「私どもの社員教育の一つとして・・・以下」と、二度と起こらないようにこうしていきますという改善意向もあげてくれていました。
やっぱりさすがだなと思いましたよ。ご指摘応対の女王として、このメールを見てどう思われますか?
その百貨店の“ブランド力”を感じますよね。こういう返信メールにも丁寧さが出ているなって。清澤さんも少しイライラした気持ちを「どういう風におさめてくれるんだろう」と期待してメールしたと思うんですけど……。(笑)
おっしゃる通りです!メールするほどのことではなかったのですが、一流と言われる百貨店なら、どのように応対してくれるんだろう…と期待感がいっぱいでした。
「ちょっと言うだけ言ってみよう」くらいの気持ちだったにも関わらず、これだけ丁寧な返事が返ってくると、期待していた返答のレベルを超えてきていますよね。そうすると、すごく嬉しくなりますよね。
そうそう、期待以上の応対で、心底「さすがだな!」と思いました。こういう応対のできる店舗だと、やはり継続的に利用したくなりますよね。
思ったよりも丁寧さに欠けていたり、言葉遣いがちょっと違うなと思ったら、多分すごくがっかりしちゃうと思うんですよね。
そうなんですよ。特にこちらのメールは、フロア責任者の方からのものだったので(本当かは分かりませんが…)、お客様に真摯に向き合っているという印象を持ちました。なので、マネジメントをされている方こそ、この丁寧で冷静な応対ができることが大切になるという事例でした。
ついついやりがち?ご指摘応対で避けるべき「D言葉」と「NG行動」
あと…先ほどの事例を活用しながら、「ご指摘応対」で避けるべき「NGワード」について共有しておきたいと思います。 先ほどの返信メールには、「でも」「だって」「ですから」といった言葉が一切なかったじゃないですか。後は「とりあえず」や「普通は」という言葉もありませんでした。こういう言葉はお客様を拒絶・反発する言葉になるので気をつけたいです。 私はこの「でも・だって・ですから」を「D言葉」と呼んでいて、研修でも「D言葉」は避けてくださいと伝えると、皆さん印象に残るようです。そして「D言葉」は「S言葉」に変換しましょうと伝えているんですが、「S言葉」ってご存知ですか?
「承知しました」とかですか?
素晴らしい!さすが女王。そうです!「承知いたしました」「左様でございますか」。そして「すみません」は、「申し訳ありません」と正しい敬語に言い換えます。「D言葉」から「S言葉」にすることを覚えていただくだけでも、お客様の「怒りの感情」は収めやすいですよ。

確かにそうですよね。
2つ目の「NGワード」は、どうしても「ご指摘」って怖いじゃないですか。そうすると、ついつい「私のせいじゃないです」「上の指示なので」と責任転嫁をしたり、「〜するつもりでした」と結果が伴わない言い訳をしてしまいがちです。Michieさん、思い当たることはありますか?
ついつい言いたくなりますよね。こちらに非がないことも往々にしてあるので。それをぐっと飲み込む術が必要ですね。当時の清澤さんを見て勉強しました!(笑)
そうです。そうです。正論を伝えたからと言って解決にはつながらないですからね。ぐっと飲み込んで、言い返すのを避けるのが正解です。 そして3つ目、絶対にやっちゃいけないのが「お客様を煽る、見下す言葉や行動」です。例えば、すごく怒っているお客様に「落ち着いてください」って言ったら、Michieさんはどう思いますか?
余計怒りますね、絶対。「あなたに言われたくないよ!」って思いますよ。
「あなたのせいで怒っているのに、なんで落ち着けって言われなきゃいけないんだ」ってなりますよね。あと、「ため息」はどうですか?
これは結構つい出ちゃうじゃないですか。わざとやっていなくても、電話だと聞こえちゃうから、本当に気をつけないと。
無意識に出ているため息やちょっとした口癖が、相手の気に障ることがあります。 最後に、私が一番不快に思う言葉が…「参考にさせていただきます」です。Michieさんは、「参考にさせていただきます」という言葉からどのような印象を持ちますか?
悶々としますね。消化不良になります。「参考にさせていただきます」というセリフは、結局「私はあなたの言葉を聞き流します」っていうセリフと同じですものね。もうちょっと違う言い回しにして欲しいですよね。
「検討させていただきます」とか「上と相談させていただきます」とか、何か具体的なアクションを示す言葉に変換した方がいいですよね。実は先日、ある企業に電話で「ご指摘」を伝えたんですが、まさにこの言葉を言われてすごく不快でした。「“参考にさせていただきます”という言葉は、とりあえず聞くけど行動しなくてもいいでしょという前提が入っていますよね」って伝えておきました。
(笑)
100人中4人しかいない!ご指摘は「ファンづくり」のチャンス
ここでMichieさんにご紹介しておきたいデータがあります。その前に質問です。「ご指摘」をあえて言ってくださるお客様って、100人中何人ぐらいだと思いますか?
5人ぐらい、5パーセントぐらいですか?
さすが女王!すごいです(笑)。アメリカのマーケターであるグッドマン氏が出したデータで「クレームを発するお客様は、100人中4人」というものがあります。だから、「ご指摘」をおっしゃるお客様は実は氷山の一角で、すごく貴重であると言うことです。じゃあ、残りの96人はどうなっちゃうと思いますか?

嫌なことがあったら、そこから離れていく…そのお店はもう利用しないということですか!?
おっしゃる通りです。お客様が、せっかくそのブランドに興味を持っていただけたにも関わらず、2度と利用はしていただけません。だからこそ、「ご指摘」は嫌なものではなく、自分たちのブランドをより良くしていくための「大切な声」として受け取る必要があります。これまでたくさんの方々に質問してきましたが、5人って答えた方は初めてでした。びっくりしちゃいました!
とんでもございません。女王ですから!(笑)
「ご指摘」を乗り切るための「心構え」と「3ステップ+α」
今回は、実際に他社事例をご紹介したので、皆さんもイメージが広がったのではないでしょうか。そうそう!前回の対談記事で、「ご指摘応対の3ステップ」をお伝えしましたが、記事を読んでくださった方から「各ステップで発する具体的なフレーズを教えていただけますか」というお問い合わせがありました。
最後に、各ステップのフレーズをご紹介しておきますね。

ステップ1の「お客様の怒りの感情を収める」姿勢作りでは…
「不快な思いをさせてしまい深くお詫び申し上げます」お忙しい中ご教示いただき深く感謝申し上げます」といったフレーズを使用します。Michieさんも使われていたんじゃないですか?
こちらのシートに掲載されているフレーズは全部使っていました!これだけ言えたら乗り切れる気がします。絶対覚えていただきたいフレーズです!!
ステップ2の「感情と状況の確認」では…
「確かにそのようなお気持ちになられるのはごもっともでございます」と承認・共感することが大切です。 そしてステップ3の「代替案の提示」では…
「二度と起こらないように、再発防止に徹底して取り組みます」と、行動する姿勢を見せることが大切ですね。 まさに先ほどご紹介した百貨店の事例と同じです。
Michieさんは当時からこれらを徹底して使われていたんですね。
大体この順番で使用していました。「お詫び文」もすごくたくさん書いていましたよ!まさに先ほどの百貨店の事例と同じように!!
すごい。今度、Michieさんにテキストを作ってもらおうかな(笑)
では、最後のまとめとして「ご指摘応対に必要な心構え」をお伝えします。

1. ご指摘をくださるお客様は「貴重なお客様」だという前提を持ち、真摯に受け止める。
2. ご指摘は批判ではなく、店舗やブランドに対する「期待」である。
3. ご指摘は、お客様満足度を上げる「チャンス」であり、リピートに繋がるきっかけである。
Michieさん、いかがですか?
お客様の「不満」を受け止めるのってメンタルが疲弊するじゃないですか。でも、それが「ブランドへの期待」を高めることに繋がるんだと思えば、気持が楽になるというか、意味があると思って応対できるなと感じました。
私もたくさん失敗しましたが、これを徹底するようになってからは、お客様から直接お礼のお電話をいただいたり、「また購入するわ」と言っていただけたり、リピートに繋がる=ファンになっていただくきっかけになりました。私たちの応対次第でお客様の対応はすごく変わることを実感しました。全ては私たち次第ですね。 ということで、2回にわたって「ご指摘応対」で役立てていただけそうなことをお伝えしました。Michieさん、最後に読者の皆さまにメッセージをお願いします。
「ご指摘応対」って本当に大変な仕事だと思うんですけど、「お客様をファンにしてやるぞ!」みたいな気持ちでやると、乗り越えられるのかなと思います。怒っている人の話を誠心誠意聴かなきゃいけないので、メンタル的に辛いこともあると思うんです。だからこそ、そういう前向きな気持ちでやっていただきたいと思いました。
私は、トライアンドエラーを繰り返して、今回、ご紹介した方法をマスターしてからは、お客様と良好な関係を築けました。読者の皆さまには、ぜひ今回の手法を活用いただいて、不必要なエラーはなるべく回避していただきたいと思います。
あっ!あともう一ついいですか。店舗で起きた「ご指摘」は、リスト化しておくことをおすすめします。チームメンバーにも共有できるので再発防止にもなります。また、似たような「ご指摘」が起きた時に、事例としても活用できます。そうすると、万が一、「ご指摘応対」が必要となった時に、焦らなくてもいいですし、スピーディに解決できるので、ぜひおすすめします。
ありがとうございます!!おっしゃる通りですね!!一度お客様からいただいた「ご指摘」は、再発しないように店舗で「仕組み化」していくことはとても重要です。Michieさん、アドバイスいただきありがとうございます。機会があればまたこのテーマでお話を伺えればと思います。ありがとうございました。
ありがとうございました。
<対談のまとめ>

最後に
今回、idealのサポーターであるMichieさんと「どうしてる!?お客様からの“クレーム応対”!?(後編)」というテーマで、前回に引き続き対談させていただきました。ぜひスタッフ育成に活用していただけますと幸いです。
冒頭にも伝えていますが、「ご指摘」は、大きくなればなるほど精神的ダメージを受けてしまうのと同時に、仕事の時間を奪われてしまいます。本来やるべきことができなくなる可能性も高いので、起こさないように注意する、小さい芽のうちに摘み取るに越したことはありません。
特に、最近の傾向として新人さんや若手スタッフの皆さんは、お客様とのコミュニケーション自体に「恐怖心」を持つ方が多いので、早めに概要だけは知っておいていただけると、「ご指摘」を回避しやすくなると思います。そうすることで、新人さんや若手スタッフの皆さんには、「接客」「販売」という仕事に対して、安心して取り組んでいただけるし、「お客様満足」「お客様感動」の体験をしていただけると思います。
来月の「キレイのプロ」も、皆様からいただくご質問をピックアップして、「どうしている!?こんなときシリーズ」としてMichieさんとお話しいたします。楽しみにしていてください。
idealは美容業界・ファッション業界の企業様、エステサロンの皆様の“愛されブランドづくり”のために、今後もMichieさんの協力を得ながら、ブランディングサポートを提供していきたいと考えています。“愛されブランドづくり”に関するご相談、ご質問があれば、ぜひ下記よりお問合せ下さい。
