キレイのプロ Beauty Marketing対談(第29回)“愛されブランド”づくりのための販売心理学講座“〜 お客様との会話を広げる”超アクティブリスニング”?! 〜

こんにちは。ideal きよさわです。

前回は、業種に関係なく多くの方がお悩みを抱えている「アプローチ」ついて、idealのサポーターであるMichieさんとお話しをしました。お悩み解決の糸口を、対談内容から見つけていただけたら嬉しいです。

「アプローチ」は、お客様との関係づくりだけでなく、私たちスタッフ自身にとっても非常に重要なステップといえます。まだご覧になっていない方は、お時間のある時にぜひ覗いてみてください。

前回の対談記事はコチラ!

   ↓

*第28回 : お客様の心をひらく”グリーティングアプローチ”とは?!

そして!

「アプローチ」と同様、多くの方からご相談をいただくステップが、「ニーズの聴き出し」です。

「キレイのプロ」をお読みいただいている皆さんの中にも、このようなお悩みをお持ちの方が多いのではないでしょうか?

「ニーズの聴き出しをするために、どのような質問をすればいいかわからない…」
「お客様に立ち入ったことを質問してもいいのか不安になり、質問できない…」
「ニーズを確認したのに、なかなか購入に繋がらない…」         etc

こちらのお悩みは、先日、「キレイのプロ」の読者の方からいただいたものです。

お客様への質問って、どこまで聴いていいものか悩みますよね。
でも質問しなくちゃ、お客様の本当のニーズはわからない…
だからこそ「アプローチ」のステップで、お客様としっかり信頼関係を築く必要があるのです。

そして、お客様に質問を重ね、会話のキャッチボールを繰り返すことで、よりお客様と良好な関係が築けます。

そうなんです!!

実は、この「ニーズの聴き出し」のステップは、お客様を理解し、お客様との関係を深めるためにとても重要なステップと言えます。

そこで!

今回の「キレイのプロ」のテーマは、「お客様との会話を広げる”超アクティブリスニング”?!」です。

本記事では、「愛されブランドづくりのための販売心理学講座 #4」動画の一部を活用しながら、お客様との会話を広げ、お客様のニーズや情報を聴き出すためのポイントを4つのテーマに分けてお伝えします。

対談相手は、idealのサポーターであるMichieさんです。

コラボ対談者(登場人物)

ideal 清澤美子(きよさわ)。
“愛されブランドづくり”のための商品企画、その商品を販売するスタッフ育成のコンサルティングを行なっています。「喜ばれることに喜びを…そしてその先へ」をモットーにしています。ホームページはこちらInstagramはこちら

ideal  Michieさん
大学卒業後、化粧品会社に入社。ヘルス&ビューティー、ファッションの企画業務に25年携わる。特にファッションではオリジナルブランドの立ち上げ、イベントの企画運営、スタッフ教育など、幅広い仕事に従事。モットーは、“商品企画も販売も、お客様視点”。お客様心理をつかむことが愛されブランドへの近道と思っています。

愛されブランドづくりのための販売心理学講座 #4<テキスト版>

「愛されブランドづくりのための販売心理学講座 #4」の動画から抜粋したテキスト版をご紹介します。

こんにちは。ブランディングコンサルタントの清澤です。今回の”キレイのプロ”では、お客様との会話を広げ、お客様のニーズや情報を聴き出すためのポイントを4つのテーマに分けてお伝えします。

Ⅰ.ニーズの聴き出しに必要なスキルが”○○”ってホント?! 
Ⅱ.お客様がどんどん話したくなる”超アクティブリスニング”!
Ⅲ. “超アクティブリスニング”のメリットとは
Ⅳ.”超アクティブリスニング”でお客様と”○○”ができる!

ニーズの聴き出しに必要なスキルが”○○”ってホント?! 

最初に皆さんに質問です。
「アプローチ」から「お見送り」までの接客6ステップの中で、ご自身が苦手だと感じるステップはどこですか?

おそらく「ニーズの聴き出し」と答える方は多いのではないでしょうか。

実際に、私がこれまでお会いした方々は、「アプローチ」と同様に、「ニーズの聴き出し」も苦手だと感じている方がとても多かったです。では、なぜこのステップが難しいと感じるのでしょうか。

店頭でスタッフの皆さんを観察している時によく見かける光景は…
お客様のことを知る前に、商品紹介を始めている方が非常に多いです。もちろん、それはお客様のためを思ってのことですが、実はその行為がお客様を“聞き役”にしてしまうのです。 

もうお気づきかもしれませんが、お客様が“聞き役”になってしまうと、お客様のニーズを聴き出すことは難しくなりますよね。では、ニーズを聴き出すために、どのようなことをすればよいのでしょうか?

まず、ニーズを聴き出す時のお客様の心理を確認していきましょう。

第29回“愛されブランド”づくりのための販売心理学講座”2

「ニーズの聴き出し」のステップでは、お客様は、「自分に興味を持って欲しい」と思っています。そして、期待していることは「自分に合った商品提案をして欲しい」「自分が知らない情報を教えて欲しい」「ワクワクしたい」といったことです。このようなお客様の期待に応えるために大切なことは、お客様を理解することです。

お客様を理解することが、本来の「ニーズの聴き出し」と言えます。
だからこそ、私たちはお客様を理解するために、お客様の意向や情報、感情など、さまざまな要素を収集することを意識する必要があります。

では、「お客様を理解する」にはどのようなことをすればいいのか、具体的に確認していきましょう!

例えば、「羽織り物が欲しい」というお客様に対して、すぐに商品を紹介するのはNGですよね。
お客様がどのようなシチュエーションで、もしくは、どのようなイメージで使いたいのかなど、お客様が頭の中で描いていることを理解する必要があります。

お客様がおっしゃる「羽織り物が欲しい」は、“表面的なニーズ”です。
そして、この“表面的なニーズ”には、必ず背景があります。

実は、このお客様の言葉の背景を確認できていない方、意外に多いです。
「表面的なニーズを聴く=お客様のニーズ確認ができた」と思い込んでしまうと、なかなかお買い上げには繋がりません。

先ほどの、「羽織り物が欲しい」という事例ですが、その背景として
 最近出張が増えて新幹線や飛行機に乗る機会が増えたから…
 乗り物の中で温度調節として使いたいから…
 楽な服装で過ごしたいけど、おしゃれなスタイリングにはこだわりたいから…   
と様々です。

お客様の“表面的なニーズ”の背景をしっかり探ることで、お客様を具体的に理解することができるんです。

お客様がどんどん話したくなる”超アクティブリスニング”!

お客様を理解するためには、どのようなスキルが必要だと思いますか!?

実は、「きくスキル」がとっても重要です。

そこで、皆さんに少し思い出していただきたいことがあります。
皆さんの周りにも、「聴き上手な人」がいらっしゃると思います。

「聴き上手な人」がやっていることは、どのようなことでしょう?!

「聴き上手な人」は…

こちらが話している時に、うなずきや相槌を打ってくれたり、共感してくれたり、時には言葉を繰り返してくれたりします。また、話を要約してくれたり、質問してくれたりもしますよね。

そうなんです!!

「聴き上手な人」が活用しているのは、次の2つの“きくスキル”です。

まず1つ目は「聴くスキル」です。 
お客様の言葉の背景にある感情や意図、状況を捉え、それを受け入れようとするスキルです。

そして2つ目は「訊くスキル」です。
質問するためのスキルで、お客様のお話に興味を持ち、さらに質問することで、より深く知りたいという姿勢を伝えるスキルです。

今回、皆さんに試していただきたい「超アクティブリスニング」というスキルは、聴き上手な人が使う2つの“きくスキル”を組み合わせた最強のスキルです。

“超アクティブリスニング”のメリットとは

では、さっそく「超アクティブリスニング」の方法とそのメリットをご紹介しましょう。
方法はこちらです。

まず、あいづちやうなずきをしながら、お客様の言葉を繰り返します。
その後、“お客様はきっとこう感じているのではないかと思う感情”や“皆さんが感じた気持ち”を伝えてみてください。いわゆる共感するということです。
その上でさらに、質問をして話を広げていきます。

「聴くスキル」のあとに、「訊くスキル」を組み合わせるだけなので、とてもシンプルです!

「超アクティブリスニング」を活用すれば、必ずお客様との会話が広がり、お客様の意思や情報、ニーズや感情など、あらゆることが理解できるようになります。
そして、さらにお客様自身が気づいていないニーズを引き出すこともできるんです。

「超アクティブリスニング」のメリットは、まさに自然な会話の中でお客様の“潜在的なニーズ”を引き出せることです。

“表面的なニーズ”にとどまっていては、お客様に寄り添った提案はできません。

質問を繰り返しながら、ニーズの背景をしっかりと理解していきましょう。
そのためにも、ぜひ「超アクティブリスニング」を活用してみてください。

“超アクティブリスニング”でお客様と”○○”ができる!

「超アクティブリスニング」のメリットは、それだけではありません。
お客様は自分を理解してくれる人に親近感を抱き、好感を持ちます。その結果、信頼関係が築かれます。早い段階でお客様との信頼関係を構築できれば、次の商品提案の成功に繋がります。つまり、決定率が上がるということです。

「超アクティブリスニング」を通じてお客様を理解することで、親近感や安心感、好感が芽生え、信頼関係が深まります。これにより、お客様もスタッフも楽しい時間を共有できるのです。

ぜひ「超アクティブリスニング」を活用し、さらに信頼関係を深めていきましょう。

<まとめ>

アフタートーク

Michieさん、こんにちは。

こんにちは。

前回のMichieさんのエピソードは、私もそうでしたが、参考になった方がとても多かったようです。ありがとうございました。

こちらこそ、ありがとうございます。

前回の「グリーティングアプローチ」の続きとして、今回はお客様との会話を広げる「超アクティブリスニング」の動画を見ていただきましたが、いかがでしたか? 

本当にその通りだと思いました。お客様に店内に長く滞在していただくためには、声をかけるタイミングや、会話の広げ方がとても大切なんです。

お客様のニーズや情報を聴き出すためのポイントは、前回のMichieさんのエピソードと合致することが多かったですね。

はい。お客様の“表面的なニーズ”の背景をしっかり探ることは、私自身もとても大切にしていたことです。そのためにも入店されるお客様の観察は、本当に大切です。

ありがとうございます。Michieさんは、これまでのお仕事的に、いろいろなお店をリサーチすることが多かったと思いますが、最近、特に印象に残ったお店はありますか? 会話を広げるのが上手なお店や、逆に少し微妙だなと思ったお店など、何かエピソードがあれば教えてください。

実は今日、買おうかどうか迷っていた商品があったんです。それはカバンなんですが、あまり買うつもりはなかったのに、気づけば買おうとしていたんですよ。実は、私、同じお店で3回目なんです。

同じお店で、買うつもりじゃなかったのに3回も?

そう、たまたま通りすがりで。

え〜!!どんな状況だったんですか?

多分、スタッフさんの接客が上手だったんだと思うんですよね。

同じスタッフさんですか?

同じスタッフさんかはわからないんですが、みんな同じような感じで接客してくれるんです。

そのお店では、Michieさんがつい購入してしまいそうになるような接客を徹底しているんですね。すごく興味深いです。どんな接客をしてくれたんですか?

とにかく、よく話しかけてくれるんです。小さなお店なんですけど、押しつけがましくなくて、さりげなくカバンを手に取って見せてくれたり、機能の説明をしてくれたりして。接客の入り方がすごくスムーズなんです。お客様側って最初は緊張するじゃないですか?

はい。

でも、こちらのお店では、「これ素敵ですよね」みたいな感じで、自然と共感してくれるので、こちらも話がしやすくなって、ついつい話してしまうんです。

共感的なアプローチで寄り添ってくれると、ついつい話したくなっちゃいますよね。

そう、多分、私が心の中で思っていることを言ってくれているんですよ。

なるほど。

例えば、「これ使いやすそうですね」とか、「取っ手があって便利ですね」って、私が思ってることをそのまま言ってくれるから、どんどん引き込まれちゃって。

すごい!

それで、つい買いそうになったんです。そんな経験がありました。

そのお店のスタッフさんは、自然にMichieさんの心を開かせて、会話をどんどん広げていったんですね。どんな工夫をしていたかを思い出せますか?

工夫ですか…。やっぱり、その方には押しつけがましさが全然なかったことです。とにかく自然な会話なんですよ。でも、その商品の魅力はしっかり伝わってきて、私が気になっているところを再確認してくれる話し方や質問の仕方が上手だったんだと思います。

じゃあ、自然な会話の中でさりげなく質問をしながら、Michieさんの気になる点をや要望を確認してくれていたんですね。まさに超アクティブリスニングですね笑

そうですね笑

だから、Michieさんも自然と自分が気になっていることを伝えることができたんでしょうね。

そうだと思います。まるで心を読まれているような接客でした。

それで、結局買っちゃったんですか?

いや、それでふと思い出したんです。「あれ?私はこのお店で同じようなバッグを3つも買ってる」って。

過去2回は買ってたんですね^^

そうなんです^^「デジャヴかな?」って思ったくらい。結局、今日は「同じようなバッグがあることを思い出したのでやめます」と言って買いませんでした。

 理性が働いたんですね。よかったです。すごくいい事例ですね。

そのスタッフさんとの相性もあったかもしれないけど、ほんの5、6分の会話がすごく印象に残りました。すごいですよね。

はい!その短い時間でもすっと入り込むアプローチをして、関係性を作って、自然にニーズを聴き出せるスキルがあると、販売につながりますよね。

そう、すごいなと思います。そして、自分が買いそうになっていてびっくりしました。

私もびっくりしました笑
一方で、買いたくない、買わないだろうなと思わせるような接客って、経験したことありますか?

あります。

反応が早いですね。よっぽど印象に残っているんですね。

昔の話ですが、アパレルショップでの出来事です。新しいスカートが欲しくて、一生懸命スカートを見ていたんです。そしたら、私より少し若いスタッフさんが「こんなのも入ったばかりなんですよ」って、いきなり商品を持ってきて紹介してくれたんですよ。

いきなりですか?

そうなんです。

スカートを見ていたら、いきなり持ってこられたんですね。

そうそう。もしかしたらその店のイチオシのスカートだったのかもしれません。でも、実はそのお店、私がいつも行くところより少し若めのターゲットのお店だったんです。ちょっと憧れもあって入ったんですけどね。

なるほど、そういうことですか。

でも、持ってこられたスカートは、色も形も今まで履いたことがないデザインで… でも、勧められたから試着してみたら、全然似合わなくて。体型に合わないし、腰が張って見えたり、膝のラインが気になったり、自分のコンプレックスが目立つようなデザインだったんです。結局、試着室から出るのが恥ずかしくて、出られませんでした。

それは大変な経験でしたね。

はい。「これは無理です」って伝えて、そそくさと逃げるように帰りました。今考えると、たぶんそのスタッフさん、私の体型とか年齢とか全然見ていなくて、ただ自分が可愛いと思ったものを勧めてきたんだと思います。

Michieさんのことを考えてくれたというよりは、自分が好き、もしくは販売したいものをただ勧めてきたんですね。

そうだと思います。

その時は、質問とかほとんどされなかったんですか?

全然なかったです。

会話もなく?

そうです。振り返ったらもうスカートを持っていた、みたいな感じでした。

そのお店には、その後も行きましたか? 

いえ、もう行かないですね。怖くなっちゃいました。似合わないものを勧められるって、ちょっとトラウマになりますよね。

ああ、そうか。それがマイナスインパクトになってしまったんですね。

そうですね、怖かったです。

それは怖いですね。ショッピング中になんだか嫌だなと思ったり、トラウマになってしまうと、もうそのお店には行かないですよね。
すごく参考になる事例です。販売に携わっている方々にとっても大事な教訓になると思います。
ところで、Michieさん、前にポップアップのお話を少ししていただきましたよね?

はい、しましたね。

それは怖いですね。ショッピング中になんだか嫌だなと思ったり、トラウマになってしまうと、もうそのお店には行かないですよね。
すごく参考になる事例です。販売に携わっている方々にとっても大事な教訓になると思います。
ところで、Michieさん、前にポップアップのお話を少ししていただきましたよね?

はい、しましたね。

心を閉ざしている方も多い中で、少しでも話してくれる方には、自然と会話を広げていたとおっしゃっていましたが、その時、Michieさんはどうやって会話を広げていたんですか?

その人の外見や年齢、持っているものや来店する時間帯など、目に入る情報から雰囲気を感じ取って、それに合わせた会話をするようにしていました。例えば、平日の昼間なら「今日は何かの帰りですか?」といった感じで、話のきっかけを振ったりしていましたね。意外と、そういう雑談をしたいお客様もいらっしゃるんですよ。

そうですよね。そういう雑談を通してお客様との関係構築ができますよね。

はい。その雑談で、ちょっと話が弾んで「じゃあ何か買っていこうかな」という方もいました。

話をしただけで、買ってくれることもあるんですね。

そうですね。会話が盛り上がると、自然と距離が縮まるというか。お客様も会話が楽しいと感じると、好感を持ってくれるんですよ。

そうですよね。

そんな方もいらっしゃいました。

Michieさんも、さりげない会話を通して、お客様のニーズを聴き出していたんですね。

そうですね。結構気を遣いますけど。

会話に気を遣いつつ、終始お客様の様子を目と耳で観察しながら会話を進めていたんでしょうね。

そうです、はい。

ありがとうございます。Michieさんの経験談、どれも参考になります。お客様としての体験も、販売側としての経験も、とても貴重なお話です。
ありがとうございました。

いえ、こちらこそありがとうございます。

次回は、お客様から聴き出した情報をもとに、お客様の気持ちが上がるように提案できる方法ついて、動画を観ながらお話したいと思います。
ご協力をお願いいたします。

はい。楽しみにしています。

本日もありがとうございました。

ありがとうございました。

最後に

今回の「キレイのプロ」のテーマは、「お客様との会話を広げる”超アクティブリスニング”?!」について「愛されブランドづくりのための販売心理学講座 #4」の動画を活用してご紹介しました。

愛されブランドづくりのための販売心理学講座

愛されブランドづくり」のために、日頃、皆さんが抱えているお悩みを少しでも早く解決できるように、お客様心理に基づいたスキルを次回以降もご紹介させていただきます。参考にしていただけると幸いです。

“キレイのプロ”を読んでいただいている皆さまからのご質問もお待ちしております。ご質問は、ぜひコチラへ。

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