こんにちは。ideal きよさわです。2025年もあと10日となりました。あっという間の1年でしたね。お陰様で、今年も無事、“キレイのプロ”を継続することができました。ありがとうございます。
前回の「キレイのプロ」では、「どうしてる!?“自己理解と他者理解”」をテーマに、指導法に欠かせないスタッフの個性に合わせた対応法について、Michieさんと対談させていただきました。
前回の対談記事はコチラ!
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*第40回 : 「どうしてる!?“自己理解と他者理解”」
おかげさまで「自分のコミュニケーションスタイルの癖や特徴が客観的にわかった」「部下との関係づくりの視点が増えた」というお声をいただきました。
今回もその流れを受けて、「どうしてる!?さらなる”自己理解と他者理解”」をテーマに、“より一歩先の自己理解と他者理解”に踏み込みます。
「相手に合わせた伝え方・関わり方を身につけたい」「チームのコミュニケーションの底上げをしたい」「自分の言動のクセを整えたい」という方にぜひご覧いただきたい内容です。
idealサポーターであるMichieさんときよさわの体験談や効果的なスキルをギュッとまとめてご紹介いたします。
目次
コラボ対談者(登場人物)
ideal 清澤美子(きよさわ)。
“愛されブランドづくり”のための商品企画、その商品の体験価値を高めるための販売スタッフ育成のサポートに携わっています。モットーは、「喜ばれることに喜びを…そしてその先へ」・・・Happyのスパイラルづくりです。ホームページはこちら。Instagramはこちら。
大学卒業後、化粧品会社に入社。ヘルス&ビューティー、ファッションの企画業務に30年携わる。特にファッションではオリジナルブランドの立ち上げ、イベントの企画運営、スタッフ教育など、幅広い仕事に従事。モットーは、“商品企画も販売も、お客様視点”。お客様心理をつかむことが愛されブランドへの近道と思っています。
idealのサポーターであるMichieさんとの対談内容
「どうしてる!?さらなる”自己理解と他者理解”」について、idealのサポーターであるMichieさんの体験談やきよさわが研修でお伝えしている内容を対談形式でまとめました。
「自己理解と他者理解」で見えてくる“本当の自分”とは?
こんにちは。ideal 清澤です。 前回の「キレイのプロ」では、 「どうしてる!?“自己理解と他者理解”」というテーマで、Michieさんとお話ししました。 ここ数回、スタイル分析&診断系のテーマで対談をしてきましたが、興味を持って下さる方が、やっぱり多いようです。 Michieさんにも複数の診断を受けていただきましたが、いかがでしたか?
すごく楽しかったです!やっぱり“自分を知る”ってワクワクしますよね。盛り上がるというか、前向きになれる感じがします。
そうですよね。盛り上がりますし、「やっぱり自分ってそうだよね」と再確認できる部分もあれば、「意外にこんな一面もあるんだ」と、自分では気づいていなかった強みが客観的にデータで「見える化」されるので前向きになれますよね。
本当に“客観的に見ることができる”のがいいなと思いました。
ありがとうございます。コミュニケーションスタイル診断で自分がどのスタイルかわかることで、「だから〇〇の行動をとっていたんだ」や「だから〇〇スタイルの人にはつい▲▲な感情を持ってしまうんだ」など自己分析しやすくなりますよね。実は、私がスタイル分析や診断系に興味を持ったのは、以前、会社に勤務していた時でした。25年前に研修会を企画した際、大学教授の方がTA分析についてレクチャーしてくださったですが、その時のお話がきっかけでした。Michieさんは、TA分析について覚えていらっしゃいますか?
それが…覚えてないんです。
あら、残念。もしかしたらその頃、産休中だったのかもしれませんね。
そうかもしれません。25年前だと、ちょうどその頃ですね。
ですよね。ということで、ぜひあの時の私の感動をMichieさんにも体験していただきたいと思います。今回は、「どうしてる!?さらなる“自己理解と他者理解”」というテーマで、TA分析の活用法についてお話ししたいと思います!!Michieさん、よろしくお願いします!
こちらこそよろしくお願いします。
25年前の学びが原点にTA分析との出会い
今回は、Michieさんと私はweb上でオープンになっているTA分析診断に、事前に取り組んでいるので、その結果も共有しながら、TA分析の活用法についてお伝えしていきます。まずはTA分析について簡単に説明をしておきます。
はい、お願いします。

実は私、研修でもこのTA分析をよく活用しているんです。対象は店長クラスやチームマネジメントをされている方が多くて、「自分自身の特徴」や「スタッフの特徴」を理解するためのツールとして使っています。前回お話しした“コミュニケーションスタイル診断”よりも、もう一段深い自己&他者理解につながる内容なんですよ。このTA分析では、対人関係における行動・言動・心の傾向や“生き方のクセ”が分析できます。アメリカの心理学者・精神科医のエリック・バーンが開発したもので、人の心の中には「3つの自我の状態」があるとされていて、分析ではさらに細かく「5つの自我」でみていきます。

自我は、「親の自我」、それから「大人(理性的な自我)」、そして「子どもの自我(子どもらしい自我)」、この3つに大きく分類されます。その中でも“親”と“子ども”はさらに2つに分かれます。まず“親”は、「お父さん的な親」と「お母さん的な親」があるんです。お父さんって、どんなイメージがありますか?
お父さんはどっしり構えていて、道に迷ったら導いてくれるような大きな存在、っていう感じですかね。
そうですよね。お父さんには、「世の中のルールや秩序を守って、家族を支えていく」というイメージがありますよね。そして、時には厳しく物事を判断する。いわゆる“厳しい親”というキーワードが出てきます。それに対して、お母さんってどんなイメージですか?
お母さんは、寄り添って見守って、世話を焼いてくれるイメージです。
そうですよね。お父さんに比べると、周りを包み込むような“養育的な優しさ”を感じます。では次に、「成人大人」のイメージってどうですか?
理性がある人、ですかね。
その通りです!合理的で、感情ではなく理性で判断する。つまり“客観性”がキーワードになります。そして最後が“子ども”。よく「フリーチャイルド(自由な子ども)」という言葉を聞いたことがあると思いますが、自由な子どもってどんなイメージですか?
周りを気にせず、自分の意見をまっすぐ言うタイプですかね。
そうですね。素直に感情を表現して、やりたいことを優先するタイプです。一方で、周りの様子を見ながら自分を少し合わせる“順応的な子ども(アダプティッド・チャイルド)”というタイプもいます。このように、「親」「大人」「子ども」それぞれがさらに細かく分かれて、合計5つの自我状態から傾向を分析するのがTA分析なんです。
面白いですね!
5つの自我で読み解く!あなたの中の“親・大人・子ども”バランス診断
面白いですよね。こちらに、私とMichieさんが事前に受けた診断の結果を、グラフで比較してみました。Michieさんの結果を見てみると、「大人のA(Adult)」が一番高くて、その次に「AC(順応的な子ども)」と「NP(養育的な親)」が高いですね。説明を聞いた上で、なにか気づくことはありますか?

そうですね。今の仕事がサポート業務なので、周りに合わせる意識が強く出たのかなと思います。個人的にはもう少しFC(自由な子ども)が高いと思っていたんですけど…。
そうですよね(笑)。私も、MichieさんのACの高さを見て「意外!」って思ってしまい、結果をいただいたときにすぐ反応してしまいました(笑)。
そうでしたね(笑)。すぐメッセージが来ましたもんね。
そうそう(笑)。でもNPが高いのはすごく納得でした。仕事中も、後輩をあたたかく見守っていたり、迷っている人がいたら優しく導いていたり。まさに“育てる親”の要素が強いなと思っていました。ACの高さは、きっと今の環境の影響もあるんでしょうね。
そうかもしれませんね、確かに。
では、逆に先ほどの説明を聞いて、私のTA分析の結果をご覧になってどのように思われましたか?
いや~やっぱり…責任感のある“大人”っていう印象がすごく出ていますよね。
どの部分でそう感じました?
CP(批判的な親)の数値が高いですよね。
そうそう、厳しそうですよね(笑)。
厳しさと合理的の両方が強くて、まさに「責任感のある大人」って感じがします。
合理的ですよね。自分でも“効率重視”タイプだと思います。でも、以前はもっとFC(自由な子ども)が高かったと思うんです。あと、NP(養育的な親)ももう少し高かったはず・・・。唯一、今も変わらないのはAC(順応的な子ども)がぐっと低いことです(笑)。
低すぎません?
本当に(笑)。でもこれだけは、年を重ねても全く変わらないんですよ。そこがまた面白いですよね。
なんか清澤さんらしい結果ですね。
そうなんですよね。では、ここからそれぞれの項目について少し解説していきますね。
はい。

先ほどの5つの自我には、それぞれ長所と短所があります。どれかが高いから良い、どれかが低いから悪い、というわけではなくて、高いことで長所が発揮される一方、短所として現れることもあるんですね。だからこそ、自分の言動を意識して、長所をうまく活かすことが大切といえます。
なるほど。
まずはCP(批判的な親)が高い方。こちらは父性的な要素が強く、リーダーシップや責任感があるのが特徴です。ただし、その強さが行き過ぎると、周りから“威圧的”“支配的”と感じられてしまうこともあります。私自身、研修の仕事をしている中で、すごく両極の感想をいただくんです。「すごく楽しい!」と言ってくださる受講生さんも多い一方で、たまに「少し威圧的に感じた」という感想をいただくこともあって。そういう時は、CPの短所が“強く出すぎた”のかなと反省します。逆に、CPが低い方は、なかなか決断できなかったり、行動が曖昧になったりしがちです。もし生活や仕事の中で支障を感じるようであれば、少しずつ意識して行動を変えていくと良いですね。
はい。
そして次はNP(養育的な親)。MichieさんはこのNPが高かったですよね。やっぱりお子さんを2人育てていらっしゃるので、親切で優しくて、褒め上手な面があると思います。とはいえ、Michieさん、「褒めるの苦手」って言っていましたよね(笑)。
はい。褒めるのは苦手です。子育てでもそこが難しいところです。
そうなのですね。でも、後輩の指導を見ていると、私は“親切で優しい”という印象を強く持っていましたよ。人を育てる力があるなぁと感じていました。ただ、一般的にNPが高い人の短所としては、優柔不断・過保護・おせっかいといった傾向も出やすいです。でもMichieさんの場合、それはあまり感じませんね。
優柔不断とか過保護っていう感じはあんまりないかもしれません。
そうですよね。過保護でもないですもんね。
Michieさんは上手にこのNP(養育的な親)の短所が出ないように、バランスを取っているということですね。ちなみに、NPが低い方は、少し“冷たく感じられたり”“配慮が欠けている”ように思われるので、相手に関心を向けるように意識すると良いです。では次に、A(大人の自我)について。Michieさんも私もAが高いタイプですよね。このタイプは、論理的で情報分析が得意。冷静に物事を判断できるのが強みです。ただし、短所としては「冷たい」「理屈っぽい」「融通がきかない」と思われてしまうこともあります。Michieさん、ご自身ではどう感じますか?
理屈っぽい感じは、あまりしないような気がしますね。
そうですよね。ということは、MichieさんはこのAの短所があまり表に出ていないタイプかもしれませんね。
そうかもしれないです。
一方、Aが低い方はどちらかというと無計画、もしくは成り行き任せになってしまう傾向があります。もし仕事や生活の中で支障がある場合は、フレームワークを活用して、論理的に考える習慣をつけていくと良いですね。
そうですね。若い頃はAが低かった気がします。でも、年齢を重ねて仕事の経験を積むうちに、やっぱり論理的でなきゃとか、冷静に判断しなきゃとか、計画を立てなきゃという意識が自然と高まってきたので、今回の結果になっていると思いました。
それはすごく分かります。私も同じです。商品企画などの仕事をしていた時期は、常に情報を分析して論理的に考えることが求められていたので、自然と“考え方のクセ”として身についた気がします。貴重な意見をありがとうございます。では、次はFC(自由な子ども)についてです。Michieさんは以前、このFCが高かったように思います。FCが高い人の長所は、明るくて創造的、自発的。一方で、短所としては“自分本位”や“お調子者”といった面が出やすいとも言われます。どうですか? 思い当たるところ、ありますか?
ありますね(笑)。そういうところ、やっぱりあります。
本当ですか?
年齢を重ねるにつれて少なくはなってきたけど、心の奥底にはやっぱりそういう部分があると思います。性格的に。
なるほど(笑)。前回の診断でも出ていましたが、やっぱりMichieさんは今でもFCが少し高い傾向があるのかもしれませんね。
そうですね、そう思います。
そして最後は AC(順応的な子ども) です。ACが高い人の長所は、協調性があり、協力的で、周りに気配りができること。一方で、短所としては依存的に見えたり、すぐ妥協してしまうと思われることもあります。いかがですか?
そうですね。ちょっと“他力本願”になりがちなところはあるかもしれません。
ありがとうございます。今、5つの自我それぞれの長所と短所をお伝えしましたが、Michieさん自身のグラフを見てみて、「ここをもう少し高めたいな」と感じる部分はありますか?
「強み」も「弱み」も味方にするスタイル別の活かし方と伸ばし方
そうですね。私はCPが少し低いので、そこはもう少し高めた方がいいかなと思いました。
なるほど。そう思われたきっかけはありますか?
うーん…そうですね。ちょっと“無責任”な部分があるんですよね。仕事でも。
なるほど、少し“流してしまう”感じ?
そうなんです。「これ、ちょっとおかしいかも」と思っても、「前の人から言われた通りにやってるし、私の考えじゃないし…」と、そのまま続けてしまうことがあるんです。でも本来は、自分の考えや責任をもって判断・行動しなきゃいけないのに、それを怠っているなと感じるときがあります。
本当は“より良くしていく”方向に動くのが理想だけど、今のポジション的に「流しておいても大丈夫かな」と判断している部分もあるんですね。
そうですね、まさにそんな感じです。
ありがとうございます。きっとACが高いので、周囲に合わせる判断をされているのかもしれませんね。
そうかもしれないです。
それぞれ、このTA分析では「高いところ」もあれば「低いところ」も出てきます。中間のバランス型の人もいますし、すべての数値が低めに出ること、逆に高めに出ることもあるんですよ。その5つの数値の出方には全て意味があるんです。大事なのは、“今の自分の仕事”の中で、どこを強化していくとより良くなるかを意識することです。今回は、“低い自我”を強化する方法をご紹介しますね。
はい。

CP(批判的な親)を強化するには「私は〇〇だと思う」と、自分の意見をはっきり伝える。目標を設定し、その目標に向けた行動計画を立てて実行する。自分で決めたことは、最後まで責任をもってやり遂げる。Michieさん、これって普段からできているようにも思いますが、いかがですか?
うーん、今はあまりできていないですね。
なるほど。やっぱり“職場環境の影響”もありますか?
そうかもしれないです。
ありがとうございます。次にNP(養育的な親)を強化するときには、相手の良いところを見つけて“褒める練習”をすること。そして、相手の気持ちや感情に共感して、思いやりのある行動をとることが大切です。さらに、「アイ・メッセージ(Iメッセージ)」で伝えることもポイントです。ここは、これまでお話ししてきた“承認”や“褒める”というテーマとつながっていますね。日常の中でそれを意識的に練習していけば、自然とNPが強化されていきます。
はい。
続いて、A(大人の自我)を強化する方法について。まずは、伝えたいことや考えていることを“文章にしてみる”のがおすすめです。私も研修をしていてよく相談をうけるのが、上司や店長の皆さまからは、「部下や後輩が、何を言いたいのか分からない」です。一方で、部下側の方ももちろんですが、新任のマネジメント側の方からも、「どう伝えたらいいのか分からない」という悩みもよく聴きます。それって本当にもったいないんですよね。
そうですよね。
そうした状態では、物事を整理して考えられないので、冷静にかつ正しく判断できないです。ですから、“PREP法”や“SDS法”といった話の構成フレームワークを活用して、伝え方の練習をするだけでも論理性を強化することができます。また、販売職などであれば、売上データをいろんな角度から分析してみるだけでも、論理的思考力=Aの部分を育てるトレーニングになりますよ。先日、マーケティング研修で、マーケティングフレームをお伝えしましたが、多くの店長が分析に活用できると仰っていました。分析する視点を持つことは本当に大切だと思います。
次はFC(自由な子ども)を強化する方法です。このあたりはなんとなくイメージがつきますか? Michieさん。
うーん、何をすればいいんでしょう?趣味の時間を増やすとか…そういうことじゃないですか?
まさにその通りです!たとえば、FC(自由な子ども)を強化するには、“楽しいことを増やす”とか、“周りの人にも喜んでもらえる時間を作る”といったことが大切です。もともと「こうしなければ」と考えがちな方ほど、あえて自分のアイデアを発信する機会を増やすといいですね。「これ言っちゃいけないかな」「自由な発想は控えたほうがいいかな」と抑えている気持ちを、少しずつ外に出していくことでFCが強化されます。
なるほど。
では、AC(順応的な子ども)を強化するにはどうするか。これは私自身にも当てはまりますが、“自分が話すより相手の話を聴く時間を増やす”こと、そして“チームで作業する時間を意識的に増やす”ことがポイントです。私は今フリーランスなので、こうしてMichieさんと対談する時間そのものが、ACを鍛える良い機会になっているのかもしれません。
お役に立てて光栄です。
ありがとうございます。なんとなく、ここまでの「それぞれを強化する」ポイントは、イメージできましたか?
うーん、結構強化するのって難しそうですね。なかなか…。
そうですよね。まずは“自分の無意識のクセ”に気づかないと、強化するステップには進めないですからね。
本当にそうですね。意識しないと難しいと思います。
診断して終わりじゃない!スタイル別コミュニケーション実践法
ですよね。では最後に、研修先でもよくいただく質問を一つ。「このTA分析を受けていない部下や後輩を、どうやってマネジメントすればいいですか?」というものです。つまり、“診断していない方のスタイルをどのように見極めるか”ということです。Michieさんは、以前マネジメントをされていたとき、「この人、CP高いな」「この人、NP強いな」と感じたことってありますか?
そうですね…。今回は、5つの要素それぞれの強弱ですもんね。前回の“4タイプ分類”のときはプロットできてイメージしやすかったけど、今回は少し頭を切り替えないと難しいですね。
意外と、それぞれの要素が強く出ている方って、言葉や態度に特徴が表れるんですよ。たとえば、CPが強い方やNPが極端に強い方などは、会話の中でもはっきりわかります。少し解説していきますね。こちらのシートをご覧ください。まず、CP(批判的な親)が強い方の特徴。「〜すべき」「〜しなければならない」といった、断定的な言葉を使うことが多いです。また、行動としては、眉間にシワを寄せて厳しい表情で話すことも。…あ、そういえば、昔Michieさんに、私も言われたことがあったかもしれません(笑)。

えっ、本当ですか(笑)。
はい(笑)。こうした無意識の言動の特徴を見かけたら、「あ、この人はCPが強いんだな」と察して、自尊心を傷つけないように対応してあげることが大切です。たとえば、まず相手の話をしっかり聴いたうえで、納得感を持ってもらえるように論理的に説明する。そんな対応が効果的です。では次にNP(養育的な親)が強い方です。MichieさんもNPが高いですが、思い当たることありますか?例えば、「〜してあげる」とか「その気持ち、よくわかりますよ」という言葉、よく使っていませんか?
そうですね。「〜してあげる」とか、言っていたかもしれません。
それに、NPが高い方は目配り・気配りができるので、つい“世話を焼きがち”なんですよね。
あぁ、それはあります。気になっちゃうタイプです。
そうですよね。こういう方は、“世話を焼く=相手のために動く”ことが多い分、「自分の話も聴いてもらいたい」という気持ちを持っていることが多いです。だからこそ、こちらが“しっかり耳を傾けてあげる”ことが大事ですね。
はい。
では次に、A(大人の自我)が強い方。このスタイルの方は、話す内容がとても論理的で、例えば5W3Hを自然に使って話しています。頭の中が整理されているので、無意識的に、フレームワークを活用して物事を考えているといえます。冷静で理屈っぽく感じることもありますが、筋道を立てて話すのが得意ですね。こうした方と話すときは、論理的に、構造立てて話すことを意識するとスムーズです。逆に、「たぶん」とか「一応」といった曖昧な言葉は避けた方がいいですね。Michieさん、こういう方は身近にいます?
います!
なんとなく納得できます?
納得できますね。実際に「5W3Hで説明して」って言われたことがあります。
えっ、直接言われたんですか?
はい、直接言われました。
じゃあそのとき、Michieさんは、前回お話した“感覚派”の状態で話していたんですね。
そういうことですね。
なるほど、いい事例ですね。ありがとうございます。では次に、FC(自由な子ども)です。このスタイルの方は、「わー!」「きゃー!」といった感情表現が豊かで、よく笑い、素直に甘えるような一面があります。とても明るくノリが良くて、オープンな会話が得意。ただし、楽しい雰囲気のまま話が流れがちなので、「ここぞ」という場面ではしっかり伝えることが大切です。相手のテンションに合わせながらも、けじめを意識して関わるのがポイントですね。
よくわかります(笑)。
そして最後が、AC(順応的な子ども)。このスタイルの方は、相手にお伺いを立てるような話し方をします。「~してもいいですか?」とか、「すみません、今はできません」といった、控えめな言葉が多いのが特徴です。遠慮がちで、相手の顔色を見ながら話を進める傾向があります。こうした部下や後輩に対しては、じっくり話を聴く姿勢が大切です。また、「嫌」と言いづらい方なので、相手の反応をよく観察しながら、言葉を選んで伝えることがポイントです。無理に押しつけるような指導は避けましょう。最後に「対応法」についても触れましたが、いかがでしたか? Michieさん。
はい、対応法が本当に大事だなと思いました。私はNPとFCが高いので、同じNPとFCの方への対応はすごく腑に落ちますし、すぐできそうだと思いました。でも、それ以外のスタイル、特にA(大人の自我)みたいに“5W3Hで整理する”方への対応は、まだもう少し練習が必要だなと感じました。
なるほど。つまり、このグラフで表れているように、もともと高い部分もあれば、経験によって後天的に高くなっている部分もある。特にAのような要素は、練習を通じて対応力を上げていく必要がある、という気づきがあったということですね。素晴らしいですね。ありがとうございます。
でも、たとえばAの方に対してFC的なノリで接したら、それは完全に逆効果ですよね。そういう対応は絶対にしないように気をつけないと。
そうそう! まさにそこなんです。分析だけしても、“どのように対応するか”がわかっていないと、実際の行動に落とし込めませんからね。間違った対応をしてしまうと関係性を崩すこともあるので、本当に「対応法」は大切だと思います。
本当にそうですね。勉強になりました。
ありがとうございます。今回は、“5つの自我”のそれぞれ単独の特徴を見てきましたが、このTA分析では、“5つの自我”の点数をつなげるとグラフの形が表れます。その形からも、その方の傾向がわかるんですよ。Michieさんの場合、グラフが比較的まっすぐですよね。
はい、そうですね。
この“一直線タイプ”の方は、バランスよく物事を捉え、安定したコミュニケーションができる方です。もし機会があれば、TA分析の書籍などを参考にしながら、自分や周囲のタイプを見比べてみるのもおすすめですよ。
奥深いですね。
本当に奥深いですよね。自己分析や他者分析を通して、やっぱり表面的な部分だけではコミュニケーションできないんだ、ということを知っていただけたら嬉しいです。Michieさん、今回もお付き合いいただきありがとうございました。
こちらこそ、ありがとうございました。
<対談のまとめ>

最後に
今回、idealのサポーターであるMichieさんと『どうしてる!?さらなる “自己理解と他者理解”』というテーマでお話ししました。今回は、これまでの内容からもう一歩踏み込んで“自己&他者を理解”をしていただくために「TA分析」をご紹介しました。いかがでしたでしょうか?私が研修を実施する際、クライアント様のそれぞれのニーズに合わせて選んだ診断シートを活用させていただきますが、受講された皆さまからの反応としては、やはりTA分析がいちばんご自身のことを深く理解いただけるようです。25年前の私自身の感動を、受講生の多くの方も感じてくださって、本当に嬉しいです。
一方で、9月から複数の「スタイル診断」をご紹介させていただいたので、読者の皆さまの中には、どの「スタイル診断」を使えばいいの?と疑問に思う方も多いかもしれません。選ぶポイントは、自社の課題がどこにあるかです。上司・部下のコミュニケーションに課題があり、管理者の育成を目指すなら「NLP式コミュニケーション診断」を。組織全体のコミュニケーションに課題があり、組織力の向上を目指すなら「DiSC®診断」や「コミュニケーションスタイル診断」、社員・管理者の行動変革が課題なら、根本的に自己理解ができないと変革できないので、より自己分析がしやすい「TA分析」をおすすめしたいです。


また、今回、ご紹介したもの以外にも、他の研修会社様も多くの「スタイル診断」を作成されています。いずれの診断も、自分自身では気づかなかったことを「見える化」できるので、どんどん活用いただくと良いかもしれません。
来年の「キレイのプロ」も、皆さまからいただくご質問をピックアップして、「どうしている!?こんなときシリーズ」として、Michieさんと一緒に日常の中にあるモヤモヤを解決していきたいと思います。
2025年も大変お世話になりました。皆さまにとって、2026年がさらに笑顔あふれる1年となりますこと心より願っております。ともに良い1年にしていきましょう!!
idealは美容業界・ファッション業界の企業様、エステサロンの皆様の“愛されブランドづくり”のために、今後もMichieさんの協力を得ながら、ブランディングサポートを提供していきたいと考えています。“愛されブランドづくり”に関するご相談、ご質問があれば、ぜひ下記よりお問合せ下さい。
