こんにちは。ideal きよさわです。
Beauty marketing対談では、ideal のパートナーである“キレイのプロ”をお招きして
ビューティー業界のお仕事内容や愛されブランドづくりの秘訣をご紹介します。
今月の “キレイのプロ”は、アパレルプランナーとして活躍されているSA-Planning 松尾 早苗さんです。
松尾さんは、長年、大手アパレル会社でパタンナーとして一枚の布から洋服を作る現場で実務経験を積んだ後、デザイナー職に転向し、パターンとデザインを兼任されてきた異色のキャリアをお持ちの方です。現在は、制服やアパレルをつくりたいというお客様の想いを、企画から製造までをワンストップでカタチにするプランナーのお仕事をされています。デザインとパターンの両方がわかるからこそ知り得る「制服づくりで大切なこと」についてお話を伺いました。
「オリジナルの制服づくりについて知りたい」「ブランドの想い、拘りを制服やアパレルに反映したい」「アパレルプランナーの仕事を知りたい」という方に、ぜひご覧いただきたい内容です。
目次
コラボ対談者(登場人物)
ideal 清澤美子(きよさわ)。
“愛されブランドづくり”のための商品企画、その商品を販売するスタッフ育成のコンサルティングを行なっています。「喜ばれることに喜びを…そしてその先へ」をモットーにしています。ホームページはこちら。Instagramはこちら。
SA-Planning プランナー 松尾早苗さん。
お客様のアパレル・制服をつくりたいという想いを…
企画・デザイン・パターン作成・縫製までノンストップで製品化するプランニング会社でプランナーをしています。Instagramはこちら。
アパレル業界でプランナーをしている松尾さんとの対談内容
アパレルプランナーの松尾さんとの対談内容を記事にまとめました。
お客様の想いをカタチにする制服・アパレルづくり
今回のゲストはidealのパートナーでもあり、化粧品ブランドの制服をいつもお願いしている SA -Planningの松尾さんをお迎えいたしました。自己紹介をお願いいたします。
松尾早苗と申します。今回はこのような機会をいただき、ありがとうございます。
制服やアパレルを作りたいというお客様の意向を、企画・デザイン・パターン作成・縫製までノンストップで製品化する会社でプランナーをしています。お客様の想いをカタチにする仕事をしています。
松尾さん、ありがとうございます^^
私が化粧品会社に勤めていたときは私の想いを商品化していただきました。また、私のクライアント様の化粧品ブランドの制服を作るときは、それぞれのブランドの想いをカタチにしてくださっていましたね。ありがとうございます。
こちらこそいつもありがとうございます^^
パタンナーとデザイナーを兼任する異色のキャリア!
まずは松尾さんのキャリアを教えていただけますか?
服飾の専門学校を卒業後、パタンナーとして就職しました。一枚の布から洋服が出来上がるまでの実務経験7年を積みました。その後デザイン職に転向し、デザイナーを20年ほど経験しました。途中からデザインとパターンを兼ねてプランナーとして、ブランドの想いを製品化するものづくりの仕事をしています。
あらためて伺うと、すごいキャリアをお持ちですね^^
確かに、出会った頃はパタンナーさんでしたね!
はい、初めはそうでした^^
パターンがわかるデザイナーさんってそうそういないと思うんですが、いかがですか?
仰る通りで、アパレル業界はたいてい分業制になっているんです。企画、生産、パターンナー、デザイナー、最後に生産・製造みたいなカタチで、細分化されているんです。厳密にはもっと細かく作業は分かれているんですけども…。
そうですよね。本当に細分化されていますよね。
以前の会社が企画から製造まで一貫した会社だったんです。部署もこじんまりしていたので、最初から最後までものづくりに携わる機会が多かったことと、あとは自分自身、仕事の流れや次の仕事がどうなるのかすごく興味があったので、自分で関わる領域をどんどん広げていったことが、今の仕事に繋がっているのかなと思います。
なるほど、そういった経緯で今に至るのですね!
はい、そうなんです。
私がアパレル開発に携わっていた時は、本当にあらゆることを松尾さんに相談させていただきましたものね。
SA-Planningさんはその強みを活かして、ノンストップでものづくりができる会社さんなんですね。
はい、そうです^^
私のように化粧品業界の方々の制服をお願いする方もいらっしゃるとは思うんですが、他にはどのようなお客様がいらっしゃるんですか?
アパレルメーカーの方はもちろんですが、異業種の方でオリジナルの制服やアパレルを作りたいという方々からのご依頼が多いです。
そうなんですね!
具体的にどのような業種の方をサポートしていらっしゃるんですか?
医療関係の白衣やスクラブといわれる手術着、美容室でのオリジナルのTシャツづくりなど、サポートさせていただきました。
業種を超えて、企業から個人事業主の方まで幅広く対応されているんですね。一貫性のあるプランニング会社だからできることですね^^
完全オリジナルで制服やアパレル製品をつくれる強みは〇〇!
現在どのようなことを大切にしながら制作に携わっていらっしゃるんですか?
お客様の持つイメージや、ブランドイメージを大切にしています。
お客様は出来上がったものを買うのではなくて、1からオリジナルで作りたいという想いをお持ちなので、ブランドイメージをデザインに落とし込むことはもちろんですが、職種に合わせた機能性を兼ね揃えたデザインを意識して作っています。
以前一緒にお仕事させていただいた際もそうでしたね。ブランドの担当者の方と現場のスタッフの両方の想いをしっかり汲み取ってくださっていたと感じました。
あの時、ブランドの担当者の方はブランドイメージを大切にしたデザインを求めていましたが、店頭に立つスタッフからは実際に着た時の機能性をすごく要求されましたよね。
そうですね。
ブランドイメージを大切にすることはもちろん、現場の方々が働きやすいように機能性を追求した仕様を組み込むことは本当に大切だと思います。普段の作業でどういう動きをするのか、オリジナルのペンを入れるにはどういうポケットがいいのかなど細かく調整していきます。
お客様が店舗で扱っている商品によって動作や稼働域も変わってきますもんね。
はい。まさにそうですね。
制服のカタログもたくさんありますが、デザイン的にも機能的にも満足できる制服には、なかなか出会えないので、お客様がイメージした商品を提案できることは、すごく強みだと思います。
ありがとうございます^^
通常のアパレル制作も並行して手がけていらっしゃいますが、アパレルと制服ではやっぱりものづくりの考え方やステップは違うんですか?
はい、違いますね。
最も異なる点を教えていただけますか?
素材選びです。
制服の場合は継続性が必要なので追加注文に対応できる色や素材を意識して選びます。またベーシックな素材でも、アパレルに近いニュアンスのある素材選びが重要になってきます。リニューアルの場合は、前に作ったものと新しいものが同じ印象になるように気を付けていますね。
特に今は、市場で販売されているアパレルも素材ありきですが、制服だとより重要な要素かつ、制約のある要素ですね。SA-Planningさんはどうやってその生地を確保されているんですか?
普段から大手生地メーカーと直接の取引をしているので、最新情報や売れ筋情報を掴むことができています。
安定したロングランの素材は長期にわたって使用する際、使い勝手もいいので、そういう生地を選ぶこともできます。なのでお客様の要望に合わせて素材をデリバリーできることは強みだと思っています^^
大手生地メーカーときっちりとパイプを作っているからこそですね。生地のデリバリーで安心できることは、制服づくりにおいて大きな強みだと思います^^
そうですよね。
アパレルメーカー時代に感じましたが、生地を選ばないデザイナーもいるんです。「この生地を使います」というのをMD(マーチャンダイザー)が決めてしまって、それを使って作るというところも多いんですね。
そうなんですね。
展示会には出向かなくて用意されたもので作るということも多いんですけど、私たちは以前から生地の手触りや色を直接体感する経験が多かったんです。この経験は今に活きていますね。
以前私も生地屋さんの展示会に何度も同行させていただきましたが、やっぱり触ると全然違いますよね!
インスピレーションが広がりますよね。
全然違いますよね^^
確か、以前、コストを抑えなくてはならない時に海外工場での生産や生地の手配をしていただきましたが、今も海外工場とはお付き合いはあるんですか?
はい。長年お付き合いしている工場さんは、中国・ベトナム・フィリピンにあります。日本の有名ブランドも取り扱っている工場さんなので、縫製レベルも高いです。素材は、中国・ベトナム・韓国・フランスなどのヨーロッパ素材も調達できます。ですから、日本の素材を海外素材に置き換えて海外生産ができるんですよ。
すごいですね!
制服を作りたいという企業様にとって、コストメリットが出せる体制は、非常に魅力的だと思います。
<製品化の工程>
制作したアパレル製品がつなぐワクワクのスパイラル
SA-Planningさんは、すごくたくさんの強みを持ってらっしゃいますが、お客様の反応はいかがですか?
そうですね。私がイメージしたものとお客様の希望されるもののイメージのすり合わせをきっちりしているので、デザインの反応はとてもいいと感じます。
松尾さんは素材からしっかりと選んでいて、その素材に合ったデザインを何パターンも提案してくださるので、イメージのバリエーションを掴みやすいです。私も実際に一緒にお仕事をさせていただいて、すごく助かりました!
ありがとうございます。
実際にアパレル製品を作った後にはクライアント様からの感想や情報は入ってきますか?
そういうお声もいただきます。特に、私たちが作った服の影響で売り上げが上がったというお声を聞くと、とても励みになります。
クライアントの皆さんも、ご自身がイメージしていたことや、新しい発想が取り入れられていると気持ちがワクワクするようです。そのようなお声を直に聴くと本当に嬉しいです。
そうですよね。
そういえば以前制服を作った後に、ブランド担当者の方はもちろん美容部員の方にも集まっていただいて、ヒアリングしましたね。ご提案した制服を本当に嬉しそうに選んでくださっていたのが印象的でした。皆さんがワクワクされているのが伝わりましたね^^
スタッフの皆さんがワクワクされているからこそ、その先のお客様にも喜んでいただけるんでしょうね。
クライアント様と自分自身が共感し合うことができていれば、その先の制服を着る美容部員の方や店舗にいらっしゃるお客様が喜んでいただけるのかなと思っています。
私も美容部員や販売スタッフの方々を教育していく中で、まさしくそれを感じます。販売する私たちも商品に共感すればするほど、お客様にもそのワクワク感を届けられるんですよね。そうするとお買い物にいらしたお客様もワクワクしてくださるので、ご購入につながるのだと思います。
本当ですね。
アパレル関係の仕事って思った以上にすごく苦労の多い仕事だと思うんですが、ご自身がデザインした服を着ている方を見た瞬間、どんな気持ちになりますか?
本当に過去の苦労がゼロになって、ワクワクした気持ちを私もいただくことができます^^
実際に自分がお客様として店頭に足を運ぶこともありますが、そこで着てらっしゃるところを見ると嬉しいですね。また電車などで自分のデザインしたものを着ている方とすれ違うと、すごく嬉しいですね^^
本当ですよね、ワクワクのスパイラルですよね^^私も仕事をしていて、まさにいつもそれを感じます。
“お客様の想いを共有し、カタチにして繫ぐ”でアパレル業界を元気に!
今回お話を伺って、クライアント様の頭の中にあるモヤッとしたイメージをクリアにしてカタチにするお仕事をされていると思いました。しかも今までの経験を基に、デザイン面と機能面の両面を兼ね備えたものづくりですよね!今後はどのようなお仕事をしていきたいですか?
アパレルに留まらず、クライアント様のニーズに合ったものを製品化する仕事をしていきたいです。クライアント様からのご依頼は、最初は、ふわっとしたイメージなんです。そのイメージを一致させ、カタチにしていくために様々な領域の情報収集をしています。
様々な領域の情報ですか?
はい。例えば、パリ、カナダ、ロンドンなどの海外情報や美術や音楽、お花などファッション以外の情報です。
なるほど。ファッション以外の情報が、デザインソースになっているんですね。
はい。プランナーの仕事をする上で、とても役に立っています。そして、クライアント様の想いをカタチにしていくために様々な方が製造工程で協力してくれています。生地屋さん、パタンナーさんや、縫製工場の方など…皆さんと一緒にクライアント様の想いを共有してアイディアを出し合えれば、その先のお客様にも最高の商品が届けられるんじゃないかなと思っています。
アパレル業界は、SPA(製造小売業)が広がる中で、とにかくスピーディなものづくりが求めれてきたから、ものづくりに関わる全ての方とクライアント様の想いを共有し合う時間は少なくなっていたかもしれませんね。
そうなんです。だからこそものづくりに関わる全ての方と一緒にクライアント様の想いを、カタチにすることができれば、アパレル業界がもっと素敵なものに広がっていくんじゃないかなと思っています。
今アパレル業界は少し弱っているからこそ「想いを共有して、カタチにしてその先のお客様に繋げる」という考えは、本当に素敵ですね!そして、ものづくりに関わる全ての方々の想いやアイディアが詰まった製品は、絶対、クライアント様にも、その先のお客様にも喜んでいただけると思います!
ありがとうございます^^
私も以前はアパレル業界に携わっていたので、もっともっとアパレル業界が元気になってくれるといいなと思っています。また一緒にワクワクのスパイラルを作っていけたらと思います。松尾さん、本日はありがとうございました!
ありがとうございました!
<対談まとめ>
<対談の様子>
最後に
今回、アパレル業界でプランナーをされている松尾さんに、“制服・アパレル製品を通して想いをカタチにする大切さ”について伺いました。
ブランド担当者の言葉の背景にある想いを引き出し、理解して、初めてその想いに合ったノウハウの提供ができます。そして実際にブランド担当者の想いがカタチになった制服は、担当者や美容部員、販売スタッフなどブランド側の方々はもちろん、その先のお客様をもワクワクさせる力があります。
松尾さんのお話しを伺って、“ものづくりの大切な想い”を再確認させていただきました。
松尾さん、ありがとうございました。
idealは美容業界・ファッション業界の企業様、エステサロンの皆様の“愛されブランドづくり”のために、今後も松尾さんの協力を得ながら、ブランディングサポートを提供していきたいと考えています。“愛されブランドづくり”に関するご相談、ご質問があれば、ぜひこちらよりお問合せ下さい。