こんにちは。ideal きよさわです。
前回は、「ニーズの聴き出しをするために、どのような質問をすればいいかわからない…」というお悩み解決のために…
お客様との会話を広げ、お客様のニーズや情報を聴き出すための方法を、idealのサポーターであるMichieさんとお話しをしました。
「ニーズの聴き出し」のステップが、実は、お客様を理解するだけでなく、お客様との関係を深めるためにとても重要なステップであることを理解いただけたと思います。
そして!
今回、「キレイのプロ」でご紹介するのは…
その「ニーズの聴き出し」のステップで得たお客様の情報や要望を活用して、お客様に寄り添い、お客様の“購入したい”という気持ちをあげる商品やサービスの提案方法です。
テーマは、「お客様の購買意欲をあげる”パーソナライズ提案”」です。
本記事では、「愛されブランドづくりのための販売心理学講座 #5」動画の一部を活用しながら、「超アクティブリスニング」で収集したお客様情報を活用し、よりお客様お一人お一人に合った商品提案や説明を行う方法をご紹介します。
対談相手は、前回に引き続き idealのサポーターであるMichieさんです。
目次
コラボ対談者(登場人物)
ideal 清澤美子(きよさわ)。
“愛されブランドづくり”のための商品企画、その商品を販売するスタッフ育成のコンサルティングを行なっています。「喜ばれることに喜びを…そしてその先へ」をモットーにしています。ホームページはこちら。Instagramはこちら。
ideal Michieさん
大学卒業後、化粧品会社に入社。ヘルス&ビューティー、ファッションの企画業務に25年携わる。特にファッションではオリジナルブランドの立ち上げ、イベントの企画運営、スタッフ教育など、幅広い仕事に従事。モットーは、“商品企画も販売も、お客様視点”。お客様心理をつかむことが愛されブランドへの近道と思っています。
愛されブランドづくりのための販売心理学講座 #5<テキスト版>
「愛されブランドづくりのための販売心理学講座 #5」の動画から抜粋したテキスト版をご紹介します。
こんにちは、ブランディングコンサルタントの清澤です。今回の”キレイのプロ”では、「超アクティブリスニング」で収集したお客様情報を活用し、よりお客様お一人お一人に合った商品提案や商品説明を行う方法についてご紹介します。今回お話しする内容は以下の4点です。
Ⅰ.商品提案で”○○”してませんか?
Ⅱ.商品特徴をお客様のためにデザインしよう!
Ⅲ. お客様の購買意欲をあげる”パーソナライズ提案”!
Ⅳ.”パーソナライズ提案”の効果を再確認しよう!
商品提案で”○○”してませんか?
まずは最初に質問です。
最近、商品説明がワンパターンになっているかも…
とお悩みの方はいらっしゃいませんか?
実は、このお悩みは、販売のお仕事をされている多くのスタッフの方からいただきます。
特に、ある程度販売のお仕事を経験してきた方々は、「商品説明がワンパターンになってきた…」と感じる方が少なくないですよね。その原因は、もしかすると日頃勉強している商品説明の内容をすべてお客様に伝えようとしているからかもしれません。しかし、それはブランド側の情報を提供するにとどまっています。言い換えれば、せっかく聴き出したお客様の情報を十分に活用できていないことであり、一方的な提案と言えます。
このようにお伝えすると…
「お客様のために商品特徴を全部お伝えしちゃダメなの?」
「ブランド情報を提供しちゃダメなの?」
と感じる方もいるかもしれませんが、ご安心ください。
収集したお客様情報をうまく活用した提案で、全ての商品特徴を伝えなくても成約率が確実に上る方法があります。大切なのは、お客様情報をフル活用することです。
まずは、商品提案時におけるお客様の心理を確認してみましょう。
お客様は商品提案の場で「ワクワクしたい」という期待を持っています。特に現在は、SNSや情報サイトでしっかりと情報収集をしてから来店される方が多いため、どのような情報を求めているのかを把握しておかないと、ワクワク感を提供することは難しいでしょう。私たちの役割は、ブランド側の商品情報を目の前のお客様用にアレンジしたり、デザインしてから提案することです。そのために、まずは2つの商品特徴の役割を確認していきましょう。
商品特徴をお客様のためにデザインしよう!
最初にお伝えしたいことは、商品特徴には、ブランド側が発信する「ブランドが伝えたい情報」と、お客様が求める「お客様に役立つ情報」の2種類があるということです。具体的に確認していきましょう。
「ブランドが伝えたい情報」とは、売り手や店舗が伝えたい商品やサービスに関する拘りの特徴なので複数あります。一方、「お客様に役立つ情報」は、複数ある「ブランドが伝えたい情報」の中のお客様の目的に合致した情報や知りたいと感じる情報を指します。いわゆるブランド側の商品情報を目の前のお客様向けにデザインした情報のことです。
お客様が欲しい情報=「お客様に役立つ情報」を提案するためには、「ブランドが伝えたい情報」をしっかりと整理しておかないと伝えることができません。まずは、自分たちの商品やブランドに関する情報を整理することから始めましょう。
そして!
「お客様に役立つ情報」を接客時に活用することで、お客様お一人お一人に合ったパーソナルな情報提案となるので、お客様に商品への興味をより一層持っていただけるようになります。
お客様の購買意欲をあげる”パーソナライズ提案”!
それでは、”パーソナライズ提案”の作り方をご紹介します。”パーソナライズ提案”の作り方は簡単です。
まず、お客様から聴き出した情報を復唱し、その後に「お客様に役立つ情報」を伝えていきます。こうすることで、お客様にとって関心の高い情報が提供されるので、購買意欲を高めることができます。
では、これから3つの事例をお伝えします。
まずは、お客様のニーズに合わせた提案の事例です。
<事例A>
「先ほど“ネイビーのスーツに合うものを探している”とおっしゃっていたので、顔映りの良いオフホワイトのインナーは便利かと思います」
次に、お客様の特徴に合わせた提案の事例です。
<事例B>
「お客様はお肌が白くていらっしゃるので、こちらの色はお顔周りを明るくし、華やかな印象がより引き立ちますね」
最後に、お客様との会話で得た、その他の情報に基づいた提案の事例です。
<事例C>
「先ほど“お子さんがまだ小さい”とおっしゃっていたので、ご自宅でお洗濯できるこちらのトップスなら、汚れても安心して着用いただけるかと思います」
“パーソナライズ提案”の作り方、イメージできましたか?
お客様情報を活用した“パーソナライズ提案”を使えば、よりお一人お一人に合った商品提案や情報提供が可能となり、お客様との信頼関係もさらに深まります。
”パーソナライズ提案”の効果を再確認しよう!
“パーソナライズ提案”には2つの効果があります。
まず1つ目は、お客様自身に自分のニーズを再確認していただき、さらに興味を持っていただきやすくなることです。2つ目の効果は、お客様のニーズに合った提案となるため、お客様が否定しにくくなることです。
そのため、皆さんの商品説明や提案には説得力が増し、購入決定率が高くなるのです。
さらに、お客様の納得度を高めるためのプラスαスキルもご紹介します。
“パーソナライズ提案”を伝えた後、次のようなプラスαのトークを試してみてください!
まず1つ目は、お客様に話していただくことです。
次に、同行者の方がいれば、その方を味方につけること、つまり同行者にも質問して感想を聴くことです。さらに、紹介した商品のメリットをプラスして伝えることも効果的です。
そして最後に、現在お客様が使っている商品や悩んでいる商品を聴き出し、その商品をまず褒めてあげてください。その上で、自社商品はお客様のニーズを満たすだけでなく、プラスアルファのメリットもあるという情報を伝えてあげましょう。
“パーソナライズ提案”の作成方法とそのメリットについて、ご理解いただけましたでしょうか。
せっかくお客様から教えていただいた情報なので、最大限に活用していきましょう。
<まとめ>
アフタートーク
Michieさん、お疲れ様です。
お疲れ様です。
今回もよろしくお願いいたします。
はい、よろしくお願いします。
本日は「お客様の購買意欲をあげる”パーソナライズ提案”」というテーマの動画をご覧いただきました。いかがでしたか、Michieさん?
そうですね。やっぱり、お店に行ったときにいろいろと案内されることは多いんですが、なかなか「これだ!」って感じる商品説明って少ないなぁと思います。
最近、そのような体験をされたことがあるんですか?
そうですね、ちょうど今日、急に寒くなったので、コートが欲しいと思って見に行ったんですよ。
本当に急に寒くなりましたよね。
はい。急に必要になったので、いろいろお店を見て回ったんです。私が探していたのは、“この秋にすぐ着られるコート”です。急に寒くなった今の時期にちょうどいいものを、という感じでキーワードを絞って探しに行ったんですが、2つのお店を回ってみて、それぞれのお店の商品説明や提案の仕方がとても特徴的だったんです。
市場調査をしていただいたんですね!今回もありがとうございます!!
1軒目のお店(店舗A)では色々と商品説明をしてくれました。そして、商品そのものはとても良かったんですが、そこには3種類のコートがあって、その説明ばかり終始されちゃったんです。
店舗Aさんの主力商品が、その3種類のコートだったということですか?
そうなんです。一番目立つところに中綿タイプのコートがかかっていて、それが「今から1月くらいまでは着られますよ」という感じで説明されました。でも、私としては「今すぐ着たいコート」が欲しかったので、「これだと今着るには少し暑いかも」と伝えると…
中綿だと、ちょっと「今」というキーワードからズレちゃいますよね。
はい。そう伝えると、別の商品をまた勧めてくれるんですけど、それが私のニーズとはまた違う感じで…。
提案理由があるわけでもないんですね…( ´Д`)y━・~~
そうなんですよ。そうなると、なんだかもう「いいです」って気持ちになっちゃうんです。
スタッフさんにこちら側の選ぶ基準を理解いただけてないなぁって感じちゃったんですね。そうなると、「もういいやっ」という気持ちになりますね。
はい。私は「今着られるコート」を探していたんですが、そこを理解してもらえなかったのかもしれません。「コートを探している」とだけ捉えられちゃったのかな、と。
なるほど。「今着たい」というMichieさんのニーズが、スタッフさんがしっかり捉えきれていなかったのが問題だったのかもしれないですね。
多分、スタッフさんとしては「今も着られるけど冬も使える」っていう視点で提案してくれたんだと思います。それ自体は良い提案ではあるんですが…。
お客様のことを考えた提案だったんでしょうけど、Michieさんには響かなかったということですね。
そうですね。そこに微妙なすれ違いがあったと思います。私が求めていたのは「今着られるコート」だったので、その気持ちが伝わらなかったのかもしれません。
店頭ではちょうどコートの販売が本格化し始めた時期だったので、店舗側としては、日々練習してきたコートの説明をここぞとばかりにMichieさんに全力で伝えた感じなのかもしれませんね。
そうかもしれません。説明は本当に上手でした。
説明自体は上手だったんですね。全力で提案してくれたけれど、Michieさんの心には響かなかったと…。
そうなんです。ちょっと残念でしたね。
残念ながらパーソナライズからズレてしまったんですね。
その通りですね。最初の取っ掛かりが違っていたんだと思います。
なるほど。
もう1軒のお店(店舗B)では、私の「コートが欲しい」というよりも「今着られる」というニーズをしっかり捉えてくれて、今の季節にちょうどいいものを紹介してくれました。今すぐ着るとなると、やはり薄手のものになりますよね。コートというより、ブラウスに近いような、どっちつかずのデザインでした。それはすごく気に入ったんですが、逆に「これって長く着られるのかな?」という不安が出てきたので、その点を聞いてみたんです。
はい。
「これ、すぐに着られなくなっちゃいますよね?」と聞いたら、スタッフの方が着方について色々とアドバイスしてくれて。
たとえば、「ユニクロのインナーダウンみたいなものを中に着れば、長い季節着られますよ」とか、「寒くなったらストールを巻くと快適ですよ」など。そういった説明があったので、「それなら大丈夫かも」と思えましたね。
こちら側の心配事にちゃんと答えてくれると安心できますよね。
そうなんですよ!
それと…「今着られる」という私のニーズに寄り添ってくれたので、会話自体が楽しかったんです。店舗Aでは一方的に説明されるだけでしたが、店舗Bは私の意見をしっかり受け止めてくれて。それがすごく良かったですね。
「今着られる」というMichieさんのこだわりについて、スタッフさんは具体的に聴き出してくれたんですか?
いや、特に深掘りされることはなかったですが…でも…。
深掘りはされなかったけど…何か思い当たることがありますか?
まず私が手に取ったコートが、ちょうどそういうデザインだったんですよね。
じゃあ、スタッフさんが観察して、Michieさんの欲しい思いを察してくれたんですね。
そうだと思います。実際、薄手のキルティングコートと、地の厚いブラウスのようなコートの 2種類を見比べていたんですが、そこで私が欲しいものを察してくれたんだと思います。
最終的にどちらを購入されたんですか?
ブラウス地のコートの方を選びました。キルティングの方は買わなかったです。
じゃあ、そのブラウス地の方を前提に、色々と説明をしてくれたんですね。
そうです。
すごい!そのスタッフさん、お客様への寄り添い力が半端ないですね。
本当に神がかっていました。あんな接客を受けたのは初めてです。
言葉でニーズを聴き出さなくても、Michieさんの行動をしっかり汲み取って、提案してくれたんですね。
そうですね。さらに試着してみたら、そのコートが私に似合っていて。キルティングの方は試着すらしてないけど、多分似合わなかったんだろうなと思います。
店舗Bのスタッフさんは、Michieさんのタイプを見極めて提案してくれたんですね。
そうだと思います。
今回のお話を聞くと、店舗Aのスタッフさんはブランド側のメッセージを一方的に伝える接客で、2軒目の店舗Bのスタッフさんは、Michieさんの要望や情報をしっかり捉えて、必要な情報だけを絞って提案してくださったんですね。しかも、Michieさんに合わせた着こなしアドバイスもあるスペシャルな提案だったように思います。
はい!スペシャルでした!!
まさにパーソナライズ提案ですね。
本当にパーソナライズされていました。これは購入しちゃいますよね。
購入されたんですね。
はい、購入しました^^
そうですね^^現在、私も化粧品会社やファッションブランドさんのお手伝いをしていますが、企業研修ではどうしても商品説明のスキルを鍛えることに集中しがちなんです。だから、店舗Aのスタッフさんのような接客になりやすいんですよね。私たちのいた企業でも、商品特徴についてしか販売スタッフの方々にお伝えしていなかったですよね。
やっぱりお客様とのコミュニケーションが一番大事なんだなって実感しました。
お客様の欲しい情報をタイミングよく提供することが大切ですよね。
ところで一つ質問なんですが、店舗Bのスタッフさんからは商品説明はありましたか?
ほとんどなかったですね。
えっ!!それでも納得されたんですね。
そうなんです。「今着たいならこれが一番おすすめです」というシンプルな提案でした。ただ、襟の立て方やボタンの止め方など、着方についてのアドバイスは最後に少しあって、それがまた良かったんです。
ありがとうございます。まさにそのスタッフさんは、Michieさんの「今着たい」というニーズにしっかり寄り添った提案をしてくれたんですね。素晴らしい事例を共有いただき、ありがとうございました!!
次回は、商品購入の前に必ずお客様がとる行動への対応法について、お話ししたいと思います。次回もよろしくお願いいたします。
はい、よろしくお願いします。
ありがとうございました!
最後に
今回の「キレイのプロ」のテーマは、「お客様の購買意欲をあげる”パーソナライズ提案”」について「愛されブランドづくりのための販売心理学講座 #5」の動画を活用して説明しました。
「愛されブランドづくり」のために、お客様にとって納得感のある商品説明や提案は、必須条件となります。
そのためにお客様心理を理解することはもちろん、お客様が教えてくださった情報を活用することで、現在の皆さんのお悩みが解決しやすくなるのではないでしょうか。
参考にしていただけると幸いです。
“キレイのプロ”を読んでいただいている皆さまからのご質問もお待ちしております。ご質問は、ぜひコチラへ。
idealは美容業界・ファッション業界の企業様、エステサロンの皆様の“愛されブランドづくり”のために、ブランディングサポートをしております。“愛されブランドづくり”に関するご相談、ご質問があれば、ぜひ下記よりお問合せ下さい。
2024年もあっというまの1年でした。皆様、大変お世話になりました。
2025年も「愛されブランド」を目指す多くの方々に活用いただける情報をお伝えできるように、Michieさんと一緒に頑張って参ります。引き続き、よろしくお願いいたします。
2025年も素敵な1年となりますように!良いお年をお迎えください!!