キレイのプロ Beauty Marketing対談(第28回)“愛されブランド”づくりのための販売心理学講座“〜 お客様の心をひらく”グリーティングアプローチ”とは?!〜

第28回“愛されブランド”づくりのための販売心理学講座” アイキャッチ

こんにちは。ideal きよさわです。

前回は、“ファンづくり”のために必要条件となるCS(顧客満足)のメカニズムについて、idealのサポーターであるMichieさんとお話ししました。

前回の対談記事はコチラ!

   ↓

*第27回 : 「お客様満足!お客様感動!どうやって目指せばいいの?!」

リピーターやファンを増やすためには、商品の素晴らしさだけでなく、接客の品質はもちろんブランドとしての在り方が重要です。

そして!

今回、皆さんにもう1つ知っておいていただきたいのは…

お客様への「アプローチ」の重要性です。

実はアプローチは、お客様との関係づくりだけでなく、私たちスタッフ側にとっても非常に重要なステップとなります。

また、業種関係なく、多くのスタッフの方がお悩みを抱えているステップが
まさにこの「アプローチ」なんです。そこで、多くの方のお悩み解決のために…

今回の「キレイのプロ」のテーマは、「お客様の心をひらく”グリーティングアプローチ”とは?!」です。

本記事では、「愛されブランドづくりのための販売心理学講座 #3」動画の一部を活用しながら、“お客様の心をひらくグリーティングアプローチ”のポイントを4つのテーマに分けてお伝えします。

対談相手は、前回に引き続き idealのサポーターであるMichieさんです。

コラボ対談者(登場人物)

ideal 清澤美子(きよさわ)。
“愛されブランドづくり”のための商品企画、その商品を販売するスタッフ育成のコンサルティングを行なっています。「喜ばれることに喜びを…そしてその先へ」をモットーにしています。ホームページはこちらInstagramはこちら

ideal  Michieさん
大学卒業後、化粧品会社に入社。ヘルス&ビューティー、ファッションの企画業務に25年携わる。特にファッションではオリジナルブランドの立ち上げ、イベントの企画運営、スタッフ教育など、幅広い仕事に従事。モットーは、“商品企画も販売も、お客様視点”。お客様心理をつかむことが愛されブランドへの近道と思っています。

愛されブランドづくりのための販売心理学講座 #3<テキスト版>

「愛されブランドづくりのための販売心理学講座 #3」の動画から抜粋したテキスト版をご紹介します。

こんにちは、ブランディングコンサルタントの清澤です。今回の”キレイのプロ”では、“お客様の心をひらくグリーティングアプローチ”のポイントを4つのテーマに分けてお伝えします。

Ⅰ.上手くいく接客と上手くいかない接客の差って何?!
Ⅱ.アプローチの本当の目的は、”〇〇すること”!
Ⅲ. お客様の心をひらく”グリーティングアプローチ”のバリエーション
Ⅳ.”グリーティングアプローチ”を成功させるポイント

上手くいく接客と上手くいかない接客の差って何?!

最初に皆さんに質問です!

最近の接客でうまくいった時とうまくいかなかった時を思い出してみましょう。

それぞれの接客でどのような違いがありましたか?

いかがでしょう。「アプローチ」に関することを書き出した方も少なくないのではないでしょうか。     実は、このアプローチのステップは、お客様にとってだけでなく、私たちスタッフにとっても接客の上でとても重要なステップといえます。

今回は、お客様の心をいち早くひらくための効果的なアプローチ法についてお伝えします。

例えば、お客様にアプローチをした際、こんな経験はありませんか?

「あれっ!お客様に無視されたかも…」
「なんか上手くいかないな…」

逆に

「あっ!このお客様、話しやすい!」
「なんか接客楽しいな!」

第28回“愛されブランド”づくりのための販売心理学講座”2

実は、アプローチが上手くいかないと、自分のペースに乗れません。

そうなんです!

“自分らしい接客”をするために、私たちスタッフにとってアプローチのステップはとても重要なんです!!

では、お客様に無視されやすいアプローチとは、どんなアプローチなのでしょう?
お客様に無視される時…、もしかしたらこんなフレーズが多くなっていませんか?

「なにかお探しですか?」
「お試しいただけますよ! 」
「お伺いいたしましょうか?」

こちらのフレーズは、どの店舗でもよく使われているワンパターンなフレーズです。
このワンパターンなアプローチフレーズほど、 お客様が警戒心を持ちやすくなります!

第28回“愛されブランド”づくりのための販売心理学講座”3

前回お話しした接客ステップにおけるお客様心理を思い出していただくと…

第29回“愛されブランド”づくりのための販売心理学講座”2

アプローチのステップでは、多くのお客様が不安、緊張、警戒心を抱いています。こうした状況だからこそ、お客様は「感じの良い人に接客してほしい」という期待を抱いていると前回お伝えしました。

私たちは、このお客様の期待に応えたいですよね。
では、お客様の警戒心を取り除くためには、どのようにお声かけをすれば良いのでしょうか?

アプローチの本当の目的は、”〇〇すること”!

まずは、アプローチの目的について確認していきましょう。

もしかすると、アプローチで「商品の売り込みをしなきゃ!」と思っている方もいるかもしれません。   その思い込み、払拭しましょう!!
アプローチとは、入店されたお客様の足を止めていただくためのアクションであり、私たちスタッフとの関係づくりのステップです。商品を売り込むためのステップではありません。

第28回“愛されブランド”づくりのための販売心理学講座”5

そうです!
お客様になるべく長く店舗に滞在していただき、店舗や商品に興味を持っていただくためのアクションと捉えましょう。

お客様の心をひらく”グリーティングアプローチ”のバリエーション

では、“お客様が反応しやすいアプローチ”とはどのようなアプローチでしょうか?
私は企業様で研修をする時、「お客様の心をひらくグリーティングアプローチ」と伝えています。      お客様に“歓迎”の気持ちや“出迎え”の挨拶を伝えるようなアプローチです。お客様をお迎えする気持ちが伝わるアプローチができると、お客様とコミュニケーションが展開しやすくなります。

第28回“愛されブランド”づくりのための販売心理学講座”6

さっそく「お客様の心をひらくグリーティングアプローチ」の具体的なフレーズをご紹介しましょう。   私がおすすめしているのは、次の2つの方法です。

まず1つ目は、お客様にリラックスしていただくためのアプローチフレーズです。
ここで重要なのは、商品に関係のないフレーズでも問題ないということです。

これを「会話型アプローチ」と呼び、お客様との自然な会話を通じて、緊張を和らげていく方法です。    例えば…こんなフレーズです。

「お仕事帰りですか?お疲れ様です。」
「今日は暑かったですね。ゆっくり涼んでいってください。」
「素敵なニットですね!今季のモノですか?」

など…
スタッフの方から自分に興味持って質問されたら、なんかついつい話したくなりませんか?これが「会話型アプローチ」です。

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続いて、2つ目のグリーティングアプローチの例をご紹介します。
こちらは、お客様の興味に合わせたアプローチフレーズです。

このアプローチを実践するためには、待機時にお客様をしっかり観察しましょう。お客様がどのようなことに関心を持っているのかが自然とわかるはずです。

その理解をもとに、お客様に共感しながら声をかけることがポイントです。このように、お客様の興味に寄り添ったアプローチができると、さらに心の距離を縮めることができるでしょう。例えば…こんなフレーズです。

「こちらは本日入荷した商品なんですよ!」
「素敵なお色ですよね!今季の注目色なんですよ。」
「サラっとした滑らかな肌触りなんですよ。」

ちょうど良かった。実は聴きたかったんです。
ってお客様は思うと思いませんか? 
ぜひ、この共感型アプローチも活用してみてください。

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これらの2つのアプローチは、お客様が思わず言葉を発してしまうフレーズといえます。お客様と少しでもコミュニケーションを取るきっかけが作れれば、それで十分です。

なぜなら、お客様が何か質問したくなった時には、必ず一度コミュニケーションを取ったあなたに声をかけてくれるからです。

”グリーティングアプローチ”を成功させるポイント

では、“お客様が反応しやすいアプローチ”をするためには、どのようなことをすれば良いのでしょうか?   2つのポイントをご紹介いたします。

まず1つ目のポイントは、お客様の”接客して欲しいサイン”をキャッチしましょう。
研修でよくこんなスタッフの方とお会いします。
「私もそうなんですが、スタッフから声をかけられたくないから、お客様へアプローチはしません」

本当にお客様は、声をかけられたくないのでしょうか?

・ キョロキョロしているとき、スタッフ・商品を探しているとき
・ 1つの商品を長く見ているとき
・ 商品から顔を上げてたとき
・ 店内を一周回って、再度同じ商品に戻ったとき
・ 店内の様子をうかがっているとき、目が合ったとき

これは、接客して欲しいというサインかもしれませんよ。
お客様をしっかり観察して、“お客様のサイン”を的確に受け取りましょう。

続いて、2つ目のポイントです。

待機時は、お客様をリサーチする絶好のチャンスです。お客様は自分にとって関心のある情報をしっかりと見ています。そのため、どのようなことに関心を持っているのかをリサーチするのが、私たちが待機している時の大切な仕事です。これは先ほどもお伝えしましたね。

では、待機中に気をつけるべきことはどのようなことでしょうか?
ここでは、4つのポイントをご紹介します。

1. お客様が安心して商品を見ることができるように動的待機をしよう!
2. お客様が声をかけやすいように笑顔の表情管理をしよう!
3. お客様のサインに気づける場所に待機しよう!
4. お客様がどのような情報を収集しているのかさりげなく観察しよう!

ぜひお客様を観察し、その情報をもとにタイミング良くアプローチをしてみましょう。

<まとめ>

第28回“愛されブランド”づくりのための販売心理学講座”9

アフタートーク

Michieさん、今回もありがとうございます。

こちらこそありがとうございます。

先ほどご覧いただいた「お客様の心をひらくグリーティングアプローチ」の動画ですが、いかがでしたか?

スタッフの方がお客様と会話をすることは、タイミングやお店の状況によって難しいと感じる時もあるのではないかと思いました。

どうしてそのような感想を持たれたのでしょう?

今日、ちょっと洋服を見に行ったんですよ。
以前から結構好きでよく行くお店に行ったんです。

はい。

今日も入った瞬間に、すごく爽やかな笑顔で「いらっしゃいませ」と声をかけてくれて、私が洋服を見ていたら「サイズが必要ならおっしゃってください」と、すごくいいタイミングで声をかけてもらったんです。それでちょっと期待感が高まったんですが…

期待感が高まったんだけど…

期待感が高まったんだけど、その方はフィッティングルームで他のお客様を接客中だったみたいで、残念なことにその後の接客に繋がらなかったんです。スタッフさんが一人しかいなかったんです。

ワンオペだったんですね。それだと、多客接客が本当に得意な方じゃないと、お客様に滞在していただくのはなかなか難しいですよね。

フィッティングルームに入っていると、そのスタッフさんもなかなか出てこなくて…。私も店内をしばらくうろうろしたんですけど、お店の中の洋服を一通り見ても、まだスタッフさんが出てこなくて、結局一度お店を出たんです。それで、もう一回行ってみたんですけど、また他のお客様を接客中で、これはもう運がないなと思って、今日はそのまま帰ってきちゃいました。

おそらく、Michieさんが2回もお店に来店したことには気づいていたと思うんですが…

そう思いますよ。

アイコンタクトを取ったり、「先ほどはありがとうございます」とか、何かMichieさんに気付いてますよという対応はなかったんですか?

一応、2回目に行った時も「いらっしゃいませ」と声をかけてくれて、「サイズが必要ならおっしゃってくださいね」と言われたんですが、それで終わっちゃうんですよね。私は「話しかけてオーラ」を出していたと思うんですけど。

2回も足を運んだわけですしね。それは残念でしたね。

本当に残念でしたね。

お客様を観察した情報を活用したアプローチではなかったことで、このスタッフさんは、Michieさんとの出会いのチャンスを逃してしまったかもしれませんね。
皆さんがイメージしやすい事例をありがとうございます。そういえば、Michieさんって以前の化粧品会社でアパレルの企画開発を担当されていましたよね?

はい。

ポップアップイベントの際、確か、店頭に立って、ご自身でも接客されていたと思います。その時にお客様へのアプローチで工夫していたことはありますか?

そうですね。やはり、声をかけづらいとか、声をかけてほしくないオーラを出しているお客様が多くて、すぐに帰ってしまう方もいました。ただ、一言声をかけた後に少し返事をしてくれる方もいて、そういう場合には会話が成り立つことがありました。もちろん洋服の話をすることもありますが、中には雑談のようなことを話してくださる方もいます。「今日こんなことがあったんです」みたいに。

やはり、最初はお客様との関係づくりで大切な場面ですね。

だから、お客様がどういう反応を示しているのか、そのお返事の内容や、お客様の年齢、持っているもの、着ている服装などを見ながら会話を選ぶようにしていました。ただ一方的に商品をすすめるのではなく、返事が返ってきたらそれに応じて会話を広げるようにしていたんです。

お客様の持ち物や服装、何を見ているのかなどをしっかり観察しながら声をかけていたんですね。

そうですね。そのお店はお客様が一度にたくさん来るお店ではなかったので、じっくりと観察する時間があったというのもあります。でも、やはり長くお店にいてもらわないと、なかなか販売に繋がらないと感じていました。

ありがとうございます。まさに今、Michieさんがおっしゃったように、お客様に心をひらいてもらわないとお店には長く滞在してもらえませんし、お客様が緊張したままだと、実は販売スタッフの方々も緊張してしまい、うまく販売に結びつけられないんです。ですから、今回お伝えしたグリーティングアプローチをぜひ皆さんに試していただきたいと思います。Michieさん、本日もありがとうございました。

こちらこそ、ありがとうございました。
次回はどのようなテーマですか?

次回のテーマは、「お客様との会話を広げる超アクティブリスニング」についてです。

“ニーズの聴き出し”ですね!
“アプローチ”もそうですが、次回の“ニーズの聴き出し”も悩んでいる方が多いと思います。

そうなんです。まさに“アプローチ”と“ニーズの聴き出し”は、皆さんにとってお悩みの2大巨頭と言っても過言ではありません。
先ほど、Michieさんにポップアップの時のお話を伺いましたが、お客様が少しでも話を聴いてもいいかなと思ってくれると、会話が弾みますよね。ぜひその時に工夫していたことを教えていただけると嬉しいです^^

はい^^

では、本日もありがとうございました。

はい、ありがとうございました。

最後に

今回の「キレイのプロ」のテーマは、「お客様の心をひらく”グリーティングアプローチ”とは?!」について「愛されブランドづくりのための販売心理学講座 #3」の動画を活用してご紹介しました。

愛されブランドづくりのための販売心理学講座

愛されブランドづくり」のために、日頃、皆さんが抱えているお悩みを少しでも早く解決できるように、お客様心理に基づいたスキルを次回以降もご紹介させていただきます。参考にしていただけると幸いです。

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